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海外生活振り返り日記-ニュージーランド前編-#17

ラッセル

 パイヒアから海を挟んで目の前にラッセルという街が見える。ラッセルは島ではなく半島なのだが、フェリーで片道15分で行けるというので午前中のブッシュウォークツアーの後行ってみることにした。

 青とクリーム色のおもちゃみたいな小型船に乗って出発。船長は白地に青のボーダーのTシャツ姿に白ひげを生やしたおじいさん。まるで絵本に出てくるような雰囲気で船とマッチしている。
 来てみてから知ったが実はこの場所、ニュージーランド初のヨーロッパ人定住地と言われていて、この辺一帯は歴史のある場所らしい。街には小さな博物館があったり小さな教会があったり小さなカフェやレストランが並んでいたりと、小さな街に沢山の西洋のおもちゃが綺麗に並んでいる様。海沿いのお店は白い建物が多く、水色の空に白い建物、明るいクリーム色の砂浜に爽やかな水色とエメラルドグリーンの海で街はぱっと明るい雰囲気で本当に気持ちがいい。ここで生まれ育っていたら一体どんな人格になるんだろうと思うくらいリラックスした街。
 昼食には海外らしい大きなハンバーガーを食べ、散歩したり博物間に入ったり、ポストカードを買ってハガキを出したり。滞在時間はほんの2、3時間くらいでこれと言って特別なことをした訳ではないが、今でも思い出せるくらい素敵な所だった。穏やかでゆったりとした時間が流れている雰囲気で、時間があまりないながらものんびり過ごせた。

 夕方4時のバスでオークランドへ帰らなくてはいけないので、来たばかりだがまた小型船に乗りこ込みパイヒアへと戻った。バス停の近くにアイス屋さんがあったのでニュージーランド名物のホーキーポーキーを2人に勧め、アイスを食べながらバスが来るのを待つ。
 あっという間だったが森散策したり船に乗ったりと印象に残る場所だった。帰りのバスから見えるベイ•オブ•アイランズの小さな島々が本当に綺麗だったが友達は疲れ切ったのか既に寝ていて共感はできなかった。


アジアンフェイスで気がついた事

 オークランドに着き、まだ時間があったので解散する前にあの学生たちが集まるバーに行ってみることにした。
 この日は入り口に大きな男の人が立っていて年齢チェックしていた。当時我々は27歳だったのだがアジア顔のせいで未成年だと思われ、パスポートを見せるよう言われた。3人とも若く見られてちょっと喜ぶ。でも今考えると日本で普通に着ている服装は西洋人からすると子供っぽいんだろうなと思う。顔や服装もそうだが、声も高いと子供の様な印象を与える気がする。

 当時は普通に嬉しかったし未だに日本で若く見られたら単純に喜ぶが、外国ではただの子供っぽい大人だと思われる節がある。顔が若々しく見えて良いという人もいるかもしれないが、精神年齢すら低く見られるのはちょっと嬉しくない。それなので最近は外国で学生だと思った等と言われると半分嫌味なのかと半信半疑になる事もあり素直に喜ばなくなった。

 服装の事で言ったら日本では膝上丈のワンピースやスカートはある程度の年齢を超えると若作りだ、とあまり良いイメージではないが、西洋人はお母さんもおばさんでも素足にカラフルな膝上ワンピースを着てたりする。
 そしてその影響もあるのか、ずっと海外に住んでいるとちょっとズレ気味に外見に関する思考が変わってくる。外国の女性たちはそのカラフルなワンピースを素敵だと思うから着ているわけなんだろうけど、私の場合は外国には知り合いもいないし周りにどう思われようがどうでも良いという感じで、本来日本に居たら絶対に着ない様な服を平気で着てしまう。
 以前日本の友達にネットで買ったワンピースがイメージと違ったから着るならあげると言われ頂いた服がある。正にその服は自分の趣味でもなければ絶対に日本では着ない服だった。でも外国なら着れる。しかもその服を着ていると割りと人から素敵だと褒められるからやっぱり何でもありなんだなと思う。自由にファッションを楽しみ、年齢に関係無く好きなものを着るという海外女性とは少し違うが、以前にも増して海外では何でも着て良いやとついつい自由な気持ちになってしまう自分に気がついた。

 そうそうバーではやっぱり夜になると爆音で音楽が流れていたので全然友達の声が聞こえず、各々ただにこにこ飲み物を飲むことしかできなかったので一通り雰囲気を味うと早々に外に出る事にした。
 翌日の予定はオークランドの島探検。前にクラスメイトと行ったランギトトではなく別の島だ。友達は明後日の朝には日本に帰ってしまうので2人にとっては最後の遊べる日。良い思い出ができればと思う。
 この日もそんなに遅くなっていなかったと思うがなんとこの2人、解散後ホテルに入れずしばらくの間閉め出されていたらしい。後から聞いたら私の知らない間にも2人の冷や汗もののドタバタ旅行記ネタが沢山あるようだ。

つづく

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