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「現代俳句」2023年6月号を読む。

月刊の会報「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。

そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

※()内はページ数。




感銘句

(3)
どの川もあぶくはオフィーリアの鼻歌 木村聡雄

(7)
花菖蒲古墳の雨はもう止んだ 坂田紀枝

夏の蝶狂ひたき日の減りにけり 窪田英治

(8)
六月の絵はナミダいろを使いきる 南園美基

(12)
囀りや空ごとたたむパイプ椅子 伊藤二三子

(13)
肩で風切って遅刻の花の宴 妹尾健

(14)
菜虫蝶となり戦のなほ止まず 成木幸彦

(47)
さくらさくらどうしても私は私 野口麻礼

ゲレンデにぽつりぽつりと落し物 磯部美咲

(50)
ひまわりや十七歳は後ろ向き 松原静子

帰る日のことばかさばる夏休み 吉野喜代子

(51)
蕎麦打つて牛の出産待ちにけり 丸山千代子

知りたきは国の行方と蚊の行方 新井温子

大人への階段急に暑すぎる 小髙沙羅

万緑の選ばれし一葉池に落つ 戸川晟

炎天や人生押し込むエコバッグ 夏目るんり

(52)
炎昼や水軍となるイルカショー 神山姫余

ソーダ水すべてが未来だつた頃 佐藤久

ふんはりとかき氷毒舌がぐさり 長谷川きよ志

風鈴の音を入れ遠き子へ動画 山口富雄

鼠花火ゆくりなき世事つぎつぎと 吉村元明

田を渡る風麦秋の風と会ふ 小熊千惠子

滝しぶき地層の隙を水の飛ぶ 柾木幸子

遠花火孤独なコインランドリー 櫻打伸子

(55)
お代はりのたけのこごはん大団円 金子ユリ

日の入りを終演として蟬しぐれ 阿波秀子

(56)
AIにヒューマンエラー青嵐 阪本彰

くぐりてもくぐらなくても茅の輪かな 谷川すみれ

(57)
青春も余生も刹那遠花火 青木慧

ふるさとは地球でよろしどこでも虹 岩坪英子

(62)
漱石も一茶も詠めぬ花粉症 春陽

(64)
主婦一人手ぶらで探す冬銀河 千葉和珠

以上。


まとめ

内容に爽やかなだけではない深みがある。

それぞれの季語や作者の持ち味を感じて、勉強になった。


最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!