toritoritora

男性。29歳。編集者。

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飽きる

飽きる。いま飽きるということ。 生きるのに飽きるということ。 ふと、日々感じる感動が薄くなること。 頭のなかでメロディが鳴らなくなるということ。 鳥のさえずりが、人の声が、聞こえなくなるということ。 生きるのに飽きてしまうということ。 いま飽きるということ。 それはコンクリート それは東京 それは醜い強姦 飽きるということ。 いま飽きるということ。 無視されて、無視もするということ。 そこそこの未来か、レールから外れるかしかないこと。 あなたが日々

    • 話のあと。

      ソラシド奏でるよろずの肺 桜が散る散る目が回る。 夜更けに見るは、自分のこころ。 奥にね、ずっしり、横たわる。 まきびしまきびし、残る嫉妬。 見えない見えなくなる光。

      • 背筋を伸ばす立春の日

        ピンと張る。 いつもより少しだけ無理してみる。 背筋を伸ばして、前をみる。 目の奥に疲れを感じる。 大丈夫。まだやれる。目を瞑る。 少し口角を上げてみる。 大丈夫。まだ人を思いやれる。 深く息を吸ってみる。 肩の力を抜いてみる。 目に感情をのせてみる。 少し人に優しくしてみよう。 綺麗なあの人に声をかけてみよう。 桜のお菓子を買って帰ろう。あいつは喜ぶかな。 皆がこんな前向きな気持ちだったら、いいのに。 昨日より、コントロールできているみたいだ。

        • 心が泣いていても。

          どうしようもない朝に打ちひしがれながら、もう夜が刻々と近づくの。さざなみの音を聞きながら、心の痛みを味わうの。夢が破れても、自然は残酷にも、何もなかったかのようにそれを受け止めて。やがて闇と光のなかにくらませるの。 やましい気持ちも綺麗な気持ちも、関係なく。災いの前には平等の線がピンと張ってて。夕日もいつかは沈むし、人はいつか死ぬの。 死ぬときに、動物も植物も、何も意味はなく、 ただ時と輪廻をつなぐ存在として、お互いに同じ時代を生きたものとして。影響を残しながら消えていく

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          夜明け前

          殻の桜が散り乱れ 浮き世の色が滲むとき 子どもの声も赤く擦れ 知らずに進む夜電車 ラッパ鳴り響き羽音止む 灰はそのまま動かない 夕陽が添える橙も 知らないあの子は何処いった 寄る壁もない長い夜 次の境はいつになる 二三と辛苦を乗り越えて 我が子に託す末の先

          夜明け前

          血が出る感覚を。骨折る感覚を。

          ♪ 痛いって感覚は、日常から追い出された。 膝小僧を擦りむいた。 そんな痛みでさえ無くなって、 街は美味しさと気持ち良さで溢れてる。 もっと痛みがあっていいのに。 麻痺して、満足しかない生活。 刺激をとりに行こうじゃないか。 野蛮に、馬鹿に、なろうじゃないか。 人生に、鮮やかな赤い色が付く。 ♪

          血が出る感覚を。骨折る感覚を。

          老人の願い

          恵まれなかった。愚かだったし、劣ってもいた。 人と比べて落ち込んだり、結果が出ない時もたくさんあった。(5年も10年も我慢したが、自分のしたいような人生にはならなかった。) 外面と肩書きだけを求めて、トロフィーがたくさん欲しかった。(少し手に入っても、深い安心と眠りはいつまで経っても来ないままだった。) でも、一日一日を、自分の人生をより良く生きようと自分なりに必死だった。 ある時、母を幼い時に亡くした、高齢な方の言葉が、スッと胸に刺さった。 「(終生、学歴もなにも

          老人の願い

          咲いた咲いた

          なぜだろう。なぜ心が許さないのだろう。心のなかで染まった気持ちは抑えきれずに、咲いてしまう。人には理解されないような夢、赤いつぼみが手渡しされる途中、受け取れば気が触れてしまうことに気付いて身震いする。目を覚ます。そんな恐怖を感じている。 咲いた。咲いた。

          咲いた咲いた