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【感想】車輪の下

お疲れ様です。久しぶりに海外小説を読みました。

※この記事にはネタバレが含まれているため、ネタバレが嫌いな方にはお勧めしません。

今回読んだ小説は、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』です。なんとなく題名は聞いたことがあるような気がするものの、読んだことはありませんでした。


※今回は思いっ切りネタバレがあるので、まだ読んだことのない方はこの記事を読むのはお勧めしません。

そのため、読んだことのある方には、分かっていただける内容になっているかな、と思います。

この本を読んで感じたことというより、内容に触れたい部分があるので、どうしてもネタバレになってしまいます。

本書を好きかどうかで言ったら、私は好きな本です。

皆さんは、本を読んで好きかどうか決められる人ですか?

私が小説で、大抵好きだなと思う本は、読んですぐには好きだと感じられない本が多い気がします。

今回も、それに当てはまっていました。

読了後は、しばらく本書について考えており、その後で、うん好きだと思えました。

そもそも私はどういう本が好きなのか、という話になりますが、私に何らかの衝撃を与えたり考えるきっかけをくれたりする本が好きなことが多いような気がします。

『車輪の下』は、私に一種の衝撃を与えた本になりました。

本書は、とある少年の人生を描いた話です。誰が主人公になってもいいような、とある少年です。

ハンスという彼だからこそできた物語だと言われれば、ハンスがいないと成り立たないお話なのかもしれません。だけれども、たまたま彼がこの物語の主人公に選ばれたにすぎないのではないかと思いました。

彼が、神学校に進む試験を受けることになったのと同じように。彼が2番という成績で神学校に入学することが決まったように。


一つ気になったのが、裏表紙を見ると本書が著者であるヘッセの代表的自伝小説だと書かれていることです。

それでは、本書の物語の一部は実際にあったことなのでしょうか。

気になり調べてみました。すると、ヘッセは実際に神学校に入学し半年で退学したという旨が書かれていました。そしてその後は精神病院に入れられたとも。

そもそも神学校とは、何なのでしょう。

日本大百科全書によると、キリスト教の神学を教授し、教会の指導者(司祭、牧師、神学教師など)を養成するための学校だそうです。

ふーん、なるほどというかんじですね。ハンスの物語の世界では、神学校に入学できるのは優秀な学生のみだという話でした。


ハンスは、周りから神学校への入学が可能だと期待を負わされ、見事に入学を果たします。

それもそのはず、故郷の自然が大好きで、その中でも釣りが好きなハンスでしたが、それを我慢してまで勉学に勤しんでいましたから。

ところが、おおまかな内容は省きますが、ハンスは神学校にいられなくなり、故郷に戻ってくることになります。

何があったのかが重要なところかもしれませんが、気になる方は本書を読んで下さい。

その後の展開に驚きです。その時には残り数ページしか残っておらず、まさかと思いつつも読みましたが予想が当たりました。

読了後は、少しぼーっとしていました。でも、その後になぜか笑いたくなりました。

どういうパターンを考えてみても彼が死ぬ未来しか見えなかったから。

だけれど、ハンスの両親、故郷の人々、神学校の校長先生、そしてハンス自身もこの結末は誰も想像してなかったに違いない。

順調にゆくかのように見えたハンスの人生は終わった。


どうして、今の生活がこの先も続くと言えるのだろうか。

人生は想像もしないことの連続だとうけれど、毎日を同じように過ごしていて、明日もきっと変わりはしない日常だろうと考えてあなたは眠りにつきますか?

きっと明日には死にますよ。という縁起悪い冗談は置いといて。

本書は、報われない小説だとのように捉われることが多いのかもしれない。

だけれど、私は本書の中で幸せを見つけることができた。もっとも、ハンス自身はそれには気づいていないと思う。

この本書の中において特に幸せとは、あとになって気が付くか、それとも他人が気が付くかだと思う。

自分でも、幸せだと感じることはもちろんある。だけれど、その想いは時間と共にすぐに過ぎ去ってしまう。

幸せは待ってはくれない。過去のものになっていく。

現在進行形で、ずっと幸せを感じることがない限り、幸せは過去に存在しているのだと思う。

一体、ハンスの悲劇の人生の中で何が幸せだったというのか。

それについては私は答えたくはない。だけれど、幸せは案外近くに潜んでいて、当たり前に隠れて見えにくくなっているだけだと私は思う。


さてさて、日々の中でも幸せを見つけて楽しめる人生を送っていきたいですな。

変な口調になりましたが、まだ21歳です。でもこれからは歳を取るのはあっという間だと聞くので、どんなものやら。


ここまで読んでくださりありがとうございました。
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