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らら
2020年7月8日 10:03
私はウユニ塩湖で色々なことを考えた。世界とは家族とは私とはいったいなんだろう?祐一のことは好きだった、それは人間の本能としての愛、肉体の満足、心の満足を得る為の結婚。結婚に後悔は無い、祐一はいつも優しく私を愛してくれて、子育てを経験して私はだいぶ成長できた。でも私の心の深い所は違う物を求めていた。私の失われた身体の一部。幼いころから心の奥の何かが足りない気がしていた、
2020年7月7日 09:52
日本に帰ってからも、ウユニ塩湖の景色が心から消えることは無く、あの不思議な感覚が胸に焼き付いていた。ゆっくり思い出に浸っていたいけどそうは行かない、私たちは帰国してからも、いや帰国した後のほうが忙しく、膨大な量の映像の編集をした。その編集が終わったのは、帰国して一ヶ月が過ぎた時だった。そして、やっと落ち着いた日々が戻って来た。ウユニ塩湖から帰って来てから、私と南さんの距離は
2020年7月6日 10:10
昔は行くまでに何日もかかったウユニ塩湖だが、今は直通便が出ていて10時間で行けるようになった。飛行機から降りると現地の人が迎えに来てくれて、私たちはホテルに向かった。到着したのは夜遅かったので、外は真っ暗で景色は何も見えなかった。漆黒の闇の中を車が走り、私は異次元に行くような気分になった。ホテルは思ったより綺麗な現代的なホテルだった。滞在日数は5日、私たちは1分1秒を無
2020年7月4日 10:35
私と南さんは50代になった。昔のような恋愛感情無く、友達以上、恋人以上の深い部分で結ばれた関係だった。昔はこの感情を恋だと思っていたけど、恋とも愛とも違う感情だった。娘2人は就職して、1人暮らしを始めた。私は祐一と別居して、南さんの事務所の近くのマンションで1人暮らしをしている。祐一と仲が悪くなった訳では無い、50代でもやる気に満ち溢れている私と、毎日ダラダラと過ご
2020年7月3日 10:59
「1人になれる時間。」がなぜ嬉しく感じるのか?たまにしかないご褒美のような時間だから。家族の前だと「お母さん」や「妻」という、目に見えない衣を羽織ってしまう。1人でいる時だけ、本当の自分でいられる。私は今回1人の時間が出来て、本当の自分を思い出した気がした。だらしなくて、めんどくさがり。でもこんな自分でもがんばって母親は出来ている、人は何色にでも染まることが出来る。
2020年7月2日 11:53
気が付くと外は明るくなり、時計を見ると10時を過ぎていた。昼過ぎには娘が帰って来る、私は飛び起きて、部屋を掃除して洗濯機を回し、お酒の瓶を捨てて、見ていたテレビの履歴を消して、私の堕落した生活の証拠が残らないように、すべてを片付けた。2時過ぎ頃に娘が帰って来た。「ただいま~」「お帰り!お疲れ様!」私の母親スイッチが入った。その日の夜は娘と2人だった、塾合宿の
2020年7月1日 10:28
真っ暗な家に入るのは少し怖かった。家に入ってすぐにすべての電気をつけた。お風呂に入り、下着だけで、リビングでくつろいでいた。雑然とした部屋に下着だけの私。明日からはまたいつもの生活。「片付けないと・・・・」始めは1人の空間に慣れなかったけど、今はすっかり1人に慣れた。慣れ過ぎて、堕落した自分に少しうんざりした。動くのがめんどくさい。私はテレビをつけてソファで