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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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#利下げ

「利下げ」の ”芽” vs しつこい「円安」

「利下げ」の ”芽” vs しつこい「円安」

 PMIの大幅な減少は昨年8月以来でやや意外感があった。価格や雇用指数を見ても、まんべんなく ”景気減速” が見て取れ、これが真のトレンドになるならようやく「利下げ」の ”芽” が吹いた事になる

 これを受けて米国債も全般に買われ年内「利下げ」シナリオも徳俵に足が掛かった状態で持ち堪えた。ここまで金利上昇が急だっただけに当然の小休止とも言える

 これを諸手を挙げて歓迎したのが株式市場。「マグニ

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「利下げ」が先か「株安」が先か

「利下げ」が先か「株安」が先か

 予想を大きく上回った米小売売上高 ↑ をきっかけに米国債は急落。まあ物価が上がっているので名目値が上がるのは自然でもあるが、日本と違い ”買い控え” なんて起きない。いや、「インフレ」ならむしろ早く買わないと値段が上がってしまうので消費行動が活発になる。お給料が上がっているから成せる技でもあり、これが「インフレスパイラル」の怖い所

 「利下げ」はやっと11月開始を織り込んでいるが、もはやその有

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続・想像以上にしつこい「インフレ」

続・想像以上にしつこい「インフレ」

 想像以上にしつこい「インフレ」|損切丸 (note.com) の続編

 注目の米CPI ↑ が出た後の「損切丸」の正直な感想。特にコアの高止まりは(FRBにとっても)ショッキングで やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com) は健在。もう現実的に「利下げ」無しを考慮しなければいけなくなった

 20年以上マーケットに関わってきたが、いつも 続・「行って欲

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 "金利のメッセージ" (Message in a Yield)

"金利のメッセージ" (Message in a Yield)

 前稿.続・米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com) で 政策金利は中央銀行が決める - 市場参加者や銀行の "思い込み" は危険|損切丸 (note.com) だから、マーケットの動きに反してFRB・ECBが6月にも「利下げ」を敢行するリスクに触れた。それはそれで仕方が無いことだが、こういう時大暴れするのが金利市場

 発せられる "金利のメッセージ" とは?

 もっとも分かり

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続・米国経済本当は強い?弱い?

続・米国経済本当は強い?弱い?

 米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com) の続編

 もう1年余りNFPにマーケットは悩まされ続けている。ISM非製造業指数を見ると価格等「インフレ」や景況感に減速の兆しが見えているが、とにかく「人が足りない」。平均時給が+4.3% → +4.1%と和らいでいるのが救い

 雇用統計発表直後は「米国債売り」(ドル金利上昇)+「ドル買い」で反応したが徐々に落ち着いてきている

 一

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続・「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 株もタワマンも買いそびれ「円安」で物価は上がる一方...

続・「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 株もタワマンも買いそびれ「円安」で物価は上がる一方...

 「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?|損切丸 (note.com) の続編

 さあ、いよいよFRBの「年内利下げ」の雲行きが怪しくなってきた。2月までは16カ月連続で50を下回っていたがISM製造業指数が "水面下" に浮上。生産指数が54.6と2022年6月以来の高水準で前月比+6.2ポイントは2020年6月以来の大幅な伸び。2月に縮小圏となっていた新規受

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やっぱり「インフレ」しかない

やっぱり「インフレ」しかない

 地味ながら3/21に金融政策の ”予想外” が相次いだ

 対照的な2国だが、現在の世界の経済状況を端的に現していて興味深い

 まずスイスと言えば元々 ”世界一物価の高い国” 。それだけに今回の「インフレ」局面でもCPIは+1%台で低位安定しておりそれほど「利上げ」もせずに済んだ。日本とも共通するが世界一の「お金持ち」国家と言えるだろう

 これを見て 勝手が過ぎるヨーロッパ - 拙速な「利下

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さらば "異次元" - 次に待ち受けるのは「利上げ」催促相場

さらば "異次元" - 次に待ち受けるのは「利上げ」催促相場

 とタイトルは付けたが、「損切丸」の第一印象は「結構思い切ったな」

 実際「マイナス金利解除」するとどうなるのか?|損切丸 (note.com) では「マクロ加算残高」を残す予想をしたが、特殊な「三層構造」↓ は崩れ ”元来の準備預金制度” へ戻る。これで@0.10%の「付利」対象は一気に300兆円以上増え、日銀は年間約▼3,000億円のコスト持ち出しになる

 もっとも増えた▼3,000億円の

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勝手が過ぎるヨーロッパ - 拙速な「利下げ」は危険

勝手が過ぎるヨーロッパ - 拙速な「利下げ」は危険

 もうECBは完全に「利下げ」前のめり。全くこの人達は何を言っているのだろう。どうもきっかけは天然ガス価格の急落のようだが正直腹が立つ。そもそも「戦争」の引金になったのはロシアへの過剰なエネルギー依存。アメリカからバカ高いガスを買わされてイライラしているのは判るが自業自得。そう考えるとメディアを使って「停戦」へ導こうとしているのは見え見え。舌の根も乾かぬうちにロシアと手を結ぶのではないか

 ヨー

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想像以上にしつこい「インフレ」

想像以上にしつこい「インフレ」

 「ドル円」ショートを仕掛けていたウォール街やファンドの「ドル金利低下」の願い虚しく、想像以上にしつこいアメリカの「インフレ」。 やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com) ということなのだろう。その割に株価は意外に底堅い

 続・逃げ出す「お金」。向かう先は... @2024|損切丸 (note.com) で「貸出」の鈍化や「預金」の流入を受け、欧米の銀行

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2024年は「お金の大移動」の年 - FRB「利下げ」の行方 

2024年は「お金の大移動」の年 - FRB「利下げ」の行方 

 注目の2月米雇用統計はまた投資家泣かせの微妙な数字。NFPのヘッドライン+27.5万人を見て「先月より減った!」と米国債は買い(金利は低下、5年債は一時@4%)、ドル円は売りに飛びついたが、そもそも+20万人台は弱い数字ではない。慌てて6月に「利下げ」を急ぐ理由には成り難い

 年内の「利下げ」は依然7月開始~▼0.75%が有力だが、面白いのは30年金利が指標発表前よりむしろ上がったこと。1つは

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「過剰流動性」が生んだ "怪物" ビットコイン

「過剰流動性」が生んだ "怪物" ビットコイン

 不気味に上がり続けるビットコイン(BTC)。ブロックチェーンとか半減期とかマイニングに電力を消費するとか、とにかく断片的な知識しかない筆者にはいくら値が上がっても手が出ない代物。まあ「わからないものには投資しない」を是としてきたので、価格形成メカニズムが不明のまま「お金」を投じることはできない

 「テスラ」とBTCとWTI。ー 「過剰流動性」はどの程度影響していたのか。|損切丸 (note.c

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「金利」の ”磁力”

「金利」の ”磁力”

 米国債の動きを見ながら売り(金利上昇)→ ドル買い、買い(金利低下)→ドル売り、で日々短期トレードを一所懸命手掛けているデイトレーダーには申し訳ないが、1980~1990年代に「ドル安・株安・米国債安」のトリプル安を散々見てきた「損切丸」は ↑ のイメージ

 例えば日本人が為替リスクを負って米国債を買う場合、金利が上がって新規に買う場合はいいが、例えば@3%台で手を出した投資家にとって米国債下

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遂に「お金」が足りなくなった?日銀

遂に「お金」が足りなくなった?日銀

 短期資金を取り扱った経験のあるトレーダーならこれは ”事件” 。資金需給の逼迫から日銀が「資金供給」したことになる。確かに2/2、5のTONAR(無担保O/N平均金利)は@▼0.008%まで上昇、ゼロに近付いている

 「損切丸」では「日銀バランスシート」をずっと追いかけているが、最近気になっているのが資産:①貸出、負債:②政府預金③その他預金

 直近の1月末がこう ↓

 まず①貸出が減らな

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