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「離婚」という愛の形。

――別れる方が相手のためになるなら別れるという選択をすることが、「愛する」だと思うんです。「離婚をする」だって「愛する」になり得るんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「『離婚』という愛の形」というテーマで話していこうと思います。


🏨僕たち、離婚します。

先日、マネースクールの佐々木伸悟さんとゆっくり話す機会がありました。テキーラマエストロの資格を持っていた頃は「テキーラ王子」と呼ばれ、モルックにはまっていた頃は「モルック王子」と呼ばれ、僕が管理している木の家ゲストハウスのDIYや運営に携わることもしてくれている、サイドファイヤーした30歳です。
#情報量が多い

1年半前くらに知り合って、何かと関わる機会が多かった佐々木さん。予定を合わせていないのに、僕の向かった先で佐々木さんがいることが多々ありました。セミナーイベントに参加したら佐々木さん、ラジオのゲストに呼ばれてブースを訪れたら佐々木さん、クラフトビールバーに立ち寄ったら佐々木さん……といった具合です。僕のバイト先に現れたときは、さすがにたまげました(笑)

伸吾さん主催のモルック大会

伸悟さんには里実さんというパートナーがいらっしゃいます。

マッチングアプリで出逢い、8カ月の交際を経て、3年前に婚約。結婚式も挙げました。ちなみに、挙式した場所は、僕が元々バイトしていた式場だったので、伸悟さんと「もしかしたら知り合う前にすれ違っていたかもね」なんて話をしました。

挙式後も、おふたりはなかよく慎ましく生活を営んでいました。僕も、その物語にお邪魔することも少なくありませんでした。行きつけのクラフトビールバーで飲み語り合ったり、霞ケ浦の畔の店にナマズを食べにいったり。おふたりとご一緒する度に、その関係の良さに触れていました。

先日、僕の職場の木の家ゲストハウスで突然ご飯会が開かれたんですが、その場にも佐々木夫妻がいらっしゃいました。意外と久々だったんで、いろいろ語り合っていたんですが、そんなふたりがしたとある決断について聴かせてくれました。

佐々木夫妻は離婚することになったんです。

佐々木夫妻とナマズ


🏨相手を愛するための選択

離婚、という言葉だけを取り上げて語り出せば、どうしてもネガティブなイメージが憑いてまわりますが、佐々木夫妻の決断した「離婚」はとても希望的で、それぞれがそれぞれのことを思って、下した結論だったんです。

何故、離婚をするのか。

いくつか理由はあります。それぞれ子どもができにくい体質だったり、ふたりはよくても周りの一部の人たちがふたりの関係をあまり良く受け止めてくれなかったり、あとは、離婚がお互いを輝かせるための手段になると信じたから、ふたりの関係の在り方を改めたんです。

里実さんは伸悟さんに自由に生きてほしいという思いがあるのです。それはまた伸悟さんも同様で、里美さんに自分らしく生き生きと生きて欲しいという思いがある。様々な理由を踏まえた結果、「結婚」という社会的な契約に縛られない方が生きやすいのではないかという考えに至ったのです。

仲良く離婚届を書く佐々木夫妻


僕は「恋」と「愛」の違いを、「自分の願いを叶える行為」か「相手の願いを祈る行為」という風に分けて捉えています。たとえば、「自分がそばにいたいからそばにいる」という行為は恋に紐づくもので、「相手が自分と距離を置きたいから距離を置く」という行為は愛に紐づくものだと思うんです。

極論、別れる方が相手のためになるなら別れるという選択をすることが、「愛する」だと思うんです。「離婚をする」だって「愛する」になり得るんです。

伸悟さんも、里実さんも、相手がより自由に生きることのできる未来を、気負いもなく活き活きと活躍できる環境を望んでいたんです。それが、結果として「離婚」という形であっただけで、そこに宿っているのは「愛」なんですよね。


🏨「離婚」という愛の形

ここ最近、「関係」をテーマに掲げた記事をよく書いていましたが、その矢先、佐々木夫妻の離婚の話を聴いて、そして、離婚はするけれどもそこには変わらずに愛が宿っていると感じることになるとは思いもよりませんでした。

さっきも触れましたが、佐々木夫妻は離婚を消極的には捉えていなくて、むしろ好意的に捉えているんですよね。離婚を面白がるくらいの気持ちでいるんですよね。「離婚式やろうかな」と言っているくらいです(笑)

ちなみに、今日、8月18日、なんでこの記事を公開したかというと、まさにこの日に佐々木夫妻が離婚届けを出したからです。正式に離婚を果たしたからです。

今朝、せっかくだから一緒に面白がろうと思い、佐々木ご夫妻の離婚届けの提出に立ち合いました。まるで離婚する雰囲気を醸し出さないふたりを見て、やっぱり名前のある関係は窮屈なんだろうなと思ったし、そこに愛があるならどんな形だって、どんな距離だって、どんな理屈だって、特別な関係を結んでいいじゃないかと思いました。

初めて見た離婚届

こうして僕がnoteで取り上げているのも、僕が勝手に取り上げているわけではなくて、「どんどん拡散してほしい」という意図を汲んだからでした。

「こういう選択肢があるんだよってことを広めたい」

そんな思いから、おふたりは拡散することを希望しているのです。僕もその肩を持つことにしました。
#つまりちゃんと許可取ってます
#確認もしてもらった

話は少し逸れますが、里実さんは先日、シェアハウスをオープンしたんです。その名も「ルチベル」。「ルチルス(輝き)」と「リベル(自由)」を掛け合わせた造語で、誰もが自分らしく輝ける場所を提供したいという願いが込められています。

離婚後も、他の住人と共に、佐々木夫妻はそこで暮らすそうです。離婚しても、ひとつ屋根の下で暮らす。自分らしさを大切にして、時に助け合いながら、豊かな人生を育てていく。これが、佐々木夫妻の愛の在り方です。

シェアハウス「ルチベル」

この世にひとつとして同じ関係はない。秩序を保つために、「結婚」という契約があり、「夫婦」という名前の関係があるけれど、その名前のせいで息苦しくなるふたりだっている。関係を築く上で優先すべきは、結婚状態を続けることではなくて、お互いが自分らしく自由に人生を送ること、そして、それを称え合うこと。

名前や常識に縛られない関係を築く意義を再認識しました。

是非、みなさんも「関係」や「結婚」、「愛」について考えてみてください。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

20240818  横山黎

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