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モモのこと 〜ティム・オブライエン『世界のすべての七月』読書感想文〜
"You know whaaat?”(ちょ、聞いてよー)
モモの、前日のデートに関する報告はいつもそう言って始まった。小1から高3までをカルフォルニアで過ごした彼女の、細かいニュアンスを含む話はたいてい英語だ。
モモに限らず、アメリカ育ちの女の子は昨日のデートについて微に入り細に入り話しまくる、というのがわたしの印象である。
彼はどんな服を着て来たか、どんなお店に連れて行ってくれたか、ジョー
午前2時の『深夜高速』
令和にフラカンの『深夜高速』を聞くとは思わなかった。しかも歌うのは岡崎体育。
最高。反則やん。
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3年前。夏の夜。午前2時。
色々煮詰まって眠れなくなって、翌朝取りかかるはずだった仕事に前倒しで手をつけようとパソコンの前に座った。
座ったものの、いまいち頭が回ってないからスマホでTwitterをひらく。よくない癖。
「この歌詞で深夜高速ってタイトルは反則」
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おばちゃんあり遠方よりさいたまに来る 〜岡崎体育と0/100思考の話〜
0/100思考だと自覚していた。
どうせやるなら100パーセント、そうでなければ0、という思考回路は、精神論としてはストイックな美しさをもつけれど、生きるためには端的にしんどい。自分の退路を断ってしまうし、小休止を許さない許せない。あぁこのインターバルですべてがゼロに水泡に、と頭を抱えてしまう。
必然的に、自己肯定感が低い。100に届かなかった試みの「プロセス」を評価するシステムが脳内に存在し