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50代(世界と私57)

私と南さんは50代になった。

昔のような恋愛感情無く、
友達以上、恋人以上の深い部分で結ばれた関係だった。

昔はこの感情を恋だと思っていたけど、
恋とも愛とも違う感情だった。

娘2人は就職して、
1人暮らしを始めた。

私は祐一と別居して、
南さんの事務所の近くのマンションで1人暮らしをしている。

祐一と仲が悪くなった訳では無い、
50代でもやる気に満ち溢れている私と、
毎日ダラダラと過ごしたい祐一とは住む世界が違い過ぎて、
お互い一緒にいると疲れてしまうので私たちは週末だけ会う、
週末婚を選んだ。

昭和の言い方だけど私たちおじさん、おばさんには、
この言い方が合っていた。


この生活スタイルになって2年が過ぎた。

世の中も大きく変わり、
自然災害、ウイルスなど予測の出来ない脅威と戦いながら、
人類は安心と平和を求めて生きている。

料理をする人は減り、
包丁を買うのも許可が必要になり、
一家に一台はAIのお手伝いがいて、
面倒な手続きはAIがやってくれた。

祐一は1人で暮らしでも、
AIがいるので不便なことは無い。

不便なことと言えば、
海外に行くのに許可書が必要になり、
個人では入国出来ない国が出来たことだ。

海外に自由に行くことが出来ないので、
virtualtripが流行っていた。

私たちは5年前から、
海外に行きたいけど行けない人の為に、
たくさんの映像を撮って編集していた、
始めは誰も映像を買ってくれなかったが、
今はその映像を必要とする人が増え、
会社は大きく成長した。

しかし渡航が厳しくなり海外に行くことが出来なくて、
映像が撮れいなかった。

そんなもやもやした日々を過ごしていると、
やっと許可が下りて、
私たちは念願のウユニ塩湖に行けることになった。

つづく





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