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『The Days』鎮魂歌となった音声ガイド
Netflixで6月1日より配信開始の『The Days』のバリアフリー音声ガイドの原稿制作・監修をしました。今作は2011年3月11日の東日本大震災により起きた福島第一原発事故を丁寧に描いた、事実に基づく作品です。
一般的なドラマであれば、少しずつ暗い出来事から明るい兆しに上昇していく構成が主流ですが、今作は大きく違いました。最初から最後まで全部暗く厳しいのですが、多くの方に是非ご覧いただき
『漁港の肉子ちゃん』バリアフリー音声ガイドを声優の下野紘さんが担当!その経緯とは・・・?音声ガイドの裏側に迫ります。
2021年元旦、敬愛するアニメ制作会社STUDIO4℃から制作発表があった。
西加奈子さん原作の『漁港の肉子ちゃん』。
僕は急いで書店に向かった。
読了して涙がこぼれた。
「これは僕のオカンの話だ・・・。」
オカンは幼い頃に母親が蒸発、そして10代の頃、父親が亡くなった。
身寄りもなく、天涯孤独で転がるように生きてきた。夜の街で働いていたことを教えてくれたのは、最近の事だった。パートを掛け持ちしな
『私をくいとめて』のバリアフリー音声ガイドを制作しました!🌊
4月14日より販売のDVD『私をくいとめて』のバリアフリー音声ガイドの原稿・音声編集・ミックスを担当致しました。
制作の御縁を頂けたのは、大九監督の前作『勝手にふるえてろ』をバリアフリー制作した明治大学バリアフリー映画祭実行委員会 しろくまプロジェクトがきっかけでした。
(学生だけでバリアフリー音声ガイドを制作し、上映し、監督とトークをするというとんでもない企画でした笑)
学生達の栄光でこんな素
映画『えんとつ町のプペル』もうひとつの物語〜音声ガイドに込めた想い〜
11月4日14時頃。登録していない番号から電話がかかってきた。
訝しんで電話をとった僕は、通話を終えた後、周囲を顧みず、号泣した。
電話の相手は、アニメ制作会社STUDIO 4℃のプロデューサー。
「海獣の子供」の視覚障碍者用の音声ガイドの言葉の選び方が良かったので、現在つくっている映画の音声ガイド制作をまたお願いしたいというものだった。
年初めに会社を辞め、フリーラン
【がいこくえほん展〜未来を読み取る君へ〜】
がいこくえほん展に行ってきました〜🙌
フランスからスペイン、インドまでさまざまな言語の絵本が取り揃えられていました。
インドの絵本なんてタラブックスで(ハンドメイドで手すきの紙にシルクスクリーンで印刷し、手作業で製本した絵本)出来上がったばかりの本はインクの香りがするんだそう。ヨーロッパの美術館に入ったような美しい絵本も沢山ありました。
絵本を1ページずつめくりながら、日本語で内容を説明しなが
【壊れたココロに魔法以上が宿っていく】
粉々に割れたココロは、どのように融解して戻るのか僕はよく知らない。病気になってから心配だった。社会復帰はできるのだろうかと。そんな中、アーヤ 藍さんに御声掛けいただいて、映画祭を5日間お手伝いさせてもらいました。受付周りだけじゃなくて司会やトーク進行まで責任のある立場まで振っていただき、すごく嬉しかった。不安よりもそれだけ信頼してくれたという喜びに応えたかった。きっと求められてることは、完璧な立ち
もっとみる【隠岐の島と孤独な洞窟】
「視覚障害の人の映画鑑賞をサポートする音声ガイドで、ラの音と母音の“あ”はとても相性がいいんだよ」と僕がそう言った時に彼は大声で嗚咽を漏らした。誰かの為じゃない、そうただ僕一人の為に。
〜二時間前〜
拓也とスーパーに行って家で晩飯の用意をしていた。僕はやることがないから彼のワイシャツにアイロンをかけていた。
拓也は島根県の隠岐の島に住んでいる友人だ。彼の家に寝泊まりさせてもらって四日目、なん
『海獣の子供』を大切な人に観て欲しい
映画の音声ガイドを完成させて泣いたのは『湯を沸かすほどの熱い愛』以来、およそ三年ぶりだったと思います。
自分で編集してラストシーンに差し掛かった時に、ただただ唇が震えて泣けたんですね。正直言えば三年間ずっと辛かった。さまざまな媒体に取材で取り上げられればられるほど、プレッシャーになってた。
**“でもそれに見合うほどの反響ってあまりなかった” **オリンピック開催国と決まってから僕はずっと意
アニとしてヒトとして
今日は高校時代の親友の結婚式だった。
親友のご家族とも久しぶりに会えた。
写真でくっついてきているのは、新郎の妹。
高校生の僕が小学生の彼女とよく一緒に遊んだ。(互いの家を自由に出入りしていた…笑)
そんな彼女も十年という月日が経ち、すっかり女性になった。それなのに、あの頃と同じように「ヒロ!大好き!」とくっつかれた時には言葉には出来ない感動があった。
何者でもない“ただの
ユニバーサルシアター支配人としての覚悟〜ぼくが10万円もするYohji Yamamotoを着る理由〜
こんにちは!シネマチュプキタバタの和田です。
シネマチュプキタバタは開館して2年半となり、有難い事に様々な媒体から取材をいただいてきました。毎回試行錯誤を続けましたが、ぼくの力不足により、熱量だけで内容が伴わなかったり、緊張し舞い上がってしまって凹んだりと、反省することも多々ありました。
中でも残念だったのは、自分の辛かった過去を話すと“だからこんな活動をやっているんだ”と、どこか納得され