帰国(世界と私59)
日本に帰ってからも、
ウユニ塩湖の景色が心から消えることは無く、
あの不思議な感覚が胸に焼き付いていた。
ゆっくり思い出に浸っていたいけどそうは行かない、
私たちは帰国してからも、
いや帰国した後のほうが忙しく、膨大な量の映像の編集をした。
その編集が終わったのは、
帰国して一ヶ月が過ぎた時だった。
そして、やっと落ち着いた日々が戻って来た。
ウユニ塩湖から帰って来てから、
私と南さんの距離はさらに縮まった。
言葉を交わさなくてもお互いの気持ちがわかり、
一緒にいると心が落ち着いた。
南さんの娘が海外留学に行くことになり、
南さんは1人暮らしになると言うので、
私たちは一緒に暮らすことになった。
恋や愛よりもっと深い部分で私たちは結ばれていた。
性別を超越して、人間愛をも超えた関係、
この世に生まれて来たのは、
南さんと出会う為だったのかもしれないと私は思っていた。
つづく
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