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オー・ヘンリー「賢者の贈り物」

こんにちは。
「賢者の贈り物」この話を初めて知ったのは、中高生くらいの頃だった、気がします。最近、誕プレで文鳥文庫から出版されている十数ページから構成されたこの本を頂きました。この文鳥文庫という存在もこの時初めて知りました。ありがたや。他にもいろいろなお話が発売されているようなので、魅力的です。多くは日本文学がメインなので、興味のあるものがあれば、ぜひ手に取ってみて頂ければ幸いです。
タイトルを見た時はぴんと来ませんでしたが、内容を読んでいて「覚えがある」というのと「懐かしい」というのが湧いてきました。ちゃんと思い出して、読めました。

冬の、イヴの話なのでディケンズの「クリスマスキャロル」と同じくらいかなり定番の物語だったかなという気がします。皆さんは読んだ事あるでしょうか?知ってる方、思ったご感想などあったら、コメントでよければお聞かせください。好みも分かれて面白いかもしれません。
久々に所持しているものを読み直すというのをしたら、たまたまタイミングがクリスマスに重なったので、noteに記録しておこうかなと浮かびました。

この話の主役がなんとも仲睦まじいご夫婦様です。誠に結構なことです。
旦那さんジルは父親から譲り受けた時計を、妻デルは美しい綺麗な長い髪を持ち合わせていました。(地に着くくらい長いんですからかなりのものです)けれども、大変貧しい暮らしをしておりました。翌日はクリスマス。話の視点は妻が軸になっています。どう喜んでもらおうか悩んでいました。さて、どのような決断をするでしょうか。というお話です。テーマも素敵ですし、これの仕組みを知ると「あー!」ってなるかもしれません。私はなりました。お話の構造もまた賢いです。読み方や受け取り方で様々な物が彷彿とさせられるところがあっていいなと個人的に思っています。
この贈り物の発想、どこか「アストリッドとラファエル」を思わせてくれるところがありました。もしかして、この古典からのオマージュだったのかなという些細な疑問が湧いてきました。意外な関連かもしれません。あのプレゼントし合の意味も大変素敵だなと思っています。
「貴方は私の指ぬき。(私が傷つかないように守ってくれるもの)」
「貴方は私のコンパス(羅針盤)(私を指ぬき(磁石のある方向に即ち真実)に導いてくれるもの」
意味わかると格好良すぎませんか?発想に脱帽して、そのまま撃沈しました。

贈り物、たった一人の一番大事な人に贈るなら何が最良になるのかってどんな設問よりも難しい問題ではないでしょうか。一個、何かを贈るのだって当時にしてみれば相当のことです。欲しいものあげたらいいじゃんと思いますか?そういうものじゃないのって思いますか?
私個人としては、正直、どんなに高いものでもそれって空しくない?って思います。普段はどうか知りません、場合によりけりということもあるでしょう。ただ、一番大切な一人の相手に何かを特別な物を贈ってもいいとなった一日と仮定しましょう。
そんな貴重な一日に、これ欲しがってたでしょうあげるわーみたいなゴミでも放り捨てる雰囲気で、ブランドであったり高価なドレスや宝石であったり、趣味のものであったりを貰ったとしましょう。嬉しいでしょうか?一時的には嬉しいかもしれませんが、長い目で見た時それって喜ばしいでしょうか?この夫婦の行き着いた「答え」は本当に賢者だなと感動します。

余談です。
「一ドル八十七セント。それで全部だった。」髪を売る前に妻デラ(文鳥文庫では表記はデルとなっています)が所持していた金額になります。換算したらいくらとなるのか調べてみました。その年の100円に対する為替相場は、最高497/8ドル、最低491/8ドルだそうです。これを平均すると49ドル50セントで、このことから1ドル87セントは、約3円77銭程度。*このレファレンスは最後にリンクを貼っておきます。
ちなみに、凡そですが、明治の1円は約2万円くらいだったとされていました。なので、5,6万程度となります。
ではこれが皆さんの全財産であったとして、一つ手持ちの高価なものがあったとしましょう。それらをどうしますか。

皆さんも素敵な日を大切にお過ごしになれますように。
ここまでお読みいただきありがとうございます。


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