「 夢の続きが始まりました【第八十六章 (肩書き) 】」
2023/5/8
石川善一52才です。
歌手デビューの話が流れた2000年から私は派遣社員です。
派遣社員は会社の都合で真っ先にリストラされる雇用形態です。
私は与えられた作業は、誰にも負けないように必死。
会社が人員削減を決めた時、
【石川君には居てもらわないと困る】…と思ってもらう為です。
良品率が30%だった作業を、私は90%に上げました。
その時の派遣先は大手、F研究所株式会社。
私は5年在籍しましたが、ずっと居たかった会社です。
研究所ですから社員が分析した色んなデータで実験します。
ある日、実際に装置を動かす私が自分のプランでやってみる機会があり、
それが当たって良品率90%。
どうやって良品率を上げたのか知りたい…と、
私は派遣社員でありながら、会議に呼ばれました。
私はその問いに、
液体の粘度の糸引き具合や色の変化の【見た感じです】と答えました。
大企業の部長はニコニコしながら、
「おもしろい (^o^) 」
「データでやっていた社員ができなかった良品率を上げ、安定させたんだ」
「見た感じ…あははは…それでいい」
「きみに任せる」
「この便利な世の中で依然として職人やカリスマと呼ばれる人がいる」
「石川君はそれだな (^o^) 」
嬉しかったです。
肩書きではなく、実績を認めてくれる上司だったので
やりがいがありました。
正社員が大勢いる中、
「この作業は石川君の専門だ」…と時給が200円上がりました。
いつしか係長、課長、部長と一緒に、
ご飯を食べに行くのが習慣になりました。
焼き肉や寿司は定番でした。
食後、トイレに行っていた私が席に戻ると、上司達は
「俺5000円ね (^o^) 」
「俺も5000円 (^o^) 」
「俺も5000円 (^o^) 」
…とお金を出し…
「石川君、立ってるついでに支払いしてきて。」
「割り勘だから足りない分は石川君ヨロシク (^o^) 」
会計は15300円でした。
…「!!!…部長、俺300円でしたけど…」
「皆で金を出し合ってうまいもん食って楽しい時間を過ごせたね (^o^) 」
私は頻繁に食事に誘われましたが、
1度もまともに支払った事がありませんでした。
財布を出すと「だめだめだめ」…
「石川君が払ったらね…負担になるでしょ」
「負担になるって思ったら私達は君を誘えなくなる」
「それがイヤなんだよ」
「だからおごるのは当たり前 (^o^) 」
…………………
会社は研究所。
新製品の開発や実験を繰り返し、最後は打ち切りになってしまいました。
普通の量産なら派遣社員のままだったとしても、一生いたかった会社です。
他の派遣先に行けば、
努力しても、誰より詳しくなっても派遣社員だから…
と会議に呼ばれません。
人ではなく、肩書きを見る会社が多くてうんざりします。
…………………
私は派遣社員になる前の8年間、学童保育の先生をしていて、
【6年生の法則 】という独自の考え方があります。
派遣社員として入社した会社で、
肩書きは私より上でも実力は私より下と思う人の基準は、
6年生でも分かる事、できる事、気を利かせられる事をやらない人です。
言われてないから…面倒だから…大変そうだから…見て見ぬふり…。
手を抜こうとする人は見抜けてしまいます。
そんな人が上司だったり社員だったり…
自分より優遇されている肩書きを持っている。
お願いだから尊敬させてくれ!!!!!
私は満たされないどころか憤るのです。
残念ながら私が転々としてきた会社では、
優秀な人2割。
普通5割。
あとの3割は【6年生の法則以下 】でした。
私は派遣社員という肩書きというだけで、手を抜く人より待遇は低いです。
私は自分の言葉を世に出したい。
肩書き重視はやめなさい。
肩書きとは必ずしも、やる気や実力と比例するとは限らない。
あくまでも人間そのものを見なさい…と言いたいのです。
…………………
私と同じ憤りを感じている人は、考えてみて下さい。
あなたの上司は、あなたが選んだ人ですか?…違いますよね。
役員会の一部の人が勝手に決めて発表されただけですよね。
尊敬するかしないかは、あなたが判断すればいいのです。
…………………
F研究所株式会社の上司達は退職後10年以上たっても交流があります。
人として好きなのです。
肩書きなど気にせず、仲間として接してくれていたからです。
本当に忙しい時は課長が重い廃材の処理を手伝いに来ました。
「機械の操作は分からないから、せめてこんな事だけでも手伝わせてよ (^o^) 」
「いやいやいやいや、とんでもないです…そんな事は後で俺がやりますから」…
こんなふうに思わせてくれるのが本物の上司です。
くだらない事で笑い合いました。
係長の家に皆で泊まった事もあります。
部長が私の家にコレクションの貝殻を見に来た事もあります。
肩書きが外れても、定年退職しても人に慕われる。
この人達は【 人間としての成功者 】なのです。
世の中の上司と呼ばれる人達に知っておいてほしい事があります。
あなたは肩書きが外れた時、
これまでのように人が寄ってきてくれる自信がありますか?
肩書きが外れた途端、
誰からも相手にされなくなる可能性はありませんか?
【 肩書きに頼りきって過ごした人 】の代償は、孤独です。
人情で部下と向き合うようにする事が、
人間としての成功者になる法則です。
…………………
世の中の社会人の皆さん、
【 6年生の法則以下 】にならないで下さい。
もしそうだとしたら、あなたの周りの人は、
あなたの肩書きだけを見てしまいます。
あなたは正社員ですか?
係長ですか?
課長ですか?
肩書きなんて、その会社でしか通用しません。
あなたにはあなたの名前があります。
名前を大事にしませんか?
それがあなたの生まれ持った肩書きです。
一生懸命って…確かに疲れますが、
あなた自身の魅力で人に囲まれて下さい。
…………………
F研究所株式会社。
上司以外にも優秀な社員がたくさんいました。
類は友を呼ぶ…というように上司が見事な人格だから部下も育つ。
私がMDに保存していたオリジナル曲を、2ヶ月もかけて
一生懸命CDに変換してくれた●野君とも、この会社で出会いました。
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