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493.社長をやめた、社長のいない不思議な会社【後編】

※「492.社長をやめた、社長のいない不思議な会社【前編】」より、続き~
合わせて読んでくださいね~

1.社長のいない不思議な会社【後編】

彼の会社はクロス屋さん。
室内の仕事が多いため、この567の影響を受けて仕事は激減。
別にこの会社だけではない。たくさんの会社がこの567渦で次々と潰れていく時代。

©NPО japan copyright association Hiroaki

彼は悩んでいた…
どちらにしろ、このままでは潰れてしまう…。
それに残された働きさんたちのことが心配だった。今の世の中で簡単には就職などできない。働きさんたちにも幼い子供や家族がいる。さらに年老いた両親の面倒を見ているものもいる…。

彼は、深く悩んでいた…。
それに今の業種で生きていけるかどうかの不安もあった。

後継者のいない彼は思い切って、社長を辞めて、働きさんたちにすべての経営を任せて、再出発を図ろうと考えていた。
そこでcoucouさんは、オブザーバーとしてその会社の会議に参加して、現場で働いている働きさんたち、つまり7人の社長さんたちとブレーンストーミングを行うことにした。

ても、何も答えのないまま時間は過ぎていった…。

そして、前回こんな話の展開となった…。


「笑わないで下さいね…。壁紙を張らないで色を塗ったらどうかな?もちろん、穴が開いている場所、傷ついている場所、古くなっている場所は一部パテで補修、修整してきれいに色を塗ったらどうかな?」

みんな、ここで大笑い~

そんなの無理~

大半はあきらめ顔…。

凄い~
素晴らしいアイデアだね~
coucouさんは、彼を褒めたたえた…。


このあと、とてつもない奇跡が起こる~
凄い、逆転現象が起きたんだ~

※ここまでが前回のおわり~

coucouさんはね、一番若くて、入社したばかりの青年のこの言葉に驚いた。「凄い~素晴らしいアイデアだね~」

みんな、不思議そうな顔をしていた~

「そう、凄い~そう、塗装だよね…」

「ちょっと、coucouさん待ってよ!俺たちはクロス屋だよ、塗装屋じゃあないよ~」

そして、時間をいただき、数日後に、その言葉を元に再度会議の続編を行うことにした。


©NPО japan copyright association Hiroaki

2.クロス屋さんがクロス屋をやめる話

「さて、みなさんに彼の素晴らしいアイデアを考えてきました…。では、簡単に説明しますね。まず、クロス屋さんをやめましょう~その理由は、あまりにも安すぎる価格帯で利益を出すにはなかなか難しい世界ですよね。そして、現在の下請け制度、孫請け制度のため、単価を値引かれる場合が多く、いつまでも価格競争に巻き込まれてしまう。ですから独自のオリジナルの業を編み出して一切の価格競争の世界から離れることだと思うのです。」

ここからは要約しますね。

まず「塗装」。
(1)クロスに塗装できる塗料の開発
(2)一切の匂い、シンナー、壁紙、糊、塗料の匂いを失くす
(3)つやを設け、水拭きできる塗料(拭き掃除可能)
(4)短時間、短期間で作業ができること。
(5)クロスの有効期間を超える(クロスの寿命が3年から5年)
(6)子供や動物などに対する安全、アレルギー物質に対する対処
(7)上記を考えた特許出願申請(アイデア内容)、商標出願申請(商品名)、著作権(チラシやパンフレット)など。
(8)その他


©NPО japan copyright association Hiroaki

3.この青年の一言によって、みんなは一斉に動き出しはじめた。


一同、このアイデアによって物凄い希望が生まれた~
この内装業界、クロス業界に新風を起こすんだ、と燃え上る。

ただ、元社長がここで発言した。
「では、みんな、私の友人の塗装屋がいる、みんなで教えてもらおう。ただ、塗装屋になるんじゃあない、クロス屋でもない、楽しくラクに仕事することが大目的だ。そして塗料の相談もしてみよう!」

この青年の一言によって、みんなは一斉に動き出しはじめた。

そして、特許取得~
これで独占権をつかんだ。

(1)クロスに塗装できる塗料の開発(クリア)
特許申請受理
(2)一切の匂い、シンナー、壁紙、糊、塗料の匂いを失くす(クリア)
一切の匂いのない無臭製品
(3)つやを設け、水拭きできる塗料(拭き掃除可能)クリア
※水拭き可能(つやあり、つやけしOK)
(4)短時間、短期間で作業ができること。クリア
※6畳一間の部屋2時間~3時間(通常5時間から8時間)
(5)クロスの有効期間を超える(クロスの寿命が3年から5年)クリア
※これは公式には5年超えていないためデータは取れないが、クロス寿命より長くできる。
(6)子供や動物などに対する安全、アレルギー物質に対する対処(クリア)
※剥がし張替え等がないため、剥がし剤やシンナー系、などのアレルギー物質がないことを鑑定した。
(7)上記を考えた特許出願申請(アイデア内容)、商標出願申請(商品名)、著作権(チラシやパンフレット)など。(クリア)
特許庁の特許出願とともに、ネーミング(商品名)を商標登録し、誰にも模倣されないためにチラシやパンフレット等に関しては文化庁著作権登録を行う
(8)その他


そして、これから快進撃が始まった。
何よりも、一切の害がなく、短時間で作業が終わる。
今までは6畳一間の部屋であっても数人の忍苦が必要になったのだけれど、一人でも短時間にでき、塗料も速乾性がありすぐに乾く。

そして、安い~

さらに自社だけではなく、同業者たちにも声掛けするようになり、この塗料の販売、塗装の実技教室を行い、市域だけでなく、隣町まで広がっていく。彼らの夢は全国展開、全国制覇~

これって、なんだか、凄い奇跡のような気がするね~

©NPО japan copyright association Hiroaki


※参考資料~本編とは別の会社ですが、現在日本全国に広がっている。
たった一つの言葉で、奇跡は起こる~coucouさんの家は実際にこんなクロスメイクをした~



©NPО japan copyright association 


coucouさんです~
みなさん、ごきげんよう~

現場の働きさんたちって、よく見ているよね。
私たちは仕事や生活にどっぷりつかっていると、何にも見えなくなる恐れがあるよね。

まさに灯台下暗し~

どんな人でも、たとえ子どもたちでも、アイデアや発想には上下貴賤はない。
むしろ、発想やアイデアは経験者や専門家よりも、素人、未経験の人の方が発想力に固定観念がないために、自由なる発想が可能となる気がする。

とかく、私たちって「固定観念のかたまり」、これも過去の経験や体験から来ているものなので間違いではないよね。
ただ、見えなくなる恐れも同居しているんだ。
だから、その固定観念を外す必要もある。


読んでくれた、みんなはここで分かったと思うけれど、coucouさんはね、オズボーンのブレーンストーミングを実践しているんだ。
このブレーンストーミングはね、少数グループや会議の時の最初に参加者の方々にあるルールを話す。

そのルールはね、人の意見や発言に対して「一切の発言を否定しない」ことなんだ。

どうしてって?

それはね、人は誰でも批判されたり、否定させると自動的に発言が止まってしまう怖れがあるからなんだ。するとね、素晴らしいアイデア、もちろん自由なる発想やアイデアだってその時点で停止してしまう怖れがあるからなんだ。

だって、coucouさんだってね、例えば助言を求められて、一生懸命に考えてその助言に答えたとする。だけれども、簡単に「それは違うよ!coucouさん~」なんて否定されたら二度と発言をするのが嫌になるもんね。

だって、あなたが意見を求めてきたんでしょ~

だから、たとえ、coucouさんの発言に誤りがあったとしても、簡単に否定されたりしたら、もう、それでおしまい~

これって、みんなもそうだよ思うよ~

だから、たとえ、求めていた考えと違っていたとしても「あなたのために考えた」のだから、嘘でもいいから「ありがとう…」「助かったよ…」「参考にするね…」なんて言ってくれたなら、嘘だとしてもcoucouさんは嬉しく思うよ。

これがブレーンストーミングの本質なんだよ~
だからね、「一切の否定はなし」、あるのは「一切を肯定する」、受け入れること、すべてにYESなんだよね。

人は誰でもね、肯定される、受け入れられる、受け入れてもらえるって嬉しいよね。
だから、coucouさんはね、基本的には自分の意見や考えは言わないようにしているんだ。我慢している時もあるよ~

答えってね、早やすぎちゃあだめなんだよね。

答えはね、自分以外の人が答えることでその人の手柄、自信となるんだもの。だから、現場の声、お客さんの声を聞くことでそこに答えが出るはずなんだ。

答えって、自分自身では見えないけれど、人の言葉の中に無限に隠れている気がする。


さて、またまた長編版をここまで読んでくれて、ありがとう~
この「ブレーンストーミング」はね、たった一人、自分だけでもオッケー~
他人も否定しないけれど、自分の考えも否定しない、全部一度受け入れることによって、勝手な思い込みを取り去ることができるんだ。

一人の場合はね、内観(内省)と同じ。

目を瞑り、自分と対話する。
すぐに忘れてしまいそうならば、すぐさまメモを取る。

そう、もう一人の自分と語り合うんだ。これはね、仕事の世界だけじゃあないよ。日々の生活や、何かしら困ったときの解決策となる。

クリエイターさんたちのアイデア出しなどにも十分通用するし、グループや会議などもおんなじ。
ただし、ルールがある。それは「相手の考えを一切否定しない」ことなんだよ。


では、また、あしたね~

みんな、素敵な一日をね~

ごきげんよう~

©NPО japan copyright association 



Judy Garland - Danny Boy (1955)


coucouさんのホームページだよ~みて~みて~

 
Production / copyright©NPО japan copyright coucou associationphotograph©NPО japan copyright association Hiroaki
Character design©NPО japan copyright association Hikaru








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