- 運営しているクリエイター
記事一覧
嘘をつかないための嘘
あれは小学校3年生の頃だったろうか。ある朝、兄と一緒に登校していると、唐突に、「お前、好きな女とかいるの?」と聞かれた。
言うまでもない。初恋が保育園児の頃だった僕はその後も毎年違う女の子を好きになっていたのだが、その時はツインテールが似合うKさんのことが好きだった。
しかし、いつの世も小学生男子には、恋愛は恥ずかしいものだ、という価値観がある。素直に認めることはできない。
しかし、「いない
CORSAGE DEVANT
そのお店の名前を、今でもふと思い出す。
インターネットの検索窓に打ち込んでみるが、ヒットするものはない。
それならば、僕が記録するしかないだろう。
金沢で大学生をしていた1990年代末の、ある日のこと。購読していたファッション雑誌『FINEBOYS』をめくっていると、あまりにもカッコいいブーツが目に飛び込んできた。
「MIHARAYASUHIRO」
聞いたことがないデザイナーだ。
当時
友達リクエストを削除
極めて低次元の話である。
私は学生時代の同級生からのfacebookの友達リクエストを削除したことが、二度だけある。メッセージを添えない、リクエストだけのリクエストだった。拒絶した理由は、彼らはただの元同級生で、友達ではなかったからである。
しかし、そもそもfacebookの「友達」など友達であるはずもない。例えば仕事で一度会っただけの人と「友達」になることもある。
私は彼らに何を見てリクエ
世界は語られていないことで満ちている
毎日、次から次へとニュースが報じられる。
仰天するニュース、腹立たしいニュース、にやけてしまうニュース、涙があふれてしまうニュース、いろいろなものがある。
いろいろな感情を抱きつつも、一方で私は(ここで語られていないこともあるのだろう)と思いながらそれらのニュースを読む。
すわこいつは陰謀論者か、と思わないでほしい。陰謀論は楽しいので好きなのだが、私は歳を取り、そういうものを心から信じること
クリスマスイブの東尋坊
それは大学生の頃のクリスマスイブのこと。
実家が何らかの仏教である、という敬虔な仏教徒であった私と友人Aは、クリスマス熱に浮かされた俗世を離れ、悟りの境地に至るべく、Aの車で旅立った。
目的地は、東尋坊。
(来世での)永遠の愛を誓う恋人達の聖地である。
明鏡止水、我々の心を映したような、いつものように澄み切った石川の曇天。
軽快に車を飛ばす。
Aが。
福井県に入ったあたりで雪がちらつ
サンタウン汗だく事件
母が、「あなたに関して一番感動したエピソード」として、壊れたレコードのように何度も何度も持ち出す話がある。
一言で言えば、子供の頃、友達の家に遊びに行って帰りが遅くなった僕が、汗だくになって走って帰ってきたという、それだけの話だ。
終わってしまった。
中身がない話だが、それでも母が一番感動したエピソードだそうなので、ここに記録しておきたい。
それは確か小学校1、2年生の時のことで、と思うの