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編集プロダクション/ライター事務所のparquet(パーケット)です。代表:遠藤光太

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マガジン

  • 連載エッセイ「どう生きたいかなんて考えたことがなかった」

    ライター・フジイさんによる全8回の連載です。

記事一覧

【要約音声】ライターにとってChatGPTは敵か、それとも友達か?【編集部コラム】

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記事要約音声

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1年前
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今ここにないものにも、耳を傾ける。「声のアトリエ」のオープンダイアローグ

オープンダイアローグ(開かれた対話)には、話せない時間がある。 私が語りをしたあと、私以外の参加者だけで、私の語りについて話すのだ。これはオープンダイアローグに…

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1年前
16

なぜライターにとってwell-beingが大切なのか? AIには書けない文章を考える【編集部コラム】

執筆:遠藤光太(parquet) ひどい鬱のときに重大な決断をしない私がひどい鬱だったとき、「今は脳がバグっているから重大な決断はしないでおこう」と決めていた。例えば…

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1年前
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ライターにとってChatGPTは敵か、それとも友達か?【編集部コラム】

「Singularity is here(おそらく)」「DX?Web3?NFT?今度はChatGPT?LLM?もう無理……」と、IT・Web界隈のバズワードに嫌悪感を持っている人も少なくないと思う。 実…

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1年前
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【編集部コラム】その引用は、リスペクトか、ウォッシュか?

「創作物」が爆発的に生み出される時代にアイザック・ニュートンは、ニュートン力学の確立や微積分法の発見を実現した。この名言は、自分の成果が先人たちの研究や知識に基…

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1年前
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#6 ずっと一緒に働いてるから、俺がどんな思いで貯めた50万かわかるよな?

「福祉は申請主義。基本的にこちらから申し出なければ動いてはくれない。何をどう利用できるのか知らない方のほうが多い」 ドラマ『リエゾン こどものこころ診療所』(テ…

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1年前
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#5 私の自立は、一人暮らしを始めたことでも就職をしたことでもなく、母と縁を切ると決めた瞬間だった

結婚を機に母と縁を切り、5年が経つ。 夫とその家族という新たな繋がりができるにあたって、母の存在は脅威だった。 精神的依存のみならず、経済的依存もあったためだ。 …

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1年前
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#4 母のようになるのが怖い。母のせいでこんな惨めな思いをした。幼少期の経験のせいでこんなに生きづらい。もっと普通の家庭で…

私たち夫婦には、子どもがいない。 何度も話し合い、子どもをつくらない選択をした。夫との間に子どもがほしくない、と言ったら嘘になる。ベビーカーを押しながら歩く幸せ…

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1年前
9

#3 はくじょうもの!死にかけてる母親を置いて帰るなんて!

「お酒たくさん買ってる」 偶然通りかかったクラスメイトが、私の自転車のカゴに積まれたビニール袋をのぞきながら言った。小学校3年生のときのことだ。 母に頼まれ、近…

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1年前
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#2 お前って無表情だよなあ。お前見てると親に愛されなかったんだなと思うわ

「お前って無表情だよなあ。お前見てると親に愛されなかったんだなと思うわ」 新卒で勤めた会社の上司が、憐憫を含んだような薄い笑みを浮かべながら私に言った。忘年会で…

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1年前
11

#1 サッカーなんてやったら、女の子なのに日に焼けるやろ

「習い事したいんだけど」 夕飯を食べ終えて、スマホで漫画を読んでいる夫に言った。 「いいんじゃない?何するの。運動不足だからヨガとかいいんじゃない」 スマホから…

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1年前
8

社会福祉の編集プロダクション<parquet>のご紹介

はじめまして。編集プロダクション・ライター事務所の<parquet>(パーケット)」です。 この記事からnoteで情報発信を始めます。書いているのは、代表の遠藤光太です。…

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1年前
34
今ここにないものにも、耳を傾ける。「声のアトリエ」のオープンダイアローグ

今ここにないものにも、耳を傾ける。「声のアトリエ」のオープンダイアローグ

オープンダイアローグ(開かれた対話)には、話せない時間がある。

私が語りをしたあと、私以外の参加者だけで、私の語りについて話すのだ。これはオープンダイアローグにおいて「リフレクティング」と呼ばれるステップである。なんとも不思議な時間だ。



今回、ちはやさんこと髙本裕子さんが主宰する「声のアトリエ」の「オープンダイアローグ・カフェ」に参加した。

ここでは、オープンダイアローグをオンラインで

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なぜライターにとってwell-beingが大切なのか? AIには書けない文章を考える【編集部コラム】

なぜライターにとってwell-beingが大切なのか? AIには書けない文章を考える【編集部コラム】

執筆:遠藤光太(parquet)

ひどい鬱のときに重大な決断をしない私がひどい鬱だったとき、「今は脳がバグっているから重大な決断はしないでおこう」と決めていた。例えば「死ぬ」とか。

「バグっている」とはグラデーションだ。鬱でなくても、どこか調子が悪い、不機嫌、不安などがあると、日々の小さな判断を間違えてしまう。

私たちが文章を書くときには、無数に存在する「次の1文字」を選び取る判断を繰り返し

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ライターにとってChatGPTは敵か、それとも友達か?【編集部コラム】

ライターにとってChatGPTは敵か、それとも友達か?【編集部コラム】

「Singularity is here(おそらく)」「DX?Web3?NFT?今度はChatGPT?LLM?もう無理……」と、IT・Web界隈のバズワードに嫌悪感を持っている人も少なくないと思う。

実際のところ、NFTについて無視して生活していても、何も影響はないかもしれない。

ただ、ChatGPTの登場と生成AI・対話型AIの普及は、これまでのバズワードとはちょっと質が違っていて、革命がい

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【編集部コラム】その引用は、リスペクトか、ウォッシュか?

【編集部コラム】その引用は、リスペクトか、ウォッシュか?

「創作物」が爆発的に生み出される時代にアイザック・ニュートンは、ニュートン力学の確立や微積分法の発見を実現した。この名言は、自分の成果が先人たちの研究や知識に基づいていることを認め、リスペクトを表している言葉である。「引用」は、このように過去から未来へ叡智をつなげるために、重要な役割を持っている。

引用には、法に定められたルールがある。例えば、以下の内容はその一部だ。

ただし、最近では引用や著

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#6 ずっと一緒に働いてるから、俺がどんな思いで貯めた50万かわかるよな?

#6 ずっと一緒に働いてるから、俺がどんな思いで貯めた50万かわかるよな?

「福祉は申請主義。基本的にこちらから申し出なければ動いてはくれない。何をどう利用できるのか知らない方のほうが多い」

ドラマ『リエゾン こどものこころ診療所』(テレビ朝日系)の第5話、「ヤングケアラー」がテーマの回でのセリフだ。

Twitterでは、共感する多くの声が挙がった。私自身、頷くだけでは物足りないほど共感した。

どんなに困窮していても、自分が動かなければ救いの手は差し伸べられない。福

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#5 私の自立は、一人暮らしを始めたことでも就職をしたことでもなく、母と縁を切ると決めた瞬間だった

#5 私の自立は、一人暮らしを始めたことでも就職をしたことでもなく、母と縁を切ると決めた瞬間だった

結婚を機に母と縁を切り、5年が経つ。

夫とその家族という新たな繋がりができるにあたって、母の存在は脅威だった。
精神的依存のみならず、経済的依存もあったためだ。

母と縁を切り、肩の荷が降りたというのが私の本音だが、縁を切った当初は、小さなアパートで一人老いていく母の姿を想像しては罪悪感に苛まれた。

母が孤独死したら私の元に連絡がくるだろう。母の遺体や、母が生活していた四畳一間の部屋を見て、私

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#4 母のようになるのが怖い。母のせいでこんな惨めな思いをした。幼少期の経験のせいでこんなに生きづらい。もっと普通の家庭で育ちたかった

#4 母のようになるのが怖い。母のせいでこんな惨めな思いをした。幼少期の経験のせいでこんなに生きづらい。もっと普通の家庭で育ちたかった

私たち夫婦には、子どもがいない。

何度も話し合い、子どもをつくらない選択をした。夫との間に子どもがほしくない、と言ったら嘘になる。ベビーカーを押しながら歩く幸せそうな夫婦を街中で見かけると、素直にうらやましいと思う。でもそれ以上に、子どもをつくれない、つくりたくない理由があった。

私は、自分の子どもを育てる自信がない。

虐待の世代間連鎖の確率は3割程度だと聞いたことがある。3割と聞くと、多く

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#3 はくじょうもの!死にかけてる母親を置いて帰るなんて!

#3 はくじょうもの!死にかけてる母親を置いて帰るなんて!

「お酒たくさん買ってる」

偶然通りかかったクラスメイトが、私の自転車のカゴに積まれたビニール袋をのぞきながら言った。小学校3年生のときのことだ。

母に頼まれ、近所の酒屋でいつものようにビールを買っていた私は、同級生にその姿を見られたことがたまらなく恥ずかしかった。

「親戚がたくさん来るから...」と咄嗟に嘘をつき、そそくさと自転車に乗ってその場を去った。

その時の気持ちを、いまだに思い出す

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#2 お前って無表情だよなあ。お前見てると親に愛されなかったんだなと思うわ

#2 お前って無表情だよなあ。お前見てると親に愛されなかったんだなと思うわ

「お前って無表情だよなあ。お前見てると親に愛されなかったんだなと思うわ」

新卒で勤めた会社の上司が、憐憫を含んだような薄い笑みを浮かべながら私に言った。忘年会での出来事だ。

笑って適当に受け流すことも、「なんでそんなこと言うんですか」と反論することもできなかった。不躾な言葉を浴びせられたことに対する腹立たしさよりも、「普通」じゃないと思われたことへのショックで、胃のあたりがヒンヤリと冷たくなっ

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#1 サッカーなんてやったら、女の子なのに日に焼けるやろ

#1 サッカーなんてやったら、女の子なのに日に焼けるやろ

「習い事したいんだけど」

夕飯を食べ終えて、スマホで漫画を読んでいる夫に言った。

「いいんじゃない?何するの。運動不足だからヨガとかいいんじゃない」

スマホから目を離さないまま、夫が言う。

「ヨガじゃない。サッカーがやりたい」

そう言うと夫は顔を上げて、「いいじゃん」と笑った。

世界中がワールドカップで白熱しているさなか、私は近所のドン・キホーテでサッカーボールを買った。

「女の子ら

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社会福祉の編集プロダクション<parquet>のご紹介

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はじめまして。編集プロダクション・ライター事務所の<parquet>(パーケット)」です。

この記事からnoteで情報発信を始めます。書いているのは、代表の遠藤光太です。個人でライター・編集者をしているほか、チームでお仕事を受注し、メディアの立ち上げやリニューアル、連載企画の制作なども行っています。

遠藤の自己紹介2018年からライターを始め、6年目になりました。過去には編集プロダクションに勤

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