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『小川双々子一〇〇句』(武馬久仁裕編著)を読む。
俳句は奥が深く、
(浅学のせいか)
季語や俳人など
まだまだ知らない事が多い。
この本で紹介されている、
小川双々子(おがわそうそうし)という俳人も知らなかったため、興味深く拝読した。
本の構成
見開き二ページでは
・右ページに俳句。
・左ページに共同著者一名の解説と、
左端にその句にルビをふったもの、
ページの左上に収録句集名がある。
個人的に俳句の漢字の読み方が数パターンあって迷う場合もあったため、読み仮名も紹介されているのはとても親切だと思った。
評文も参考になる。
難解句も、読みが提示される事で親しみやすくなる効果だけではなく、
「自分はこう読んだ」というように読者の考えが深まる効果があると感じた。
また巻末には小川双々子の紹介文と年表もあり、資料としての価値もある。
痒いところに手が届く構成だと思う。
五句選
非さすらひたけのこを掘りのこしたる
「非さすらひ」の意外性とオリジナリティーが堪らない。
「非さすらひ」なのが「たけのこ」である点も好き。
黒揚羽のぴんととびたる渚かな
蝶を見て「ぴんと」が来る意外性。
人体のかたちさみしも蓮根掘り
蓮根掘りの重労働と、
人体の躍動を感じる句。
玉虫のかがやき新聞紙を歩きつ
玉虫のカラフルさと今目の前で生きて歩く様子と、新聞のモノクロかつ過去が掲載されているモノの対比が詩的。
勿体なき半透明体大根焚
「大根焚」はただの大根の煮物ではなく、京都の年中行事のようだ。
「半透明体」という漢字表記が、年中行事の意味に重ねて大根をさらに有難いものにしている。
その上初句が「勿体なき」で更に有り難みがある。
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