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なんの為に生きるのか

ユミさんは仕事が忙しく、毎日遅くまで働いていました。朝から満員電車に揺られ疲れ切った状態での出社。出社後すぐに今日も終わらない仕事のスタートです。
お昼は忙しく、コンビニで買ったおにぎりとサラダを急いで食べます。食べ終わるとすぐに仕事にとりかかり、癒やしは甘いコーヒーだけです。

今日も遅くまで働いて、なんとか家に着いたものの…

とうに体力は限界で、ご飯を食べるまもなく疲れ果ててそのままベッドへ倒れ込みました。そんな日々を過ごしていたある日…
朝起きても身体がまったく動きません。会社に電話をかけようにも、起きることすらできませんでした。どうしようと焦っていると、なぜか涙が溢れ出てきたのです。自分でもなにがなんだかわかりませんでした。

とにかく泣いて、泣いて、泣きました。

自分の中の何かが崩れたように感じました。気づけば眠りに落ちていました。起きた時、身体が動いたので、起きてカーテンを開けると空は赤く染まっていました。なんと夕方まで寝ていたのでした。

ふと我にかえり、急いで携帯をみると、会社の同僚や上司からの着信がたくさんありました。迷惑をかけてしまった。申し訳ない。という気持ちはあったものの、なかなか電話をかける勇気が持てませんでした。

そこでユミさんが電話をかけたのは、田舎にいる母親でした。お母さんが電話に出るなり、またわけもわからず涙がでました。今日起きた事、今まで頑張ってきたことなど、たくさん話しました。お母さんは黙って話を聞いたあと、田舎に帰ってきても良いよ。
ただユミはどうしたいんだい?そう聞いてくれました。

憧れて出てきたこの街で、もうすこしだけ頑張りたい。そんな思いが湧き出てきて、お母さんに伝えました。するとお母さんは優しく受け止めてくれて、定期的に連絡を取り合って、何かあったとき気付けるようにしたい。と言ってくれました。

電話を切って、シャワーを浴びて、少し自分を落ち着かせてから会社の上司、同僚に電話をし、今日起こった事を伝えました。

上司には少し休みをもらいたい旨を伝え、同僚にも申し訳ないが理解してもらえるように話しました。すると一人の同僚からある提案を受けました。
その提案とはカウンセラーに相談してみては?というものでした。
その時までカウンセリングというものがどういうものなのか、はたまたカウンセラーという人はどのような人なのか、全くしりませんでした。

しかし、同じ環境の同僚はカウンセラーに相談することで、働きやすくなったというのです。

ユミさんはしばらく話を聞いた後、紹介されたカウンセラーに会うことにしました。カウンセラーの方は、ユミさんの表情や感情に合わせて、一緒に悩んでくれたり、悲しんでくれたり、勇気づけてくれました。
ユミさんはこの人なら、自分の思いを形にするサポートをしてくれるかもしれないと思い、今の現状とこの街に出てきたときの思い、自分の理想を話すことにしました。

その後、最初のセッションでは、カウンセラーに自分の現状を正直に話すことから始まりました。仕事に追われ、プライベートの時間がほとんど取れず、毎晩孤独感に悩まされていたこと、そして将来に対する漠然とした不安。これらを言葉にして吐き出すことで、ユミさんは少し心が軽くなった気がしました。

カウンセラーは、彼女の話をじっくりと聞いたうえで、「自分の価値観を明確にする」ことの重要性を伝えてくれました。ユミさんはカウンセラーと一緒に、仕事に追われて自分の本当の望みを見失っていることに気づき、少しずつ自分が何を大切にしているのかを再確認するプロセスを始めました。その後、カウンセラーの指導のもと、理想の時間割表などを作って生活パターンを分析し、時間を見直して自分を大切にする習慣をつけていきました。

さらに、カウンセリングを通じて、ユミさんは「仕事とプライベートの境界線を引くこと」の大切さにも気づかされました。カウンセラーからアドバイスを受け、彼女は仕事の時間とプライベートの時間をしっかり区別し、オフタイムには完全にリラックスするルールを導入しました。この新しいルールは、ユミさんにとって非常に効果的で、週末や平日の夜を使って趣味やセルフケアを楽しむことができるようになりました。

また、カウンセラーとのセッションでは「セルフケア」の具体的な方法も学びました。特に毎朝のヨガは、彼女にとって心身のバランスを整える大切なルーティンになりました。ユミさんは、カウンセラーのアドバイスを受けながら、自分に合ったセルフケア方法を見つけ、それを毎日の生活に取り入れていきました。

カウンセラーのサポートによって、ユミさんは自分の価値観や人生の優先順位を改めて見直し、次第に心に余裕を持てるようになりました。また、カウンセリングを通じて「人間関係を大切にすること」の大切さにも気づき、久しぶりに友人や知人との時間を持つことができたのです。

最終的に、ユミさんはカウンセラーと共に、自分の将来についても深く考えるようになり、キャリアやプライベートの両方で充実感を感じられる目標を立てました。彼女は5年後の自分の姿を具体的に描き、その実現に向けて少しずつ行動計画を進めるようになりました。

カウンセリングを受けたことで、ユミさんの人生は劇的に変わりました。今では、仕事でもプライベートでも充実した毎日を過ごし、以前感じていた孤独感や不安は少しずつ薄れていきました。カウンセラーのサポートを通じて、自分らしさを取り戻し、心から満足できる人生を送ることができるようになったのです。

ユミさんは「自分だけでは気づけなかったことに、カウンセリングが気づかせてくれた」と振り返ります。彼女の人生は、自分を大切にする術を学んだことで、仕事もプライベートもバランスよく楽しめるものへと変わりました。


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