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むぎ光葉
2024年4月30日 23:36
イントロのギターリフ聞こえてきたよ揺れる波は鼓動と共鳴するライブの音源思い出したい記憶ははじめから無くてはじめからある何もない記憶前にも後ろにもどこにも行かずここにいることを揺らぎの中で寂しく知る気持ちだけがゆらりゆらりいまの位置を高めていつしか大人になっていった寂しいと思う記憶があってよかったそんな風に思う日を待ちながら歩いている音の波
2023年9月22日 13:44
あの日先生に言えなかった言葉あの日友達に言えなかった言葉あの日教室で言えなかった言葉今日をもって笑顔に変わるあの日の言葉わ になって話すと色がつきいつのまにか覚えのない約束を果たす大人たち話したいような気がして話したくないような気がしてつっかえてしまった記憶はつっかえたまま大切に言葉を少しずつ貼り合わせて不格好ながら温かい今をふんわりとただ噛みし
2023年7月14日 23:50
形はいつも変わってるわたしの形ふるさとの形心の中にある景色記憶とともに歩いていたら大切に思っていたこと溢れだす「この町は素敵な景色だね」と言ってくれたやってきたばかりの先生と赤いランドセル揺らしながら歩いた時間心地よい風が緑一面をざぁーっと揺らしてた素敵な景色に住むわたしそう思えば鼻高々に小さな少女の笑顔がぱーっとあの日この町に咲いた
2023年6月22日 23:22
思い出の表紙記憶をくすぐるやわらかくもう思い出せないことばかりでも今も変わらず並んでいるあの絵本にわたしは遠く思いを馳せる大きくなったら大きくなったら大きくなったらと夢でいっぱいのあの日々にわたしはまた大きくなった手を伸ばしている大きくなったら小さい君を知りたくなるから
2022年12月14日 22:24
記憶の中の色記憶の中の温度時間とともに変化しないが時間とともに変化していく思い出としてわたしという人間をあの日にもう一度連れて行けたら思い出は変わらないのにどれだけ文明が発達しようとも戻れない時間に頬杖をつく思い出を都合の良い色にして都合の良い温度にして幸せに墜落していくダメ人間じゃないよきっとわたしたちこれを人間というんだろう
2022年10月7日 22:45
世の中が暖色に衣替えする季節記憶の中でシャカシャカと鳴る木の葉の音昼夜の寒暖差建物恋しく目指す足取りはやくさあ帰ろうと風に吹かれて家路を急ぐ俯きがちな季節の中ひとつだけ確かにあった温もりに満ちたそれはあの日くれたカイロよりもずーっと長く温かいまま思い出すと心がほんのりあったかくなるあの子の笑顔
2022年9月8日 23:21
まちを歩くと昔使っていたバッグを持った人がいて昔やっていた楽器の教室の看板があり昔悔しい思いをした洋服があり私の過去がちらりとどこからともなく顔を覗かせる愛着があって執着があって未練があって忘れかけていた扉ぱたぱたと開いていくいろんなものを通り過ぎながらその時に持てるだけのものを手にどこかへ進んでいる持ち物が変わり靴が変わり景色が変わりそれでも
2022年9月6日 23:27
君の今日までを形作った悲しい色の記憶思い出さないよう厳重な箱に封じ込めるのではなく君がまた新しいページから始められるよう美しい栞にしてしまおう君の歴史は動かないここまで物語は紡がれてきた封じ込めることに懸命になっても辛いことは辛いままそれでも君のステキな未来に干渉されてたまるものか栞から先が君の未来ここまで地道に歩んできたこの栞がこの栞の美しさがそのこ