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人生会議

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人生会議、しよう。
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小児の在宅医療と小児のACP(人生会議)、看取りの実際

小児の在宅医療と小児のACP(人生会議)、看取りの実際

あいち小児保健医療総合センター主催小児在宅医療研修会「小児の在宅医療と小児ACP・看取りの実際」

2022年12月10日、研修会にてお話ししました。

予定より30分以上の延長になるほど、終了後の質疑もたくさんいただきました!

最近、子どものACPというテーマをよくいただきます。

「こうすればいい」という単純な答えがないテーマなので、毎回うまく伝わるか苦戦しますが、苦悩しながらも諦めずに前に

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ALS嘱託殺人 突きつけた課題

ALS嘱託殺人 突きつけた課題

2020年ALS嘱託殺人事件。新聞の取材を受けました。
戻ってきては振り返るためにこちらでも共有しておこうと思います。

医師、患者の伴走者であれ

食選びは人生選び〜世にも奇妙な人生会議、久住昌之さんに会いたい〜

食選びは人生選び〜世にも奇妙な人生会議、久住昌之さんに会いたい〜

世にも奇妙な物語。
その独特な物事のキリトリ方や、少し考えさせられるドラマが好きで、子どもの頃よく見ていた。

印象深い、今でも覚えているストーリーもいくつかある。

その中で、最も強烈に覚えている話が
「夜汽車の男」

男が、夜汽車の中で弁当を食べる。

まぁ、それだけの話。でも、奥が深い。

駅弁を丁寧に、完璧に食べる主人公。
こだわりが光る。

食事の仕方には、西洋式と東洋式の二つのスタイル

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「人生における“入院”という寄り道」動画配信

「人生における“入院”という寄り道」動画配信

在宅医療をやっていると、入院からのバトンタッチという形で医療を「引き継ぐ」というイメージがあります。
でも、考えてみると、そもそも人生は地域で流れていて、病気をきっかけに入院という形で人生の寄り道をしている、と考えた方が自然です。
人生の本道は入院で始まったわけではなく、地域でずっと紡がれて来ていて、病院に一時的に切り離されただけ。
いや、病院でもその人の人生は引き続き紡がれている。

そして、

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「病」を人生のどこに位置づけるのか? 〜ALS×人生会議、のインタビューに答えていて思ったこと〜

「病」を人生のどこに位置づけるのか? 〜ALS×人生会議、のインタビューに答えていて思ったこと〜

今、時代は
高齢社会、多死時代、人生100年時代。

昭和の時代は、病気が見つかれば病院へ、そして治して帰ってくる。
病気になったら、治るか死ぬか。
でも、今は、治る病気でも死ぬ病気でもない、
「治りも死にもしない病気」
つまり付き合っていく病気がとても多くなっています。

そう、病気と一緒に生きていく時代になりました。
障害と共に人生を歩む、時代なんです。
withコロナ、なんて言葉もありますが

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さ、ひっくり返そう。 × 人生会議

さ、ひっくり返そう。 × 人生会議

繰り返す話し合いの先に、うなづける未来がある。

わたしは、その言葉を信じない。

どうせ信念のようなものは伝わらない。

それでも人々は無責任に言うだろう。

あなたらしさを見失ってはいけない。

予想の出来ないことばかりの人生。

今こそ自分を貫くときだ。

しかし、そんな考え方は馬鹿げている。

答えのない話し合いはしないのが賢明だ。

わたしはただ、為す術もなくベッドに横たわる。

最期の

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ALS×人生会議 +オランダで見聞きした安楽死のこと

ALS×人生会議 +オランダで見聞きした安楽死のこと

ALSは刻々と病状が進行して行く病気です。
かつて「毎日が絶望の更新だ」と表現された患者さんもいらっしゃいました。

だからこそ、医師や家族をはじめとした支援者は、日々襲って来る不安や恐怖を、自分自身の不安や恐怖として共有し、共感し、
また、そんな日々の中にも時々訪れる、嬉しい時間や喜びを
小さなものでも一緒に見つけ、そちらも共有しながら一緒に進んでいく、伴走する、という姿勢がとても大事だと考えて

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【コロナ×人生会議、ニュースウォッチ9】25秒に集約された想い(7月20日NHK)

【コロナ×人生会議、ニュースウォッチ9】25秒に集約された想い(7月20日NHK)

25秒に集約された想い、そしてメガネを曇らせた熱意を少し書いてみます。

1時間インタビューに答えて25秒使ってもらえました。
こちらの最も伝えたかったとこ、あちらの最も伝えたいこと、それらを掛け合わせて発信されるんだな、と再確認。

テレビ取材、という状況では、当然の切り取りですので、それに文句を言ったりするのはお門違いと思っています。が、今時こうやってSNSで自分の考えも発信できる時代ですので

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死神とひまわり

死神とひまわり

ある7月、1歳の子の紹介相談を受けました。名前はゆかりちゃん。重度の心不全があり、完治は不能。余命3週間とのことでした。生まれてからこれまで、ずっと入院しています。手術をしたり集中治療室に入ったりしながら今まで過ごしてきました。これ以上の治療が困難となった今、生まれてから一度も暮らしたことのないお家に帰って、家族団欒を過ごさせたい。という依頼でした。

 オレンジは、断るという選択肢はありませ

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ポジティヴヘルスー“健康”は、誰のもの?

ポジティヴヘルスー“健康”は、誰のもの?

在宅医療をやっていると、様々な患者に出会う。

病院で出会う患者も様々なだけど、病気が主語になりやすい病院では、病気の種類によってまず患者は分類されまとめられる。
でも、生活が主語の在宅医療の現場では、同じ病気だから、という理由で同じように扱われることはない。当たり前だけど、1人として同じ人はいないのだ。まとめようがないから、様々さが際立つ。
同じ病気でも想いは違う、人生は違う、大切なものも、やり

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2020年、最初の人生会議。

2020年、最初の人生会議。

人生会議。

2020年1月5日、午前。

立ち話のような人生会議を推奨している僕だけど、
たまには、腰を据えて、さぁ始めましょう。という人生会議だってする。

今日は、今年最初のそういう機会を持った。

愛する人が大きく体調の変化を起こして、動揺する家族。

病院からもらって来たたくさんの医療情報。デジタルな選択。

30年以上の療養を支えて来た、
デジタルなら、白か黒なら、グレーとしか言いよう

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Life

柳沢耕平_ORANGE

00:00 | 00:00

※試聴版です。オリジナル版(06:37)は購入後に視聴できます。

オレンジのミュージシャン・柳沢耕平が、“人生会議”をきっかけにつくった曲。
柳沢はミュージシャン・保育士としてオレンジに所属し、医療ケア児の成長支援にキッズの家と地域の保育園、オレンジキッズケアラボを飛び回っている。小児訪問診療に同行することも。在宅診療現場、緩和ケアにも参加する人生会議サポート保育士。


Life

詞曲:柳沢耕平

君に会いに行かないなんて ありえないのさ 
まだ さよならも

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人生会議、しよう。

人生会議、しよう。

こういう時は、こうして欲しい。
こんな時はこうして欲しい、と具体的に結論が書いてある方が、役に立ちそうに思いますよね?
でも、その方法だけだと、実際に起こった出来事について、決めてなかったり書いてなかった場合には、役に立ちません。

さらに、ちゃんと書いてあったとしても、本当に今も同じ気持ちなのか、とか、今起こっていることは、本人がしっかり想像したことと同じなのだろうか、など悩むポイントは多く、実

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ポスター、伝えたいこと、愛情。なんばグランド花月で小籔さんと人生会議。

ポスター、伝えたいこと、愛情。なんばグランド花月で小籔さんと人生会議。

なんばグランド花月のステージに登るというのは、たった数分の出来事でしたが、大変緊張しました。

直前は脱水になるんじゃないかくらい手汗をかき、トイレに行っても行っても残尿感を感じ。
街ゆく人たちを眺めながら、この中で今晩なんばグランド花月のステージを踏むのは僕だけなんだ・・・と喜びと覚悟を噛み締めながらたこ焼きを食べ。

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このまま在宅療養を継続していきましょう、って本人家族、医療福

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