9.【スケルトンハウス】
我が家の玄関側にある道を右手にすると、正面に大きく分けて三本の別れ道が伸びている。
神社公園のある道は左手。
残る真ん中の道を進んでいくと、途中に家がU字型に並んでいる横道がある。
その横道は現実の世界にも存在する場所。
ある日の夢は、その横道に立っていた。
すぐにアッチノ世界だと思わされた。
なぜなら、並んでいる全ての家がガラスやプラスチックで出来たような透明の家ばかり。
どの家も骨組みだけじゃなく、家の中も丸見えだった。
ご飯を食べていたり、テレビを見ていたり、あんなことやこんなこと。
夢だからか、容赦なく恥ずかしいことまで丸見え。
見えてしまうのが失礼な気がして、その横道から出ようと方向転換して数歩……。
歩き出したアタシの背中を何かが引っ張る。
恐る恐る振り返ると、小さな女の子がアタシの服を掴んでいた。
「どうしたの?」
声をかけてみた。
「どこへ行っちゃうの? ママ」
「ママ?」
「パパも待ってるよ」
そう言うと女の子は振り向いて家を指さした。
指された家の前では、男の人が手を振っている。
「あの人がアタシの旦那さん? アタシもあの家に住んでいるの……?」
なんてブツブツと呟いていたら、女の子がアタシの腕を掴んで家の方へ引っ張っていく。
「ちょっと待って! 待って!」
「早くお家に帰って一緒にお風呂入ろうよ」
慌てるアタシを無視して、女の子は笑顔で腕を引っ張る。
まだ小学校にも入っていなさそうな幼い子なのに、異常に力が強い。
「いや……いや……いや……」
駄々をこねる子供のようにしゃがみ込んでいたら目が覚めた。
いくら夢でもねぇ。
丸見えでお風呂はちょっと……。
寝起きの頭で考えた朝でした。
透けている家を見つけた時は、捕まる前に逃げたほうが賢明ですね。
別サイト初回掲載日:2010年 12月22日
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