ウユニ(世界と私58)
昔は行くまでに何日もかかったウユニ塩湖だが、
今は直通便が出ていて10時間で行けるようになった。
飛行機から降りると現地の人が迎えに来てくれて、
私たちはホテルに向かった。
到着したのは夜遅かったので、
外は真っ暗で景色は何も見えなかった。
漆黒の闇の中を車が走り、
私は異次元に行くような気分になった。
ホテルは思ったより綺麗な現代的なホテルだった。
滞在日数は5日、
私たちは1分1秒を無駄にしないように、
次の日の朝早くから行動した。
車で5分でウユニ塩湖の入り口に着くというので、
車で送ってもらった。
始めてのウユニ塩湖を目の前にして、
私は言葉を失った。
ウユニ塩湖は想像以上に広く、白く、静かだった。
何も無いのに何かに包まれているかのような不思議な感覚になった、
これはなんだろう?
私は鳥肌が立った、そして涙が流れた。
隣を見ると南さんも涙を流していた、
私たちは手を繋ぎゆっくりウユニ塩湖の上を歩いた。
言葉に出来ない感情で胸がいっぱいになった、
胸が暖かく優しさで包まれたようかこの感覚、
生まれて始めての感覚だったので私は言葉にすることができなかった。
私たちは数分の間立ちすくんでいた。
「さっ!早く奥に行きましょう!」
ガイドに言われて私たちは車でウユニ塩湖の奥に行くと、
湖面に空が写りまるで空にいるような感覚になった。
時代は進んで様々な変化があったのに、
ここだけは変わらず、訪れたすべての人を愛で包んでくれる、
そんな大きな愛を感じる場所だった。
ここに南さんと一緒に来れて本当に良かった。
私たちは天気が変わらないうちに急いで撮影をした。
初めのうちは空気が薄くすぐに疲れてしまい、
身体が上手く動かなかった、
しかし身体が慣れてくるとスムーズに動けるようになった。
運よく5日間とも天気だけは良く、
撮影は順調に進んだ。
夜は満点の星空に吸い込まれてしまいそうで、
恐怖を感じながらの撮影だった。
そしてあっという間に帰国する日になった。
最後の日、私はウユニ塩湖の景色を目に焼きつけ、
この空気感を忘れないように心に深く刻み込んだ。
そして私たちはバタバタと日本に帰国した。
つづく
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