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映画感想

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2022年11月の記事一覧

映画「グリーン・ナイト」感想 アーサー王伝説×ガヴェインと緑の騎士×原典の内容

映画「グリーン・ナイト」感想 アーサー王伝説×ガヴェインと緑の騎士×原典の内容

内容が難しく、原典を知らないと分からない。ただ、ガヴェインが旅をしている中で出会う人達や出来事が特徴的だ。魔法が実在する物語ではあるが、中世の世界観があり、歴史の物語かと思われる。緑の騎士は、ファンタジー要素が強いが、騎士の定義を理解していて、ガヴェインに試練を課す。ガヴェインは、騎士ではなく、まだ放蕩息子である。緑の騎士に出会うことで、騎士とは何かを学んでいく。

映画「アムステルダム」感想 結婚×親友×人間関係

映画「アムステルダム」感想 結婚×親友×人間関係

興味深い映画だった。自分、親友、親友の恋人という三角関係?にはならなかった。恋人関係にはならなく、主人公は既婚者の医者である。恋愛よりは如何に家に帰って妻に合うのかが大切だという。依存しているようで、最後は妻や義父との関係を断ち切り、医者としてのキャリアを捨ててしまう。その過程が印象的だ。実在の事件がテーマだが、主人公の医師はコミカルで、免許がないので、闇医者まがいなことをしていた。最初は妻を愛し

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映画「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」感想

映画「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」感想

想像より滅茶苦茶いい映画だった。最後に涙がでてきてびっくりしたし。トワとヒイロの関係が主従関係をこえた絆で、お互いの命を救い合うのは非常によい。テレビシリーズは何だか合わなかったが、劇場版は最高だった。ある程度キャラが揃った段階で観るとまったく違う印象になるから不思議だ。劇場版だと、トワの国がメインなので、スライムのリルムまわりは知らなくてもなんとかなる。ヒイロの忠義が印象的で、トワも女王として器

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映画「左様なら今晩は」感想 幽霊×恋愛×考察しきれない材料不足

映画「左様なら今晩は」感想 幽霊×恋愛×考察しきれない材料不足

陽平と愛助の物語。よく分からない話だった。幽霊の愛助の詳細はほとんど分からないし、陽平も優柔不断ですぐ謝るし、そのくせ、据え膳食わぬは男の恥何とかで意味が分からない。事故物件と思い、不動産屋に行っても、のらりくらりかわされる始末。もっと頑張よと。あれだけ愛助を想っていても、鈍感で愛助の本音を読み取れない。最後の愛助とのデートも「また行こう」とあっさり言ってしまう。あれほど、成仏について調べていて、

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映画「母性」感想 母と娘×実母に褒められたい×娘よりも……

映画「母性」感想 母と娘×実母に褒められたい×娘よりも……

ただひたすら、ツッコミの映画だ。主人公のルミ子が、実母の娘として振る舞う。自分の子供よりも、実母を優先する姿勢には、何か狂気を感じた。依存しているように見えるのは仕方ないかもしれない。実母がいなくなっても、義母に認められることを優先するのはどうか?こき使われ、熱があっても野良仕事をさせられる。何か反論すればいいのに、それをしない。承認欲求が高すぎるのか。ルミ子はどこか歪で、母と同じでないと、褒めら

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映画「ザ・メニュー」すべてを使ったメニュー×シェフのプライド×狂気のレストラン

映画「ザ・メニュー」すべてを使ったメニュー×シェフのプライド×狂気のレストラン

面白かったが、怖かった。シェフの復讐ともいえるメニューで、参加者は恐怖を味わう。CMを見た感じ、そんな気はしていたが、覚悟が違った。シェフ怖い。とはいえ、プライドや経験、人生を否定されたシェフの気持ちだけは分かる気がする。まさに、人生とレストランとすべてをかけた復讐。ラストの招かれざる客の対応はびっくりしたが、まさか、すべてがなかったことになるとは。メニューは、1品目がまだまともで、段々と狂気に支

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映画「すずめの戸締まり」感想 ロードムービー×新たな新海世界

映画「すずめの戸締まり」感想 ロードムービー×新たな新海世界

3回目を観てきた。君の名は。以来だ。考察がたくさんでき、閉じ師の設定は印象に残る。君の名は。からの三部作では、一番考察ができる作品だ。

草太の両親はどこか?祖父が育ての親といっていたが?

閉じ師は他にどのぐらいいるのか?草太一人では手が足りないからだ。

閉じ師の古文書がなぜ草太のアパートにあるのか?代々受け継がれているなら、専用の保管庫はないのか

ミミズはあれ一体なのか?

要石は元は人間

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映画「ある男」愛した男×弁護士の苦悩×ラストのドンデン返し

映画「ある男」愛した男×弁護士の苦悩×ラストのドンデン返し

ラストのドンデン返しと、それに関連した上映開始時のバーのばめんが印象的だった。愛した男は誰なのか?ある日、実家で息子と母と暮らす里枝は、文房具店を営みながら、静かに暮らしていた。そこに現れた谷口なる男とコミュニケーションを取るうちに結婚し、子供が誕生する。その後、林業に従事する谷口が事故で亡くなるのだが、仏壇に手を合わせた谷口の兄が、写真を見て「これは弟ではない」という。そこから、谷口の正体を追う

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映画「宮松と山下」感想 香川照之×記憶喪失の男×大人になった兄と妹

映画「宮松と山下」感想 香川照之×記憶喪失の男×大人になった兄と妹

香川照之の演技が最高だった。いつも大声のイメージだったが、物静かな印象に変わり、何か役者魂を感じだ。記憶喪失していて、最愛の妹の存在すら忘れしまう。再婚で血のつながりのない妹みたいで、香川照之演じる宮松は、女性として見てしまう。そこで、津田寛治演じる健一郎は宮松こと山下を糾弾してしまう。その過程で突き飛ばしてしまい、山下の記憶喪失の原因になる。その後、健一郎は山下の妹の藍と結婚する。記憶喪失の山下

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映画「ソングバード」感想 感染症の世界×自由を求める配達員×権力構造

映画「ソングバード」感想 感染症の世界×自由を求める配達員×権力構造

印象的な映画だった。感染症が蔓延する地域での話。免疫を持っている人は、リストバンドみたいな黄色のものを携帯して、自由に外を出歩くことができる。権力構造が激変してしまい、免疫を持つものが巨大な権力を持てる可能性がある。非常に怖いが、感染症が当たり前になった世界を表現しており、苦しくも、自由を求める人々の群像劇である。主人公目線だが、配達員が住人の生命線であり、出歩けないからこその世界観だ。ドローンを

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映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-」感想 姉妹の人生×ヴァイオレットのサポート

映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-」感想 姉妹の人生×ヴァイオレットのサポート

割と印象に残る作品だ。二部構成で、前半は貴族が通う学園での姉の生活、後半はヴァイオレットと共に郵便配達をこなす妹の話だ。印象に残っているのが前半で、学園でのヴァイオレットの代筆以外の生活が観れた。普段は一人部屋でタイプライターを打っている印象だからこそ、この映画に価値がある。姉妹が主役でヴァイオレットの心情はほとんど描かれない。姉妹に振り回される感じというのが新鮮である。姉の学園は、貴族が通うよう

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映画「わたしのお母さん」感想 母親との関係×子供の意見×大人で変わる

映画「わたしのお母さん」感想 母親との関係×子供の意見×大人で変わる

来週に、「母性」が公開されるので、比較のために観てしまった。正直、イライラが止まらなく、主人公の夕子がなぜ母親に強気にならないのか、ずっと気になってしまった。夕子の母の寛子は、ぼやを起こしてしまい、義理の娘に追い出されてしまう。寛子の家なのにだ。そこで夕子のアパートに来るわけだが、母親の行動に文句を言わないのはいかがなものか。部屋は窮屈になり、文句を言われ、生活が精神的に苦しくなっていく。最後は、

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映画「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」感想 ×ワカンダの王×タカロンのネイモア×同盟か復讐か

映画「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」感想 ×ワカンダの王×タカロンのネイモア×同盟か復讐か

ワカンダのその後が観れて、王がいなくなった後にどのようにワカンダが歩むのかが分かった。タカロンとの戦いがメインで、他の既存ヒーローとはほぼカラミがなかった。ただ、次世代ヒーローのアイアンハートが出てきた。今までのMCU作品とは違いが、前作だけ観るだけで本作の内容が理解できるのは驚きだ。今回は、タカロンが強く、兵士全員がブラックパンサーが使っていたのと似たようなハーブで進化しているために、ワカンダの

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映画「あちらにいる鬼」感想 男女の関係×感情×寺島しのぶの演技

映画「あちらにいる鬼」感想 男女の関係×感情×寺島しのぶの演技

天間荘の三姉妹を観てから、寺島しのぶの演技が光っていた。だから、本作を観たくなったので観てみた。男女の関係が生生しく描かれているのが印象的だ。寺島しのぶの演技がやはり記憶に残り、広末涼子が演じる白木の妻を内面で圧倒していた終盤がすごかった。少し長く、高度経済成長の歴史的事実と共に変わる男女の関係は原作を意識しているのかもしれない。気になったのは、細かいことだが、白木が寺島しのぶ演じる長内の家に行っ

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