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nicco
2024年9月29日 08:49
誰もいなくなった夜の遊園地空っぽのおもちゃ箱みたいだそう、キミがはしゃいでボクは微笑むだけ道化は二人もいらない流転する日常はびっくりハウスのように視界だけ移り変わって自分の価値観さえ分からなくなる灯りが消える観覧車星も見えない静かな闇キミの声が風に途切れて一瞬の魔法が解けていく時間が止まった夜の遊園地に木枯らしが吹き抜ける目まぐるしく変わる季節の移ろ
2024年9月13日 20:37
夜の空に瞬いた私は無音の蛍短い命の果てにどこへ行く?求められるままに償いと後悔がこの胸を埋め尽くす縛られる息苦しさに悲鳴をあげる資格もない縁側の隣に立つまやかしの像は私への当てつけのように両手を広げて、想いも努力も嘘なんだって笑われている気がするの畳の湿った匂い夏の陽炎、揺らめく陽射しを受けて私はそこにいる短い命を精一杯散らしたい、弾けたい空回りす
2024年5月21日 07:41
埋め込まれた宝石はとぼけた輝きを放つ力なく笑った君の心臓は鼓動一つも鳴らせないまま冷えていく青月の夜真白な息を見つめるたびに揺れている蒼い炎固く閉ざされた運命の扉ごと燃やしてくれないだろうか?古びた家の隙間に煤けて残った憂鬱静かにしてくれれば何も起こらないのに獅子の眠りを忘れて彷徨い歩く、人間の性熱くなる、青月の夜薄い光と共鳴するサファイア過ぎていく音を超え
2024年4月14日 17:50
春が来ると思い出す翼の生えた三毛猫のタトゥーブロンドの長い髪古びた木の匂いがする書店売れそうにない本を片手に机に足を乗せていた神を恐れない僕の憧れのマリアシガレットキス黒い人魚のパッケージルージュの跡に込められた想いは人工的な甘苦さシガレットキス背伸びして無理にアンサー洋書の話題なんてまるで頭にないのにさよならの後の静けさが薄明かりの背中と重なる少しだけ湿
2024年4月11日 20:31
二度とは戻れない青春黄金色の扉から見える夕陽に照らされた教室と黒板に描かれた相合傘グラウンドの隅で咲く花誰にも気に留められずにきっと私もあの花と同じねあなたの物語の片隅で名前も忘れられているの孤独との対話の中で失われていったもの一番大事な宝物とあの頃、呼んでいたもの沢山、恋はしたけれどどれも夢中にはなれなかった後悔ばかりを経験したから?傷つく心を恐れていた
2024年3月23日 16:57
永遠に焼かれる業火の中で高らかに笑う誰かがいる燃える身体など気に留めず素顔を覆い隠している炎に焦げる痛みすら楽しんでいるかのよう優雅に飛び廻る赤銅のマスカレイド記憶を失い、這い上がる術を忘れても煤けた心を躍らせる狂おしいほどのカリスママスカレイド…両手を広げ、物憂げに俯き口ずさむ天使のメロディー彼を知る者はいない嗚呼、マスカレイド…埃積もった開かずの部屋
2024年2月10日 12:40
視界の悪い雨の夜は頭痛が止まりません虫の知らせを無視できません現場検証ゾーンは立入禁止区域黄色いテープは縄張りの証です何人たりとも通さないその鉄壁の精神 ご立派ですが、誰が中にいるか、もう知っているのです嗚呼、あの日、さよならを告げたあなたの横顔を思い出せないで、いま、もがいているのです握りしめていた綻びの種ランタンの火に焚べたらすぐに消えてしまいそうです
2024年1月29日 19:45
昨日の雪が溶けかけて霜柱にならずに凍りついた地面今なら簡単だねとキミは息を弾ませたモラトリアム最中の僕らの花は短いパステルカラーの思い出に塗りつぶされないように鼻を膨らませるあっけなく、忍び込んだ冬の校舎は白い息が邪魔になるけど響いている僕らの音その一瞬だけでも切り取りたいよ非常口の緑の下安心するねとキミは言う若者は大志を抱けだの恋をせよと言うけれど今は
2024年1月25日 07:32
真夜中の駅の改札の前ポツンとベンチに座る静まり返った改札口からやってくるはずのないまぼろしを待ち続けているずっと変わらない心で何気ない会話で満たされたいの震える唇を噛み締めて悴んだ手を温めているあなたはシャボン玉知らない間に弾けて消えたあなたはシャボン玉束の間の空に浮かぶあどけなさがどこか似てるコンビニの前で集まる若者たちの笑い声がらんとした空洞の中では自分
2023年11月21日 00:40
常夏の太陽が支配するこの街はギラつく視線で客を取る新宿二丁目のネオン街よりも渦巻く欲望はタチが悪いありのまま生きていれば根こそぎ奪われ、捨てられる淡い感情の成れの果てをこの目で見てきた、まるで鳥獣戯画ショッキングピンクなルージュに導かれていく僕はしがない夏の虫パッション溢れた楽園に現実逃避かまして嗚呼…アバンチュール株が暴落しても虹色の雨が降ろうとここだけは
2023年11月15日 08:21
雲の隙間から覗き込む光 氷が溶けきったぬるいコーヒー テーブルには君が描いた 作りかけの似顔絵 雨上がりの匂い 落ち葉の風に運ばれて あの日のまま 止まった午後二時の時計 割れたガラスはもう直したけど 変わらない世界が いつでもここにあったらなんて妄想 願うだけ無駄なのでしょうか? 虫籠越しに眺めていたいけど あまりにも時の流れが速すぎて ハンガーにもかけ
2023年10月20日 14:20
雪の降りしきる河川敷風が冷たく突き刺さる地獄のような日々半笑いの陰口に耐えきれずうずくまり、震えていたの。凍りつく心を温めて…そっと涙を拭う人を求めてる嗚呼、夢から醒めないで覚まさないで、いっそこのまま真冬の空に咲く小さな煌めきあの三等星に私はなりたい携帯がとても怖かったのカメラは真実を写してしまうから麻痺させた心がまた疼いてる知っているわ、その姿がいかに滑稽か
2023年10月13日 07:25
薄い水彩画のキャンバスは高校の向かいの小さな部屋傘もささず、飛び出した君胸に着けていたのは銀のロザリオ1時間おきに飛び出す鳩時計よこの声が聞こえるか?刻む秒針に不安を募らせたお前の思うツボさsay Good-byあるがままの恋に憧れ焦がれていた淡墨のそよ風が紫陽花に滲むremember me記憶の奥で揺らめく青い炎まがいものならすぐに吹き消してたまに笑みを浮かべ
2023年9月15日 19:08
眠気まなこを指でこすり見上げた月明かりは鮮やかな光の粒に包まれたひまわりのようふわりと漂う風に夏の終わりを感じるまた一つ増えたシャッター店今年も不発の花火大会嗚呼、夢のように歩きたいな全部、うわの空で済んだならしがらみさえもどこ吹く風人生は楽しさの連続だ悪意も親切もごちゃ混ぜにして寂しさに触発された僕の心はまるでエメラルド