マガジンのカバー画像

俳句・句集

82
句集や季刊誌の紹介など。
運営しているクリエイター

#紹介

「現代俳句」2024年9月号を読む。

「現代俳句」2024年9月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印を付けている。
そのうち特に面白かった感銘句(◎をつけたもの)を、
勉強のために紹介。

※最近は2ヶ月分をまとめて紹介していたが、
来月バタバタしそうなので9月分を今のうちに紹介する。

列島春秋

秋の雲みんなどこかへ行く途中
尾﨑百代

翌檜篇

最終回ばかり集めて飛ぶ蛍
牧野冴

風を詠む

ポケットにポケット図鑑茸狩
菅沼葉二

大花野ヒト科一粒紛れたり

もっとみる
「現代俳句」2024年5月号・6月号を読む。

「現代俳句」2024年5月号・6月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけています。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のためにご紹介したいと思います。

※今回はまとめて5月号と6月号の俳句を紹介します。

5月

列島春秋

自転車の補助輪外す立夏かな

吉良香織

第十五回現代俳句の風

馬の仔の四肢にみなぎる好奇心

神谷たくみ

すんなりと溶けぬマカロン春愁い

徳見淳子

逃水の水に笑はれゐたりけり

田中葉月

もっとみる
「現代俳句」2024年1月号を読む。

「現代俳句」2024年1月号を読む。

明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

このたびの未曾有の災害に際し、皆様にお見舞い申し上げます。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

列島春秋

ほどほどの未来を買えり達磨市
中村克子

初春や救命ボートの裏きれい
杢いう子

第十五回現代俳句の風

和菓子屋の死角を聖菓持ち帰る
上野英一

もっとみる
『小川双々子一〇〇句』(武馬久仁裕編著)を読む。

『小川双々子一〇〇句』(武馬久仁裕編著)を読む。

俳句は奥が深く、
(浅学のせいか)
季語や俳人など
まだまだ知らない事が多い。

この本で紹介されている、
小川双々子(おがわそうそうし)という俳人も知らなかったため、興味深く拝読した。

本の構成

見開き二ページでは
・右ページに俳句。
・左ページに共同著者一名の解説と、
左端にその句にルビをふったもの、
ページの左上に収録句集名がある。

個人的に俳句の漢字の読み方が数パターンあって迷う場合

もっとみる
『現代俳句女流百人』を読む-黒田杏子-

『現代俳句女流百人』を読む-黒田杏子-

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。
好きな句と作者を紹介したいと思う。

今回は
黒田杏子氏。



馬と白鳥がいる場所だということが一句から分かる。

景と構成の巧みさ。

怨みの句だと内容が重くなるが、
この句の内容はどちらかというと
結句の「なつかしみ」に比重がある。
そのせいか重さは少ないように感じた。

たかんなは筍の古語。

オオムラサキは蝶の名前。

場所も蝶も固有名詞

もっとみる
『現代俳句女流百人』を読む。-野澤節子-

『現代俳句女流百人』を読む。-野澤節子-

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。
好きな句と作者を紹介したいと思う。

今回は野澤節子氏。



神話的な擬人法。

天地の部分をあめつちと読ませる工夫も、厳かさがあって良い。

生活の一場面における切実さがある句。

本によると病気が回復した後の句のようだ。
その背景を加味すると、さらに切実に思える。

髪とさくらの取り合わせが、上品で良い。

赤ちゃんの、ものすごい握力を思い出

もっとみる
「現代俳句」2023年6月号を読む。

「現代俳句」2023年6月号を読む。

月刊の会報「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。

そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

※()内はページ数。

感銘句

(3)
どの川もあぶくはオフィーリアの鼻歌 木村聡雄

(7)
花菖蒲古墳の雨はもう止んだ 坂田紀枝

夏の蝶狂ひたき日の減りにけり 窪田英治



(8)
六月の絵はナミダいろを使いきる 南園美基

(12)
囀りや空ごとたた

もっとみる
「現代俳句」2023年5月号を読む。

「現代俳句」2023年5月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

※()内はページ数。

今回、第40回金子兜太現代俳句新人賞の結果と作品紹介のページがあったが、それは別記事にするかもしれないとして、通常のコーナーから紹介する。

列島春秋・5月より(6~8)

桜咲くのかこの道にこの修羅に 五十嵐秀彦 

花冷えです食器を洗う指先です 佐々木宏

憲法

もっとみる
『俳句を遊べ!』を読む。

『俳句を遊べ!』を読む。

タイトルとカラフルで楽しそうな表紙に惹かれて購入。

面白い俳句を作る事でファンの多い池田澄子さんや、又吉直樹さんも登場。

対談あり、句会のレポートあり、動物園での吟行レポート、漫画や、俳句の基本ルール紹介ありなど幅広く面白い。
写真やイラストが多く、対話形式で読みやすい。

巻末付録には、季語の簡単な一覧や、
俳句に関するオススメのブックガイド、
本に登場した俳句の一覧とその掲載ページ数など充

もっとみる
「現代俳句」2023年3月を読む。

「現代俳句」2023年3月を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印を付けている。
そのうち、特に面白かった感銘句(◎をつけたもの)を
勉強のために紹介。

2023年3月号より。
※()内はページ数。

かろがろと臓腑なき雛終ひけり 津田道代 (7)

作っては泣かせてしまう雪だるま 山田真貴 (14)

しりとりの最後は「むげん」霜育つ 神野紗希 (16)

炊き出しや余震にゆるる蜆汁 熊沢れい子 (29)

誰が好きとか嫌い

もっとみる
「現代俳句」2023年2月を読む。

「現代俳句」2023年2月を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印を付けている。
そのうち、特に面白かった感銘句(◎をつけたもの)を
勉強のために紹介。

2023年2月号より。
※()内はページ数。

ざれ言のやうにざらざらざらめ雪 西川良子 (6)

春浅し言わないという思い遣り 河上和美 (8)

一途とは執着でした雪解川 柏瀬眞理子 (12)

昼からはすでに絶望したる蟬 木村オサム (12)

一本の線にも生死初硯 三

もっとみる
「現代俳句」2023年1月を読む。

「現代俳句」2023年1月を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印を付けている。
そのうち、特に面白かった感銘句(◎をつけたもの)を
勉強のために紹介。

2023年1月号より。
※()内はページ数。

象の背のなにを啄む寒雀 中村和宏 (12)

ロボットのきれきれダンス帰り道 長野君代 (50)

待たされて少し大人になる枯野 脇本文子 (50)

耳搔きの頭に雪の積もりける 大類つとむ (50)

しぐるるや私を超えるのは

もっとみる
「現代俳句」2022年12月を読む。

「現代俳句」2022年12月を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印を付けている。
そのうち、特に面白かった感銘句(◎をつけたもの)を
勉強のために紹介。

2022年12月号より。
※()内はページ数。

熟れ過ぎし地球を包むメロンの香 郡山やゑ子 (12)

焼肉を二人で食べて蚊に好かる 田中徹男 (13)

卒業の以下同文を生きてゐる 田村葉 (27)
※第五十九回現代俳句全国大会・朝日新聞社賞

失言の多くは本音蟬しぐれ 

もっとみる
【告知】4月の企画

【告知】4月の企画

4月は
毎週月曜日に
月刊「現代俳句」の
感銘句を紹介します。

よろしければご覧ください。

お楽しみに。