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「この人の作品を読みたい」と思われるように生きる

ーーこの人の前の作品が面白かったから、きっと今目の前にある最新作もきっと面白いはずだと信じることができれば、お客さんの購入の障壁は低くなるわけです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「『この人の作品を読みたい』と思われるように生きる」というテーマで話していこうと思います。

📚loundrawさんの作品が好き

昨日、primeビデオでアニメーション映画『ジョゼと虎と魚たち』を観ました。

ずっと前から気になっていた作品で、昨日はゆっくりする時間もあったし観てみたんです。気になっていたとはいえ、どんな物語かすら知りませんでした。タイトルとイラストのタッチに惹かれていたんだと思います。

いざ観てみたら最高でした。アニメーションはもちろん綺麗でしたし、物語も僕好みで、終盤ではほろり涙が……。主人公たちの年齢が近いこともあり、将来に思い悩む姿に自分と重なる部分もあり、共感する場面が多かったのかもしれません。

僕が最初に興奮したのは、映画冒頭、この作品のコンセプトデザインを担当した方の名前を見たときでした。コンセプトデザイン、つまり、創作におけるデザインの方向性を決める大事な役割を持つ仕事ですが、この映画ではloundrawさんが手掛けていたんです。


loundrawさんは日本のクリエイター。アニメ作ったり、イラスト描いたり、映画つくったり、多方面で活躍されている方です。

有名どころでいくと、『君の膵臓を食べたい』の表紙ですかね。あれを描いたのがloundrawさんなんです。他にも、『余命10年』とか『屋上のテロリスト』とか。ちなみに今日の記事を書くためにloundrawさんのWikipedia眺めていて気付いたんですが、今僕が読んでいる朝井リョウさんの『星やどりの声』の表紙も担当されていました。なんという偶然!

また、以前僕もnoteの記事で紹介したんですが、loundrawさんは『サマーゴースト』という作品で初の映画監督を務めました。確か、興味が膨れすぎて、夜な夜な自転車で駆けて、映画館まで向かいました。映像美と独特の空気感が魅力的で、青春の自由と不自由を併せ持った作品でした。


先日、BUMP OF CHICKENの楽曲「天体観測」にあわせて物語が展開していくミュージックフィルムが公開されました。実は、この作品を監督したのもloundrawさんなんです。たった5分の短い物語ではありますが、めっちゃ好きなんですよね。本当に僕好み。

僕は名探偵コナンが好きなんですが、最近の映画のイメージボードを担当されているのもloundrawさん。僕にとって強く心惹かれる作品の多くに、何故かloundrawさんが関わっているんです(笑)


📚作者に対する信頼

誰でも簡単に発信できるようになった時代ですから、創作物が次から次へと溢れるように生まれていきます。星の数ほど存在するコンテンツを、それを楽しむ人はどう選んでいくのか。もちろん、自分で調べて興味を持ったから辿り着く人がいれば、知人から聞いて辿り着く人もいる。SNSやYouTubeの広告で辿り着く人もいるでしょう。

ただ、物をつくる人がこれから一番大事にしなければいけないお客さんは、「この人だから」を理由に辿り着く人だと思います。コンテンツはあふれているから、コンテンツをつくる人で選んでいくようになってくる、いや、もうそういう選び方になっているんですよね。

loundrawさんの次回作が完成したら、僕は絶対にまた足を運ぼうと思うし、loundrawさんが表紙のイラストを担当しているという事実だけで、その本を手に取る、買うこともあるでしょう。


コンテンツ自体ではなく、「人」が行動の指針になることはみなさんの中にも必ずあるはずです。

本なんて特にそうで、中身を楽しみきるまでに時間がかかるから、手を伸ばしにいくい。たとえ手を伸ばしても買ってくれるかどうかは分からない。コンテンツと向き合うまでにいくつものハードルがあるわけですよね。でも、この人の前の作品が面白かったから、きっと今目の前にある最新作もきっと面白いはずだと信じることができれば、お客さんの購入の障壁は低くなるわけです。


📚「この人だから」をつくりにいく

僕自身、「この人だから」を理由に、僕の本を買ってもらえた経験が少なくなくて、というよりそれがほとんどなんですよね。

学校の先生とか特にそうで、僕のことを長い時間見守ってくれていた過去があるから、応援の意味を込めて本を買ってくれたことがありました。そのとき持っていた在庫を全部買ってくれた太っ腹の先生もいました。本当にありがたい限りです。

僕のことを全く知らない人からすれば、全く価値のない僕の本も、僕のことをよく知っている人からすれば、複数冊買ってもいいと思えるくらいに価値が生まれるんです。この経験は、改めて、自分に対する信頼を集めることの重要性を教えてくれました。


今度僕は自分の通う大学の施設で、「BOOK TALK LIVE “Message”」というライブイベントをやるんです。僕の初書籍『Message』にまるわるエピソードを熱弁するだけのイベントです。言ってしまえば、新しい人に作品を届けるための策なのですが、イベントに来てもらうためには集客しなければいけないわけで、僕はひとつの手を打つことにしました。

展示会です。

「Message展」という展示会を行うことで、ライブイベントの集客をしようと考えたわけです。大学図書館の1階にある展示室という場所で行うんですが、ここは図書館を利用する全ての人が必ず目にする場所なんですね。図書館の受け付けは2階にあるので、図書館に行こうと思ったら、展示室の前を通らなければいけない。そこで「Message展」を開催していれば、興味を持ってくれる人は少なからずいると思っていて、そこにライブのチラシを置いておけば、集客につながると考えたわけです。

展示会で大切なのは、「この人だから」をつくりにいくこと。もちろん小説『Message』にまつわる展示ですから、物語の内容について記述したパネルの展示も行いますが、それだけじゃなくて、僕がどんな人物であるのか、どんなことをしてきのか、僕の歴史を載せたパネルの展示も行うつもりです。幸いなことに、なんかすごそうと思わせられるような創作の経歴が僕にはあるので(笑)

「Message展」の展示のひとつ


「この人、なんかすごい」
「この人ならきっと面白い」

そう思ってもらえれば、僕の本に対する興味は膨らむだろうし、その本の魅力を紹介するライブイベントへの参加も検討するのではないでしょうか。始まってみないことには分かりませんが、「この人だから」が生まれるような設計を怠らないようにしていきます。

コンテンツに辿り着いてもらうために、つくった本人の信頼を利用することは時として必要だよねという話でした。最後まで読んで下さりありがとうございました。





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