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第39回 マーフィーふたたび
私は行列に並ぶこと、順番待ちをすることが大嫌いだ。根がせっかちなので待つことがとにかく苦痛なのだ。しかし大勢の人が暮らす社会の中で、何も待たずに生きていくには野蛮になるしかない。野蛮にはなりたくないので待つシチュエーションはできる限り避け、それでも避けられない時はひたすら耐えて待っているが、5分以上待っているとイライラしてくる。
そういう性分も関係しているのだろうが、私が並ぶ列に限って、前の人
過去の私、未来の彼女
高校生の頃、何となく友達になれそうだと思っていたのに、結局仲良くなれずに終わってしまった同級生がいた。
彼女は違うクラスだったけど英語の授業の時だけ隣の席になる子で(英語はいつものクラスではなく学力別に分けられたメンバーでの授業だった)、野球部のマネージャーで、学年でも有名な美少女だった。授業中に事務的に交わす会話で何となく気が合うような感覚はあったが、住む世界が違いすぎて、必要以上に踏み込むこと
i♡Pod Part8
「上質な音楽に美味いコーヒーが似合うように、上質なポッドキャストにも美味いコーヒーが似合う」が持論の小生が、お気に入りのポッドキャスト番組を紹介する本シリーズも、はや第8回を迎えることとなった。ここ最近は下界での仕事に追われ、第7回からだいぶん時間が経ってしまったが、久しぶりに我が家の書斎の机で檜の香りを存分に吸い込むと、都会の喧騒も忘れ、本来の自分を取り戻せたような気がする。
前置きはこの辺
絶望、あるいは夏の思い出
小生は京都の大学で量子力学を研究する大学院生、所謂ポスドクである。大学院生で一人称が小生というのは些かおじさん臭いと読者諸君はお思いになるだろうが、もうすぐ三十路、近所の悪餓鬼どもには「おじさん」と揶揄されるし、昔の三十は既におじさん扱いされていたと思うので、ご容赦願いたい。
さて今回は、この春から夏にかけて小生の身に起こったことを書き連ねていく。どうしても小生だけでは抱えきれず、どこかに吐き