おかやま在宅クリニック

京都で在宅医療を行っています。在宅での生活をサポートします。 http://okho…

おかやま在宅クリニック

京都で在宅医療を行っています。在宅での生活をサポートします。 http://okhomeclinic.com/

マガジン

記事一覧

自分が弱るなんて

とある患者さんのお話です。 この方は、進行性の疾患を持っておられる方ですが、外出もされ、お元気にお過ごしです。 お一人暮らしでいらっしゃってご自身のことは自分で…

家族が認知症になったとき

認知症のご家族とのかかわりというのはなかなか難しいものです。 私たち医療者は初めから「患者さん」として接するので、弱り、衰えたその人と「記憶や認識に難しさがある…

暑いと言わせるものは何だろう

私は週に1回京都市下京区の明覺寺さまにてお勤めの練習をさせていただいています。 「僧侶」の肩書をいただいていても、お寺を持たない身では、お勤めをするチャンスがあり…

多職種連携が本当の意味で機能していくために

今、団塊の世代が後期高齢者になる2025年を目途に、国は「地域包括ケアシステム」というのを構築しようとしているということを皆様ご存知でしょうか。 それは中学校校区く…

掲載していただきました

梅雨はどこへ行ったものやら……。 こんな様子では、夏季の渇水、琵琶湖の渇水が心配です。 最近、紫陽花の品種改良が著しくて、ついつい紫陽花を撮ってしまいます。 さ…

「医療が無力な時の医師の役割」

本日は、大阪市内で「医療が無力な時の医師の役割」についてお話しします。 人生の最終段階では医療が無力となることが多いものです。 医療がどこまでも有効であるなら人は…

ネガティブな気持ち

ご家族さまを亡くされた方のご遺族のために、定期的に訪問をすることがあります。 それは診療としての訪問なので、カルテ記載もしながらのお話になります。 ご家族を亡く…

在宅終末期医療

以前知人にこう言われました。 「この仕事は『悲しみを束ねる仕事』ですよね」 そりゃもう、驚きました。私はこの仕事を悲しいとは思っていませんでしたので。「寂しい」…

祖父の法事

本日、祖父の法事。 父があんな感じなもので、法事というものを全くしないまま四半世紀が経ちました。 最近「父方のおじいさんのお供養されていますか?」とのアドバイスを…

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産経新聞 連載 「在宅善哉」 「血ではなく情でつながった親子」

研修会情報

2022年5月1日 バッドニュースコミュニケーション術 講習 9:00-17:00 おかやま在宅クリニックにて行いました! 既受講者お二人との講習でした。 お二人とも、ロールプレ…

家族を支える、その葛藤 2017年10月記事

2017年10月29日記事 ****************************** 一応高齢者医療をしている人間として、高齢者の特性はそれなりに知っているつもりで…

実母を看取りました3 2017年8月記事

2017年8月25日の記事です ************************* 8月6日に痙攣から昏睡となったあと、意識が戻り、父とともにサ高住での生活を始めた母。 …

実母を看取りました2 2017年8月記事

2017年8月23日の記事です **************************** 8月6日に全身性の痙攣から昏睡になったにも関わらず、意識回復し、深夜にはトイレ歩…

実母を看取りました1 2017年8月記事

2017年8月21日の記事です ********************* ここの所公私多忙にて更新できませんでした。 仕事は仕事で普通に新規の患者さんがご紹介してい…

ブログお引越し

これまでwordpressで書いてきたブログですが、今一つ使いづらく、当院の事務員伊藤愛さんのお勧めでnoteに引っ越しします。 まあ、当分は並行して同じ内容を書いていく予定…

自分が弱るなんて

自分が弱るなんて

とある患者さんのお話です。

この方は、進行性の疾患を持っておられる方ですが、外出もされ、お元気にお過ごしです。

お一人暮らしでいらっしゃってご自身のことは自分できちんとされる方です。

この方に少しだるさが出てきました。

ある診療の時に
「個人差はあると思うのですが、患者ってこのあとどうなっていくのですか?」と尋ねられました。

私は「個人差はあるのですが、亡くなりゆく方はほぼ全員、弱って亡

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家族が認知症になったとき

家族が認知症になったとき

認知症のご家族とのかかわりというのはなかなか難しいものです。
私たち医療者は初めから「患者さん」として接するので、弱り、衰えたその人と「記憶や認識に難しさがある人」として接することができます。しかし、これまで家族として付き合ってきた場合、できないことが増え、わからないことが増えたという人に対して「記憶や認識に難しさがある家族」としてふるまうことにはなかなかできないものかと思います。

ある認知症

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暑いと言わせるものは何だろう

暑いと言わせるものは何だろう

私は週に1回京都市下京区の明覺寺さまにてお勤めの練習をさせていただいています。
「僧侶」の肩書をいただいていても、お寺を持たない身では、お勤めをするチャンスがありませんので、基本的なお経も覚えられません。したがって、お寺でお勉強をさせていただいています。

御寺の門前には門前説法という、ちょっといい話や、問いを立てる言葉が書かれていますね。
今日、お寺に行くと、新しい言葉が書いてありました。
「あ

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多職種連携が本当の意味で機能していくために

多職種連携が本当の意味で機能していくために

今、団塊の世代が後期高齢者になる2025年を目途に、国は「地域包括ケアシステム」というのを構築しようとしているということを皆様ご存知でしょうか。
それは中学校校区くらいのエリアで、住まい・医療・介護・生活支援が一体的に(=包括的に)提供されるような仕組み、というものです。
人が老い弱りが出る中で、デイサービスやショートステイに行ったり、訪問看護師さんが来てもらったり、などの様々なサービスが提供され

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掲載していただきました

梅雨はどこへ行ったものやら……。

こんな様子では、夏季の渇水、琵琶湖の渇水が心配です。

最近、紫陽花の品種改良が著しくて、ついつい紫陽花を撮ってしまいます。

さて、最近は僧侶資格を持っているということで拙文をご依頼いただくことが多くなってきました。

『訪問看護と介護』は連載「バッドニュースコミュニケーション塾」です。
今回は、悪い知らせの伝え方として有名なSPIKESを取り上げました。

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「医療が無力な時の医師の役割」

本日は、大阪市内で「医療が無力な時の医師の役割」についてお話しします。
人生の最終段階では医療が無力となることが多いものです。
医療がどこまでも有効であるなら人は死ぬはずないでしょうけれど、実際には医療は力をもたず、人は死に至ります。
医療的にすることがない場合、病棟では医師からの指示はなくなり、病室を訪問するスタッフもほとんどいなくなります。みんなやることがあって、忙しいですからね。
人は医療的

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ネガティブな気持ち

ネガティブな気持ち

ご家族さまを亡くされた方のご遺族のために、定期的に訪問をすることがあります。

それは診療としての訪問なので、カルテ記載もしながらのお話になります。

ご家族を亡くされて間もないころは、生活そのものが成り立たないほどの悲しみがある場合もあります。

そのようなときはどうすればいいのでしょうか。

私は以前グリーフケアの勉強を始める前はいろいろアドバイスをしておりましたが、どうにもアドバイスは意味が

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在宅終末期医療

在宅終末期医療

以前知人にこう言われました。
「この仕事は『悲しみを束ねる仕事』ですよね」

そりゃもう、驚きました。私はこの仕事を悲しいとは思っていませんでしたので。「寂しい」とは思うことがありますが。

仏教では「四苦八苦」の四苦とは、「生老病死」であるとされています。(八苦は「愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦」を加えたもの)
私は「老病死」という三苦の専門家を自負しておりますが、自分自身は「苦」を扱っ

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祖父の法事

本日、祖父の法事。
父があんな感じなもので、法事というものを全くしないまま四半世紀が経ちました。
最近「父方のおじいさんのお供養されていますか?」とのアドバイスをいただき、いつもお世話になっている明覺寺(めいかくじ)様で法事を執り行いました。
せっかくだからということで、私もお内陣にあげていただきました。
五条袈裟をお借りして、馬子にも衣装状態。
祖父の法事というよりも、私の発表会になりました。

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研修会情報

研修会情報

2022年5月1日 バッドニュースコミュニケーション術 講習
9:00-17:00
おかやま在宅クリニックにて行いました!

既受講者お二人との講習でした。

お二人とも、ロールプレイでのご様子がとてもお上手でした。上達されたなあと感心しきり。

一度で習得できるバッドニュースコミュニケーションではないからこそ受講し放題にしております。皆様ぜひ何度でも遊びに来てください。

<講習概要>
在宅医療

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家族を支える、その葛藤 2017年10月記事

2017年10月29日記事
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一応高齢者医療をしている人間として、高齢者の特性はそれなりに知っているつもりですし、適切なる対応がどのようなものかも知っているつもりです。

しかし、実際に自分の親に対してどんな対応をしているかというと、かなり悪い対応をしていると自認しています。

そんなものですよね、人間だもの。

父から電話がかかってき

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実母を看取りました3 2017年8月記事

2017年8月25日の記事です
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8月6日に痙攣から昏睡となったあと、意識が戻り、父とともにサ高住での生活を始めた母。
その前の週に訪問看護師の導入が始まった時にはまだ自分で動けることもあり、週1日の訪問にしてもらっていましたが、8月7日よりほぼ毎日訪問してくださいました。看護師さんのケアに対する拒否も多く、看護師さんとしてはやりにくさがあったよ

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実母を看取りました2 2017年8月記事

2017年8月23日の記事です
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8月6日に全身性の痙攣から昏睡になったにも関わらず、意識回復し、深夜にはトイレ歩行、歯磨きが可能になったものすごい回復力のお話でした。治療をほとんどしていないから元気だったということなのでしょうね。

この痙攣を起こす直前のことですが、父が京都のサ高住に入所するときの移動の車中で母の死後のことについて話して

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実母を看取りました1 2017年8月記事

2017年8月21日の記事です

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ここの所公私多忙にて更新できませんでした。

仕事は仕事で普通に新規の患者さんがご紹介していただけて忙しくしておりました。自分のプライベートのほうでは自分の母が乳がん末期状態でありまして、最終的に私が主治医となって看取りをしましたのでそれはそれで新規癌末期患者のショートコースとしていつものごとくあわただしく忙しい日々に

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ブログお引越し

これまでwordpressで書いてきたブログですが、今一つ使いづらく、当院の事務員伊藤愛さんのお勧めでnoteに引っ越しします。
まあ、当分は並行して同じ内容を書いていく予定です。