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おむすび通信 #4 イヴ・クラインの青と無限性 (青柿将大)
#4 担当の青柿です。共通テーマが「NODUS旗揚げ公演の振り返り」ということで、果たしてどこまで需要があるのか不明ですが拙作「プリペアド・チェロのための《アントロポメ…
クロード・ドビュッシー 「ハイドンを讃えて」(1909)
作曲家 クロード・ドビュッシーについてクロード・ドビュッシーは1862年8月、パリの西部であるサン=ジェルマン=アン=レーにて陶器屋の父と裁縫師の母の間に生まれた。
いわゆる「印象主義」を代表する作曲家として知られており、調性音楽のスケールを使用しながらもその枠にとらわれない新しい響きを切り開いた。その功績は、フランスの現代音楽を牽引したブーレーズから再評価されており、またさらに特筆すべき事として
シャルル=マリー・ヴィドール 「ハイドンの名によるフーガ」(1909)
作曲家 シャルル=マリー・ヴィドールについてシャルル=マリー・ヴィドールは1844年2月にフランスのリヨンにてオルガニストの父と発明家の母の間で生まれた。チャイコフスキーと同世代であり、1909年の「ハイドンの名による」作品の作曲家の中で最も高齢である。
ヴィドールは超絶技巧のオルガニストとして知られており、今日では全十曲あるオルガン交響曲が代表的な作品として知られている。その作風はシューマンやメ
辻田絢菜「ハイドンのおまじない」(2022)
作品概要「名前の綴りを音に置き換える」という古くから使われてきた手法について、実際に響く音と文字との関連性について昔から少しだけ疑問に思う部分がありました。そこでこの二つの点について自分なりの結びつきを見つけたいと思ったのが今回の作品のアイデアの発端になりました。
話は変わりますが、昨年魔女をモチーフにしたファッションブランドのショップに伺う機会があり、現代魔女の思想や、魔女に伴う文化についてと
ヴァンサン・ダンディ「ハイドンの名によるメヌエット」(1909)
作曲家 ヴァンサン・ダンディについて
ヴァンサン•ダンディは1851年3月に生まれたフランスの作曲家である。君主主義で反ユダヤ主義などの過激な政治的思想でも知られていた彼はしばしばその偏見によって悪く評価されてしまう事があるが、しかし今日では型破りな手法を表現手段に用いる「脱構築者」として肯定的な評価を得ており、教師としてもサティ、ルーセル、マルティヌーなど後の音楽界に影響を与える作曲家を門下に
増田達斗「夢の中のハイドン」(2022)
曲名の由来シュルレアリスムの絵画が好きでして、昔から大変馴染み深い作曲家の一人であるハイドンを、そんな絵画のように登場させられたら面白いだろうな、という思いから当作品を書きました。もっともここでは”ハイドンの音名象徴”ですが。
シュルレアリスム=超現実主義の大きな流れの一つに”デペイズマン”という概念があります。本作「夢の中のハイドン」を構成するにあたりこれは重要な発想の源であったため、楽曲分析
ポール・デュカス 「ハイドンの名による悲歌的前奏曲」(1909)
作曲家 ポール・デュカスについてポール・デュカスは1865年10月にパリに生まれた。性格は寡黙で完璧主義、自分に大変厳しくそれゆえ自作品の多くを自らの手で破棄してしまい、現存する彼の作品はかなり限られている。作曲や評論のほか、後年は母校であるパリ音楽院やエコール・ノルマルで教鞭も執り、弟子にはオリヴィエ・メシアンなどがいる。代表作は「魔法使いの弟子」「アリアーヌと青ひげ」「ピアノソナタ」など。
石川潤 「薄められていくハイドン」(2022)
概要 〜 ハイドン音列の消失この作品はハイドンの音列に固執しながら溶解していく過程を描いた音楽である。
ハイドンの音列だったものはさながら浴槽に投げ込まれた砂糖玉のように、
面影を失い、自我を消失させていく。
それはまるで、咀嚼と消化の過程のようである。
十二音技法による自我の喪失この作品は十二音技法を「自我の喪失」の効果として用いている。
十二音技法は、ドからシまでのオクターブ内の十二音を、一
おむすび通信 #7 特別インタビュー 〜 湯川紘恵(指揮)中江早希(ソプラノ)両氏を迎えて (2/2)
おむすび通信 第1シーズンを締めくくる#6、#7では、《NODUS vol.1 -失われた響きを求めて-》にご出演頂いた指揮の湯川紘恵さんとソプラノの中江早希さんを特別ゲストとしてお呼びしました。
本記事はお二人とNODUSメンバー5名で2020年7月5日に行ったオンライン対談を元に書き起こしたものです。
前半はこちら
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中江さん:皆さんの曲の順番ていうのは何か意図が