記事一覧

貧乏な性

お湯が沸いた。 マグカップにインスタントコーヒーを入れる。 さて、お湯はどれくらいが適切か。 たしか箱には書いてあった気がする。 150mlだったか200mlだったか。 でも…

水羊羹
2か月前
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「大成功」な人生の教訓

やりたい仕事、趣味を超えるレベルの趣味、大学時代からの付き合いの妻、成人した子どもと孫。広く存在が知られ、すごいと思われるその存在感。 そんな「大成功」な人生を…

水羊羹
1年前

反復横跳び少女

「タタ、タタ」 そんな音が聞こえて来そうな俊敏な動きをする少女。時刻は朝七時前である。 この冬の時期、曇天ばかりを見上げて来たこの街の人々にとって、久しぶりのお…

水羊羹
2年前
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お手紙

最近自分が変わってきているなと感じることがあって、ぜひ聴いていただきたいと思って、お手紙を書いています。少しお付き合いいただけると嬉しいです。 昨年末からこれま…

水羊羹
2年前
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使い古しの言葉

例えば愛の言葉。 大人になればなるほど、好きになった人や大切な人がいればいただけ、愛を伝えたことがあるかもしれない。 伝える手段の多くは言葉だから、愛の言葉を使…

水羊羹
3年前
2

わたしが批判したいものは、すべてわたしの中にある。

水羊羹
3年前

最後のラブレターを書くために、どれだけの本を読んだらいいんだろう。どれだけの言葉を借りれば、言いたいことが言えるだろう、伝わるだろう

水羊羹
3年前
3

「大丈夫だよ」と言ってあげられる人になる

ずっと前に立てた人生の目標の一つに、 だれかに「大丈夫だよ」と言ってあげられる人になる というのがある。 背中を支えてくれるような、安心できるような存在になりた…

水羊羹
3年前
2

自分の感覚通りの言葉をつかう

言葉はその人となりを表すものだと思う。 好きだと思う言葉をつかう人のことは、より理解できるんじゃないか。 何か言いたい時に、そのことをどんな言葉で表現するか? …

水羊羹
3年前
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髪は縛るんじゃなく結えるもの 君の茶髪が揺れる

水羊羹
3年前

がらくたのはなし

しいたけ.さんの占いが大好きで、よく読んでいる。わたしはあまり占いを信じないし、「わたしが決めますんで。」と思うことが多いけれど、しいたけさんの占いを読むのは好…

水羊羹
4年前
2

入れ込むくせ

映画、本、マンガ、アニメその他。そういうものに気持ちをものすごく持っていかれる。そのことで頭がいっぱいになって、あっさり泣いてしまう。それが楽しい時もあれば、ど…

水羊羹
4年前
4

水羊羹
4年前
4

財産だと思う出会い

わたしなんかより、あなたが先生になって教えてほしい。そもそも、あなたか言ったんじゃないの、「一緒に先生になるんだよ」って。素敵な大人がたくさんいる。次世代に種を…

水羊羹
4年前
2

心が優しい人に向けて

優しくて、誰かのために心を砕くから疲れてしまう。泣いてしまう。もう無理と思うところまで追い詰められてしまう。友人の自転車乗りはそういう感じの人だ。 そうやって、…

水羊羹
4年前

自分1人じゃ持ちきれない荷物を、周りの人に持ってもらう。そして誰かの荷物なら喜んで持てる。人間関係ってそうなっているのかなと思う。持ってくれてありがとう。

水羊羹
4年前
貧乏な性

貧乏な性

お湯が沸いた。
マグカップにインスタントコーヒーを入れる。
さて、お湯はどれくらいが適切か。
たしか箱には書いてあった気がする。
150mlだったか200mlだったか。
でもそんなことは気にしない。
見た感じ、おいしそうならよいのだ。
コーヒーは飲むまでにピークを迎えるのだから。
これくらいかな、
いや、もう少し…
マグは深い藍色。
底は見えない。
薄いのは飲みたくないな。
でもこれじゃあ少ないか

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「大成功」な人生の教訓

「大成功」な人生の教訓

やりたい仕事、趣味を超えるレベルの趣味、大学時代からの付き合いの妻、成人した子どもと孫。広く存在が知られ、すごいと思われるその存在感。

そんな「大成功」な人生を送っているように見える人生の先輩に、疲れ切った後輩は突拍子もない質問をした。
「絶望したこととかって、あるんですか?」
先輩は答える。
「そこまでは…ないかなあ。」
我々はそれをきいて、軽い絶望を、というより人間の質の違いや越えられない壁

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反復横跳び少女

反復横跳び少女

「タタ、タタ」
そんな音が聞こえて来そうな俊敏な動きをする少女。時刻は朝七時前である。

この冬の時期、曇天ばかりを見上げて来たこの街の人々にとって、久しぶりのお天道様が顔を覗かせた朝、少女はなぜか反復横跳びをしていた。

気になるのはその様子である。場所は駐車場だから、そこまでおかしな話ではない。でも何かおかしい。そう、少女が跳んでいるのは今降りたようにドアの開いた運転席側なのである。そばには中

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お手紙

お手紙

最近自分が変わってきているなと感じることがあって、ぜひ聴いていただきたいと思って、お手紙を書いています。少しお付き合いいただけると嬉しいです。

昨年末からこれまで、いろんな人との出会いがありました。古くからの友だちとまたいろんなことを話せるようになったり(これは再会でしょうか?)、すてきだなと思う人に出会えたり、辺鄙な田舎にいますがそれでも世界って広がるんだなと嬉しくなっています。人と出会うと自

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使い古しの言葉

使い古しの言葉

例えば愛の言葉。

大人になればなるほど、好きになった人や大切な人がいればいただけ、愛を伝えたことがあるかもしれない。

伝える手段の多くは言葉だから、愛の言葉を使って伝えるだろう。「君のことが好きなんだ」と。

そうしたら、その愛の言葉は何度も使われていく。表現は少しずつ違うかもしれないけれど、人のメンタリティなどすぐには変わらないから、きっと似たような言葉になるだろう。

対象は違う。

でも

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わたしが批判したいものは、すべてわたしの中にある。

最後のラブレターを書くために、どれだけの本を読んだらいいんだろう。どれだけの言葉を借りれば、言いたいことが言えるだろう、伝わるだろう

「大丈夫だよ」と言ってあげられる人になる

「大丈夫だよ」と言ってあげられる人になる

ずっと前に立てた人生の目標の一つに、

だれかに「大丈夫だよ」と言ってあげられる人になる

というのがある。

背中を支えてくれるような、安心できるような存在になりたい、というのがこの目標に込めた想いだった気がする。

なんでこんな言葉が、自分から出てきたのか覚えていなかったのだけれど、よく聞くバンドの歌詞に原点がありそうだぞと気づいた。

歌詞の解釈は人それぞれだということを念頭に置きつつ、歌詞

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自分の感覚通りの言葉をつかう

自分の感覚通りの言葉をつかう

言葉はその人となりを表すものだと思う。

好きだと思う言葉をつかう人のことは、より理解できるんじゃないか。

何か言いたい時に、そのことをどんな言葉で表現するか?

自分の感覚通りの言葉を選んだ時、理解されないことは多かった。特別な感性を持ち合わせているのではない。ちょっとまどろっこしい表現が好きなだけかもしれない。

でも言いたかった。

言葉を変えてしまったら、嘘をついているような気がしてしま

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髪は縛るんじゃなく結えるもの 君の茶髪が揺れる

がらくたのはなし

がらくたのはなし

しいたけ.さんの占いが大好きで、よく読んでいる。わたしはあまり占いを信じないし、「わたしが決めますんで。」と思うことが多いけれど、しいたけさんの占いを読むのは好きだなあと思う。なんでかなと考えてみると、わたしは彼の紡ぐ言葉が好きなんだなと分かった。結果の占いじゃなくて、過程の占いのような感じ。

しいたけ.さんの言葉の中に「がらくたを大切にする」というような話があって、その言葉がずっと引っかかって

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入れ込むくせ

入れ込むくせ

映画、本、マンガ、アニメその他。そういうものに気持ちをものすごく持っていかれる。そのことで頭がいっぱいになって、あっさり泣いてしまう。それが楽しい時もあれば、どうしようもなくつらいときもある。

その、辛い方の話。

とても好きな二人組がいる。話がおもしろくて、頭が良くて、テンポの良い掛け合いは地獄を歩いていたわたしを助けてくれた。二人の笑い声がいつだって癒しだった。

その二人組は、長いこと友だ

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財産だと思う出会い

財産だと思う出会い

わたしなんかより、あなたが先生になって教えてほしい。そもそも、あなたか言ったんじゃないの、「一緒に先生になるんだよ」って。素敵な大人がたくさんいる。次世代に種を撒くつもりで、ねえ、先生になって。わたしは、もしわたしみたいなのがいたらきっとあなたに救って欲しい。それくらい、大きな出会いだったのだから。

教育学部にいたから、周りは先生になりたい人ばかりだった。なんで先生なんかなりたいんだと思って、随

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心が優しい人に向けて

心が優しい人に向けて

優しくて、誰かのために心を砕くから疲れてしまう。泣いてしまう。もう無理と思うところまで追い詰められてしまう。友人の自転車乗りはそういう感じの人だ。

そうやって、誰かのために擦り切れる人のために、どこまでも甘やかしてくれる空間とあったかい布団があればいいのにと思う。甘やかすって、言葉はあまりいい意味で使われないけれど、とことん許してもらえるのは大事な事だと思う。ちょっと前を向けたり、深い呼吸ができ

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自分1人じゃ持ちきれない荷物を、周りの人に持ってもらう。そして誰かの荷物なら喜んで持てる。人間関係ってそうなっているのかなと思う。持ってくれてありがとう。