toritoritora

男性。29歳。編集者。

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飽きる

飽きる。いま飽きるということ。 生きるのに飽きるということ。 ふと、日々感じる感動が薄くなること。 頭のなかでメロディが鳴らなくなるということ。 鳥のさえずりが…

toritoritora
4年前
26

話のあと。

ソラシド奏でるよろずの肺 桜が散る散る目が回る。 夜更けに見るは、自分のこころ。 奥にね、ずっしり、横たわる。 まきびしまきびし、残る嫉妬。 見えない見えなくな…

toritoritora
3年前
1

背筋を伸ばす立春の日

ピンと張る。 いつもより少しだけ無理してみる。 背筋を伸ばして、前をみる。 目の奥に疲れを感じる。 大丈夫。まだやれる。目を瞑る。 少し口角を上げてみる。 大丈…

toritoritora
4年前
9

心が泣いていても。

どうしようもない朝に打ちひしがれながら、もう夜が刻々と近づくの。さざなみの音を聞きながら、心の痛みを味わうの。夢が破れても、自然は残酷にも、何もなかったかのよう…

toritoritora
4年前
5

夜明け前

殻の桜が散り乱れ 浮き世の色が滲むとき 子どもの声も赤く擦れ 知らずに進む夜電車 ラッパ鳴り響き羽音止む 灰はそのまま動かない 夕陽が添える橙も 知らないあの子は何処…

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4年前
4

血が出る感覚を。骨折る感覚を。

♪ 痛いって感覚は、日常から追い出された。 膝小僧を擦りむいた。 そんな痛みでさえ無くなって、 街は美味しさと気持ち良さで溢れてる。 もっと痛みがあっていいのに…

toritoritora
4年前
4

老人の願い

恵まれなかった。愚かだったし、劣ってもいた。 人と比べて落ち込んだり、結果が出ない時もたくさんあった。(5年も10年も我慢したが、自分のしたいような人生にはならなか…

toritoritora
4年前
12

咲いた咲いた

なぜだろう。なぜ心が許さないのだろう。心のなかで染まった気持ちは抑えきれずに、咲いてしまう。人には理解されないような夢、赤いつぼみが手渡しされる途中、受け取れば…

toritoritora
4年前
5
飽きる

飽きる

飽きる。いま飽きるということ。

生きるのに飽きるということ。

ふと、日々感じる感動が薄くなること。

頭のなかでメロディが鳴らなくなるということ。

鳥のさえずりが、人の声が、聞こえなくなるということ。

生きるのに飽きてしまうということ。

いま飽きるということ。

それはコンクリート

それは東京

それは醜い強姦

飽きるということ。

いま飽きるということ。

無視されて、無視もすると

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話のあと。

ソラシド奏でるよろずの肺

桜が散る散る目が回る。

夜更けに見るは、自分のこころ。

奥にね、ずっしり、横たわる。

まきびしまきびし、残る嫉妬。

見えない見えなくなる光。

背筋を伸ばす立春の日

背筋を伸ばす立春の日

ピンと張る。

いつもより少しだけ無理してみる。

背筋を伸ばして、前をみる。

目の奥に疲れを感じる。

大丈夫。まだやれる。目を瞑る。

少し口角を上げてみる。

大丈夫。まだ人を思いやれる。

深く息を吸ってみる。

肩の力を抜いてみる。

目に感情をのせてみる。

少し人に優しくしてみよう。

綺麗なあの人に声をかけてみよう。

桜のお菓子を買って帰ろう。あいつは喜ぶかな。

皆がこんな前

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心が泣いていても。

心が泣いていても。

どうしようもない朝に打ちひしがれながら、もう夜が刻々と近づくの。さざなみの音を聞きながら、心の痛みを味わうの。夢が破れても、自然は残酷にも、何もなかったかのようにそれを受け止めて。やがて闇と光のなかにくらませるの。

やましい気持ちも綺麗な気持ちも、関係なく。災いの前には平等の線がピンと張ってて。夕日もいつかは沈むし、人はいつか死ぬの。

死ぬときに、動物も植物も、何も意味はなく、
ただ時と輪廻を

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夜明け前

夜明け前

殻の桜が散り乱れ
浮き世の色が滲むとき
子どもの声も赤く擦れ
知らずに進む夜電車

ラッパ鳴り響き羽音止む
灰はそのまま動かない
夕陽が添える橙も
知らないあの子は何処いった

寄る壁もない長い夜
次の境はいつになる
二三と辛苦を乗り越えて
我が子に託す末の先

血が出る感覚を。骨折る感覚を。

血が出る感覚を。骨折る感覚を。



痛いって感覚は、日常から追い出された。

膝小僧を擦りむいた。

そんな痛みでさえ無くなって、

街は美味しさと気持ち良さで溢れてる。

もっと痛みがあっていいのに。

麻痺して、満足しかない生活。

刺激をとりに行こうじゃないか。

野蛮に、馬鹿に、なろうじゃないか。

人生に、鮮やかな赤い色が付く。

老人の願い

老人の願い

恵まれなかった。愚かだったし、劣ってもいた。

人と比べて落ち込んだり、結果が出ない時もたくさんあった。(5年も10年も我慢したが、自分のしたいような人生にはならなかった。)

外面と肩書きだけを求めて、トロフィーがたくさん欲しかった。(少し手に入っても、深い安心と眠りはいつまで経っても来ないままだった。)

でも、一日一日を、自分の人生をより良く生きようと自分なりに必死だった。

ある時、母を幼

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咲いた咲いた

咲いた咲いた

なぜだろう。なぜ心が許さないのだろう。心のなかで染まった気持ちは抑えきれずに、咲いてしまう。人には理解されないような夢、赤いつぼみが手渡しされる途中、受け取れば気が触れてしまうことに気付いて身震いする。目を覚ます。そんな恐怖を感じている。

咲いた。咲いた。