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れきしサロン

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史学科卒が語る歴史のあれこれ。「歴史を学ぶ意味」「歴史から見えてくること」など、「歴史」そのものについて考察しています。
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#古文書

時空を超えたきみが愛しくて仕方ない

時空を超えたきみが愛しくて仕方ない

「憎まれて 世に憚るは適役 憚りかねて 今は冥途」

江戸でやらかして、遠く松前(北海道)にたどり着いた。でもその松前にもいられなくなり、こうして冥途に向かっている。

江戸時代、坂東秀蔵という人が遺した辞世の句です。先日読んだ本の中に出てきて、この句のセンスの良さに脱帽しました。

歴史は堅いものであると、歴史好きの私でさえ思い込んでいたようです。過去を生きた人々は、教科書といういわゆる公式の場

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【その②】歴史の教科書を変えるような大発見は、案外普通の家から出てくるもの【読書レポ】

【その②】歴史の教科書を変えるような大発見は、案外普通の家から出てくるもの【読書レポ】

その②のテーマは「すべてのモノは使いよう」。

その①はこちらから☆

本記事をより楽しむため、ぜひお読みください。

史料整理の現場は普通の職場に似ている古文書を読んでいる姿は想像できても、古文書を集めている姿は想像できない……そんな方も多いのではないでしょうか。

「古文書収集」とは何でしょう。遺跡の発掘みたいに、掘り起こして探すの?

本書では、あまり知られていない「古文書収集の手順」が、実

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歴史の教科書を変えるような大発見は、案外普通の家から出てくるもの【読書レポ】その①

歴史の教科書を変えるような大発見は、案外普通の家から出てくるもの【読書レポ】その①

「歴史研究者」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?

暗い研究室に閉じこもり、ひたすら本を読んでいる……そんなイメージがあるかもしれません。

「歴史」と「フィールドワーク」。これらの言葉は、結びつかないと考えられがちです。

ですが、今回レポートする本『古文書は歴史をどう描くのか』の著者である白水智先生は、研究室に閉じこもらない、太陽の下にいる歴史学者なのです。つまり、実際に研究室から出

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