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深読みライフ・オブ・パイ&読みたいことを、書けばいい。

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2021年6月の記事一覧

シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』Ⅻ

シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』Ⅻ

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1989年5月某日(日曜)
深読み探偵学校

それにしてもシエナの師匠は、なぜこんなことをしたんだろう?

何が目的で、こんな手の込んだ奇妙なマネを?

簡単なことですよ。

『デカメロン』の作者ジョヴァンニ・ボッカッチョのメッセージを読み取ったから…

第100話『Patient Griselda(辛抱強いグリゼルダ)』を「忠実」に再現しただけのことなのです…

Giovanni

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シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』XⅢ

シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』XⅢ

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1989年5月某日(日曜)
深読み探偵学校

第100話と表裏の関係である第99話『The Return of Messer Torello(メッサー・トレルロの帰還)』も実に興味深い物語ですから、ちょっと解説しておきましょうか…

『DECAMERON(デカメロン)』という作品を書いたボッカチオの意図を、よく理解するために…

みんなが感動していたパンフィロの第99話を鼻でせせら

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シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』ⅩⅣ

シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』ⅩⅣ

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1989年5月某日(日曜)
深読み探偵学校

天才ダンテに憧れたボッカチオが、そんな適当な仕事をすると思いますか?

第99話が Pavia(パヴィア)で、第100話が Saluzzo(サルッツォ)であることには、重大な秘密が隠されているのです。

誰にも気づかれないように、ボッカチオは「とんでもないもの」を…

ミス・キマタ、まさか「あなたの心」とか?

うふふ。そんなオチだった

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シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』ⅩⅤ

シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』ⅩⅤ

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1989年5月某日(日曜)
深読み探偵学校

カリオストロ、ゴート?

なんてこった…

確かにパヴィーアで誕生した「最初のイタリア王」は「仮オストロ・ゴート」だ…

僕としたことが、こんな単純な駄洒落に気がつかなかったなんて…

ハヤオ・ミヤザキよ、あなたという人は…

Hayao Miyazaki(1941-)

いったい何の話をしているの?

それでは少し「Pavia」につい

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シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』ⅩⅥ

シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』ⅩⅥ

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1989年5月某日(日曜)
深読み探偵学校

とても興味深い内容です。

カリオストロ城の地下牢に描かれた「3.14」も、「クラリスと黒犬カール」にドイツ語の「円周率」が隠されていたのも、ボエティウス『哲学の慰め』が元ネタですから。

ええっ!?

ちょ、ちょっと待ってくださいミス・キマタ…

今言ったのは本当ですか?

では解説しましょう。

ダンテ・アリギエーリ『神曲』や、ジョ

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シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』ⅩⅦ

シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』ⅩⅦ

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1989年5月某日(日曜)
深読み探偵学校

ゴジラVS… ビオランテ?

新しいゴジラ映画には、巨大なバラの花の化け物が出て来るのですか?

ダンテも『神曲』天国篇で「究極の愛」の形態を、天に咲く「巨大なバラの花」だと説明しています。

『神曲』天国篇 第31曲 1~3節
クリストの己が血をもて新婦(はなよめ)となしたまへる聖軍は、かく純白の薔薇の形となりて我に現はれき

『T

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シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』ⅩⅧ

シン・日曜美術館『ボッカチオのデカメロン』ⅩⅧ

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1989年5月某日(日曜)
深読み探偵学校

ダンテやボッカチオをはじめ、数多くの芸術家にとてつもない影響を与えたボエティウスの『哲学の慰め』へ行く前に、「ゴジラ」について簡単に話しておきましょうか…

「ゴジラ」と『神曲』、そして宮沢賢治の『春と修羅』との深すぎる関係を…

これは1954年公開の元祖『ゴジラ』…

『ゴジラVSビオランテ』のみならず、第一作目からダンテと宮沢賢治

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