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オープン・フェア・スロー──お香と社会の3つの「隙間」
こんにちは、お香の交差点OKOCROSSINGを運営している麻布 香雅堂代表の山田です。
お香をはじめとする和のかおりの専門店・香雅堂を手伝い始めておよそ10年が経ちました。思うところがあって初めてこのような文章を書くに至っています。みなさまにあまり馴染みのないと思われるお香業界の今をさまざまな観点で紹介しながら、お香の未来について考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
香木・香
お香の伝統と現代のくらしの「交差点」でありたい(後編)|山田悠介
編集者・ライターの小池真幸さんが、「界隈」や「業界」にとらわれず、領域を横断して活動する人びとを紹介する連載「横断者たち」。今回は、和の香りの専門店「麻布 香雅堂」代表取締役社長の山田悠介さんに話を伺いました。江戸寛政年間より200年以上続くお香一家に生まれながら、実は「お香そのもの、めっちゃ好き」ではないという山田さん。後編では、そんな山田さんが、現代のライフスタイルにフィットした「和の香り」の
もっとみるお香の伝統と現代のくらしの「交差点」でありたい(前編)|山田悠介
編集者・ライターの小池真幸さんが、「界隈」や「業界」にとらわれず、領域を横断して活動する人びとを紹介する連載「横断者たち」。今回は、和の香りの専門店「麻布 香雅堂」代表取締役社長の山田悠介さんに話を伺いました。約1500年の歴史があり、日本の伝統文化と密接なかかわりを持ってきた「お香」。現代のライフスタイルにフィットした、「和の香り」のあり方を考えます。
小池真幸 横断者たち
第8回 お香の伝統
香りとテキストにまつわるフレイバーテキスト
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まずは香りと関係のないものからいこう。Nigel CabournのEVEREST PARKAはその公式サイトで、3,000字近い文量をもって紹介されている。
商品については以上である。残りの2,900字は人類の極地開拓競争に捧げられている。月に星条旗が突き立てられ、アムンゼンが南極点を制す。各種の前人未到のうち、ついに英国が破したのは世界最高峰だった——すばらしい、感動的だ。
この商品紹
香道具が置かれた場所②:『室町殿行幸御飾記』を中心に
前回の記事では、大学院で研究していた将軍の邸宅の一部であった「会所」と部屋を掛け軸や花瓶、香炉や茶わんといった美術品で飾る行為「座敷飾」の広い意味での関係性について書きました。なかなか続きが書けず時間が空いてしまいましたが、今回は『室町殿行幸御飾記』(むろまちどのぎょうこうおかざりき)と呼ばれる室町時代の座敷飾りを書き残した史料をもとに、どのような香道具が飾られていたのかご紹介したいと思います。
お香屋さんで働くことになりました、まずは体験香席に参加してみた!
こんにちは! 先日より香雅堂で働き始めました、新入社員のおおのです。少し自己紹介をさせていただくと、香雅堂入社前は、アパレルやコーヒー関連の仕事を主にしてきました。その中で、コスメや海外のオーガニック素材から出来たインセンスやサシェ、またはコーヒーや紅茶、ハーブの香りに関わる機会が多くありました。
香りや匂いの違いで気分も印象も変わりますし、また、食べ物も香り次第で味わい深くなりますよね。それら
香りや匂いのすがたを感じる記事5本:OKOPEOPLE全86本の記事からセレクト
お香や和の香りの専門店に入社して3日目。今日もいい香りに包まれております、広報担当の新入社員・おおのです。お店で呼吸して、身体に入ってくる空気がほのかなよき香りでとても幸せです。
しかしながら、まだまだ香りの世界に無知すぎて、新米広報担当者として何をしたらいいのやら右も左も分からず……なにから勉強しようかと迷います。
香木やお香の香りにうっとりしたり、ほっと癒されますが、そもそも香りや匂いは、
春のめざめ、甘やかな記憶たち
編集部より:今春、作家ヴァージニア・ウルフへの愛情に溢れたファンブック『かわいいウルフ』が出版された。編著者である小澤みゆきさんに、ウルフと香りにまつわるエッセイを寄稿いただいた。新しい季節に、甘い青春の香りが蘇る。
この春、『かわいいウルフ』という編著を出版した。もともとは同人誌として作った本の商業書籍版だ。20世紀イギリスの作家ヴァージニア・ウルフという人を特集した本で、様々な面からウルフの
ものを作る家族と、喪失の香り
編集部より:シンガーソングライターのしずくだうみさんにエッセイを寄稿いただきました。もの作りの家に育ち、やがて表現活動へと導かれていったしずくださん。お香のかおりは、そんな家族を喪う記憶とともにありました。お香にふたたび出会い、自身のもの作りと家族の関係を振り返った記録。
お香の匂いが苦手だった。
私が産まれた時、曽祖母二人が生きていた。どちらも父方で、頻繁に顔を合わせるわけではなかったが、曽
「Scents of Heaven」 ~ 今ここの記
「三渓園、行ってみたいですね」
「それならぜひ「観蓮会」に。早朝のハスの開花は本当に見事、こんなに香り高い花だったのかと驚きますよ」
──真夏の日本庭園を思い浮かべながら、ワインバーのカウンターで今年最後のボトルを空ける。店に年末の挨拶をと半年ぶりに自粛を押してやって来たのだ。せめてもう一本頼んで店主を喜ばせたいところだが、22時の閉店時間が切ない。
三渓園は以前に一度行ったことがある。本牧に
潮とラム酒と葉巻香るプエルトリコ、自由と孤独の間で
編集部より:前回、私を取り戻す香りを寄稿してくれたcittaちゃんの新記事では、2年ほど前にプエルトリコを訪れた時のことを回想してくれました。この情勢でいつ行けるとも知れない異国の香りを感じてみてください。
2018年2月、単独でカリブ海に浮かぶアメリカ自治領、プエルトリコのサンファンに行ってきた。
旅は大好きであり、その中でも半分以上が一人旅である。日本からざっくり近い順番に思い出してみると
伝説の山椒と田舎で見つけた香りの宝
横浜で司書として働きながら、お香づくりや香原料について学んでいる、ヨシコ・コジチさんにご寄稿いただきました。パートナーの実家である兵庫県の丹波と但馬でヨシコさんが出会った、伝説の香辛料「山椒」。その香りをめぐる物語です。
伝説の香辛料「朝倉山椒」朝倉山椒は、但馬の朝倉の特産品である。朝倉に行けば、道の駅の直販所では山椒を使った色んな食品が売られている。どれもが大変美味しいので、全てを買いたいとい