週刊少年松山洋_タイトル_修正

少年ジャンプの発行部数と子供の数

“あの少年ジャンプも発行部数がピーク時の1/3まで減ってるのかー、もうジャンプも(漫画雑誌も)駄目だな”

なんて意見をよく目にします。

これは【現在の少年ジャンプの発行部数が200万部ぐらい】という記事が出るたびによくネットで見かけることが多いです。

発表されている通り、現在の少年ジャンプの発行部数は200万部。

そしてよく比較されるのが、過去最高の発行部数だった1995年の635万部。

635万部と200万部。

この数字だけを比較すると確かに1/3まで減っています。

ただこの数字だけを見て“ジャンプは終わってる・漫画雑誌は終わってる”なんて意見に私は“ちょっと待った!”と言いたい。

そもそもの子供の数をご存知ですか?

私が生まれた1970年当時は新生児がなんと250万人も誕生していました。

しかし我が国・日本はずっと(37年連続)少子化が続いています。

2017年は100万人を切りました。(94万人)

2019年は86万人でした。

このまま少子化が進むと80万人くらいまで落ち込むと言われています。

*2022年に77万人となってしまいました

追記

そもそもの子供の数がかつての1/3近くにまで減っているのですよ。

そう考えると少年ジャンプの200万部という発行部数ってすごいと思いませんか?読者である子供の数が1/3に減っている上に、昔と比べてゲームやスマホなどの“子供たちの時間を奪い合うツール”がこれだけ溢れている中でこの200万部という数字は本当にすごいと思います。

だって(比率から考えると)対象となる子供たちは我々が幼少だった時と変わらずみんなジャンプを読んでいるってことなんですから。

(もちろん昔と比べると大人も漫画を読むようになったのでこの200万部という数字は決して純粋な子供の数だけではありませんが)

それでもスゴイ。

少年ジャンプは本当にスゴイんです。

一方の数字しか見ていなくて“駄目だ”なんて言ってる人がいたら“いやいやあのね全然そんなこと無いんだよ?”って言ってあげたい。

とはいえ。

売上だけの話をするとどうしても国内の雑誌の年間売上は減少してきているのは事実です。

では肝心の集英社の売上が落ちてるかというとそうではありません。(だいたい毎年1200億円前後の売上に対して50億円前後の利益を出しています)

確かに雑誌の売上は減少してますが“それ以外”でキチンと収益を上げています。それ以外とはWEB・版権・物販のこと。WEBは電子書籍、版権はライセンス収入、物販は文字通りグッズ商品化ですね。

要するにビジネスのあり方が時代と共に変化してきたということ。

これからは特に海外での売上比率も増えていくことでしょう。

世の中のツールやテクノロジーの進化に伴って日本で生まれたコンテンツはどんどん世界に広がりやすくなっています。

“面白い漫画を生み出して単行本をたくさん売る”というビジネスから“面白い漫画を生み出したらアニメ化してたくさんの人にテレビやネットを通じてその作品のことを知ってもらって単行本を買ってもらう。アニメでファンが増えたら更にゲームやカード・グッズ化して更にファンの皆様に喜んでいただいてまた単行本を買ってもらう。実写映画だってハリウッド映画だって作品を一人でも多くの方に知っていただくための戦略のひとつ”ということですね。

*****

さて、今回の話はここまで。

さて後半部分は完全に個人的な話というか物語。

幼少期に私が初めて少年ジャンプと出会った時の物語です。

どういった出会いからこんなにも漫画を愛するようになり今の私自身が出来上がっていったのかをドキュメンタリーとして描いています。

【週刊少年とジャンプの物語・接触篇】をお届けします。

【週刊少年とジャンプの物語・接触篇】

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