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#今こんな気分

詩 たからもの

詩 たからもの

そっと
宝物入れを
開ける

光が
すーっと
差し込む
「目覚めて」

大切なものは
暗闇で
輝くために
閉じ込めてる

まつげと涙
ひとつになって
小さなあかりを
すーっと
縦に伸ばす

見たいのに
見えないな

見たいのに
見えないや

なぜだろう
大切なものは
いつも滲んで
見えにくい

近すぎるもの
遠すぎるもの
その間をゆらめく
たくさんのもの

焦点を合わせるのが
難しいのは
ひとつひ

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詩 傘

詩 傘

辛いときは
傘を差して
すぐに逃げよう

雨の様子は
目に焼き付けて
わたしだけ
守りながら
どこかへ行こう

大丈夫
このあいだ
すてきなお店で
気に入った傘
手に入れたところ

傘はわたしの
一部となり
次の街へ
連れて行ってくれる

こんな色を
こんな形を
美しいと思う
わたしの心が
頭上で咲いてる

こんにちは

雨が開かせた
傘に誘われて
新しい日々と
出会えるような
そんな気がしてる

詩 ポスター

詩 ポスター

君の声は
君が好きだった
画家の名前で
再生された
いつもいつも

アクセントや
声の明るさ
そこにはあったのは
君だけのことば

思い出す回数が
減っていたことに
気が付く
強い風の中

耳を澄まし
思い出にひたる
地下鉄のポスター

詩 散歩道

詩 散歩道

嫌なことで
頭がいっぱいに
なっている日々の中
みたのは優しい夢

目覚めると
温度が違う
現在がただ
横たわってた

青い空に
飛行機通過
田んぼの傍に
咲く花の
そよそよと揺れる
健気さに

涙が出そうな
散歩道

辛いのはきっと
だれもが違い
だれもが同じ

もしも今
わたしが違う状況
だったら
だったら
だったらと
考える今日に
根は伸びる

次の季節には
もっと
たくさんの葉をつけて

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詩 なぞをとく

詩 なぞをとく

なぜなぜと
問うことに
こだわったのは
いつかの日

そうかそうかと
答えがぽろぽろ
あらわれるのは
今の日々

なんとなくに
している
たくさんの知らないこと

歩き続けると
ひとつひとつ
教えてくれる
ヒントがちらり

出来事や景色
人との出会い
沸き起こる感情

生きるというのは
そういうことだと
知っていくことが
結構好きだ

昨日のわたし
今日のわたし
明日のわたし

なぜがある日も

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詩 春の始まり

詩 春の始まり

桜が咲いたら
すごいだろうねと
かわす会話から
春は始まっている

枝先につける
花びらたち
想像すると
春は始まっている

首を長くして
待ち望んでいる
さくら色

美しいものには
かなわない
時間をかけて
楽しみに

待つときを
大切に思う
わたしたちは

根を張り
いつでもこの地を
支えてくれている
桜のように

きっと
辛抱強く優しい色
持っている

忘れないで
もう
春は始まっている

詩 満月

詩 満月

夜をドライブ
流れたイントロ
丸ごと聴きたい
そんな気分
ハンドル切って
ちょっと寄り道

登って下る
坂の途中に
今宵の月影
まんまるで
ぼーっと綺麗

寄り道しなくちゃ
気付かなかった
景色が人が
これまでもあり
これからもある

今夜の選択
間違ってなかった
ヒントをくれる
優しい音楽
いつも頼りに

月の方角
変わりつつも
どこかにきっと
ある居場所

探してみよう
これからも
約束しよう

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詩 丼もぐもぐ

詩 丼もぐもぐ

さらに美味しくなる魔法
タイミングを見計らって割る
トッピングの卵

さらに美味しくなる魔法
半分食べたら出汁をかけて
ネギを散らして味わうお茶漬け

さらにさらにを
重ねて
どんどん味が
変わっていく

だけれど
元の姿は同じ
足されて
足されて
変化していく

きっとわたしも
変化の途中
何かを手放したと思っても
わたしは元々
変わっていない

生まれた余裕で
手に入れる未来
丼の中
自由に足

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詩 ちかくてとおい

詩 ちかくてとおい

遠くの不安が
近くの不安で

近くの不安も
遠くの不安

精一杯の毎日に
ひとひらの花びら

それだけなのに
それだけなのに

わたしの心
ぎゅっとなる

あなたもわたしも
同じ世界に生きていて

笑顔が芽吹く
季節を待ってる

優しい歌を
思い出しながら

詩 自然治癒

詩 自然治癒

海を見に行こう
山を見に行こう
星を見に行こう

沈む日々に
手を引く言葉
大きなちっぽけ
見に行こう

大丈夫
わたしたちは
大きな星の
光の中

遠くの星の
誰かもきっと
わたしたちの星
眺めては
ぼんやりしてる
ことだろう

海の青さ
山の青さ
星の瞬き
知っている

知っていても
見に行くことは
忘れていたな
いつのまにか

いつか誰かの
手を引く言葉
わたしもこうして
蓄えていく

そん

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詩 せーの

詩 せーの

せーので線を飛び越えた
おめでとうが飛び交う
今日の星

昨日までと
世界は同じで
世界は違う

今日と明日からに
思いを馳せる
特別な日

時間という
共通認識
誰かの幸せを
祈ったり
誰かの夢を
繋いだり

広い世界の
端っこで
夕空見つめ
これからの日々
彩り方を
考えている