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ちいさいひとたちと

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子どもとの関わりにおいて、「見ること」を大事にしたい。なにしてる?どんな顔してる?なに見てる? このマガジンには、その振り返りを中心に、子育て記事をまとめていきます。 ちいさいひ…
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#子育て

私は私の親より良い親だろうか

私は私の親より良い親だろうか

私は、私の両親より良い親だろうか。

無意味な問いとは分かりながら、時々、そんなことが心をよぎる。

私の両親には、良いところもあった。
ただ、子どもに対して関心が薄かった。

私には2歳違いの姉がいて、彼女にとって私は邪魔者だった。姉も両親からの関心を思うように得られない、と感じていたのだろう。いろいろとつらいことがあり、私は子どもの頃、早く大きくなって姉と別々に暮らしたい、と思っていた。
姉が

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大丈夫。

大丈夫。

息子(7才)と娘(12才)が、ソファに並んで座っていた。
3人掛けのソファを、彼らは勝手に半分に分けてそれぞれの領土としている。その境界線から、息子の肩がはみ出した。姉は黙って押し返す。弟は怒って姉を蹴る。
それを見ていた父(私の夫)が、「そんなことしたらだめだよ。お姉ちゃんに謝って」と言う。

そこで、息子の場合、どうなるか。
もちろん謝らない。
言い聞かせようとすると、怒りの矛先は父に向かう。

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スマホがなかった頃は?

スマホがなかった頃は?

数年前、日本で知人一家と食事をした際、知人の子どもたちがスマートフォンでゲームをして過ごしていることが印象に残った。
私自身は家族を伴っていなかった。
そもそも、その店に小さい子を連れてくるというので、「大丈夫かな?」と私は思っていたが、彼らは外食時はいつもそのスタイルで解決しているみたいだった。
おかげで、大人たちはゆっくり話せたけれど。

さて、スペインの食事時間は日本より遅い。しかも、おしゃ

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類推

類推

日本で言うと、小学1年生の息子。
言葉に興味がある。

今朝、クローゼットを片付けている私のところにやって来て言うには、「ひとつ前の秒ってなんて言う?」
私「1秒前、かな」
息子「ふぅん…」
なにか考えている顔。
息子「“去年”があるから、“きょびょう”もあると思うけど」
ふむ。

先日もこんなことがあった。
私の読んでいる本を覗いていた息子。
「“こせつ”があるなら、“だいせつ”もあるかな?」

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お金ないからカレー

お金ないからカレー

今は10代の娘が幼かった頃。
スーパーで買い物をしていて、私と同じように赤ちゃんを抱っこしたお母さんとすれ違った。
その人は、5歳くらいの女の子の手を引いていた。
女の子が「今日のご飯は?」と尋ねた。
お母さんは、「お金ないからカレー」
抑揚のない声で答えていた。

なぜこのことが記憶に残っているのだろう。

カレーって安上がりなの?と、率直な疑問を覚えたからかもしれない。

それより、「お金ない

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ゲームが楽しいんだなぁ

ゲームが楽しいんだなぁ

夕食の準備ができた時、息子がゲームをしていたので、やめるように言った。いつもの約束事として、自分でタイマーをセットしてゲームをするのだが、そのタイマーではもう少し時間が残っていた。タブレットを片付けたものの、いいところだったらしく、彼は納得がいかなかったようだ。私と上の子は食事を始めたが、息子は私をにらんで泣いていた。
どうしたの?なあに?と聞いても、なにも言わない。ただ、一定の執念で泣き続ける。

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5才児語録 #7

5才児語録 #7

よくある話…

(1)たぬきの鳴き声は?
「たぬたぬ」

(2)まっすぐな穴を掘れば、地球の反対側にいけるかな
私「でも、反対側に出る時、足から飛び出しちゃうよね」
5才児「頭から飛び込めばいい!」

カタツムリの綱渡り

カタツムリの綱渡り

5才の息子と、寝る前に絵本を読んでいた。
内容は、カタツムリの生態と飼い方。
「カタツムリは、糸の上も歩けます」と書いてある。
カタツムリが身をよじって、細い糸に絡みついている絵がそえられている。

横で聞いていた、5年生の娘。
「歩きたいわけじゃないだろうね」

5才児語録 #5

5才児語録 #5

玄関に突っ張り棒を取り付けてある。上着類がかかっている。
その強度について、夫と私が話していた。

それを聞いていた5才児、目をキラキラさせて、
「今、落ちてきたらおもしろいことになるね」

なりません。
大人としては。

君といると楽しいよ、5才児。

5才児語録 #4

5才児語録 #4

5才児「なんで右手が利き手の人が多いの?」

姉・10才「クローバーみたいなものじゃない?葉っぱ3枚のが多いけど、たまに四つ葉があるでしょ」

そうか、クローバーか。

彼女によると、四つ葉のクローバーは、まだ芽が小さいうちに踏みつけられたりすることによる変異らしい。

ちなみに、私は左利き。踏みつけられたかな?

私は、私の子どもを産んだ

私は、私の子どもを産んだ

先日、ある男性が、自分の妻についてこんなふうに感謝しているのを耳にした。
「俺の子どもを産んでくれたんだから」

その表現は、時に誰かが口にするものだ。定型的と言ってもいい。「俺“なんか”の子どもを」と、相手の存在の貴さを賞賛するものだと思う。

ただ、その言葉で、私は過去の自分を思い出した。

2人目の子の出産後、夫の協力が得られず孤独な数年間があった。
その間、育児とフルタイムの仕事を両立し、

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相手の思うことがすべて

相手の思うことがすべて

育児の先輩でもある友人と話していて、はっとさせられる言葉があった。

「相手の気持ちがすべてだからね」

続けて、彼女はこんな話をした。

知人親子のこと。
不登校の子ども(高校生)を母親は心配しているが、気持ちが噛み合っていない。その子は小さい頃から勉強もスポーツもよくできて、親の自慢の種だった。母親は、子供が賞をとったり新聞に載ったりすると褒めた。でも、子どもの方は、「自分は今まで褒められたこ

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5才児語録 #3

5才児語録 #3

・ある朝、
「(幼稚園に)お父さんが代わりに行ってよ」

・オノマトペ
「ずるんこ、ずるんこ」
→ こんにゃくゼリーを食べる音

・カブトムシのおもちゃで遊びながら
「木の黄色いやつ(樹液のこと)なめてみたいな」

なめてみたいっていう発想は、なかったなぁ。
でも、そうだよなあ。カブトムシやクワガタは喜んで食べるんだもんね。どんな味なのかな。
5才児は、「甘いと思うよ」と言っていた。
どうかな〜。

私が子どもだったころ、母はなにを

私が子どもだったころ、母はなにを

私が子どもだったころ、母はなにをしていたのだろう。
と、ふと気になった。

母は、平日の昼間はパートタイムで働いていた。
私や姉が小学校から帰るより遅かったから、夕方、5時か6時くらいに帰宅していたのだと思う。

今から20年ほど前のことだ。
インターネットはまだ電話回線。メールのやりとり程度。
テレビは、父の方針であまり見なかった。
また、母は読書をしなかった。雑誌も買わない。
友人と頻繁に連絡

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