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うつ病の考えられる原因。

うつ病の原因は、環境要因、性格要因などが絡み合い、最終的に生物化学的要因が生じることから発症すると考えられています。

①環境要因

 人生上の大きな出来事(ライフイベント)、例えば、大切な人との死別や離別、仕事上の大きな失敗や失職などは、うつ病の誘因とされています。同時に、ネガティブな出来事だけでなく、昇進や結婚、子どもが生まれた、家の購入など、一見ポジティブな出来事でも、うつ病のリスクを高めることもあります。

②性格要因

 うつ病になりやすい性格傾向として、メランコリー親和型性格※が認められてきました。特徴として、秩序を重んじる、他人に気を遣う、頼まれると拒否できない、真面目、責任感が強い、仕事熱心、過度に良心的・小心、消極的・保守的、などが挙げられます。
 また、近年注目されている、いわゆる新型うつ病※※では、自己愛的、依存的、他罰的、欲求不満耐性が低い、など、従来とは異なる性格傾向を持つといわれています。

※メランコリー親和型性格

 ・几帳面な性格
 …完璧主義
 … 真面目
 … 細かいことが気になる
 … 几帳面
 … 責任感が強い

 ・他者配慮性が強い
 …人に嫌われたくない
  (他者評価を気にする)
 …人に頼みごとができない
 …人に頼まれたら断れない
 …自分の意見を言えない
  (争いたくない)

 ・道徳観が強い
 …正義感が強い

※※新型うつ病
…医学的な根拠はないとされ、パーソナリティ障害とする研究者もいる

③生物化学的要因

 脳内の神経と神経をつなぐ「神経伝達物質」といわれる物質が、うまく機能しなくなり、神経の伝達を低下させることで、うつ症状を呈します。うつ病の根本的な原因は、脳の機能的変化にあるとするのが「モノアミン仮説※※※」で、これらの神経伝達物質は、うつ病との関連が強いことが知られています。

・セロトニンの低下
 ⇒不安感、焦燥感、イライラ感

・ノルアドレナリンの低下
 ⇒意欲低下

・ドーパミンの低下
 ⇒興味・喜びの低下

※※※モノアミン仮説

…うつ病が起きるメカニズムには、いくつかの仮説が提唱されていますが、その代表的なものが、モノアミン仮説です。これは、脳内の神経と神経との間をつなぐ、セロトニンやノルアドレナリンといった気分に関係する神経伝達物質(モノアミン)の低下が起こっているため、神経の伝達が低下し、うつ症状を呈する、という説です。現在使用されている抗うつ薬の多くは、このモノアミン仮説を元に開発されてきましたが、うつ病が起こるメカニズムは、いまだ明らかになっていません。

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