月丘菜奈

街での発見、 小さな日々の想いを 書き留めていきます。 古い建物が好き 昭和のグッズが…

月丘菜奈

街での発見、 小さな日々の想いを 書き留めていきます。 古い建物が好き 昭和のグッズが好き 音楽や芝居が好き カフェのご飯が好き そんな好きを綴ります。

記事一覧

百日紅

百日紅は、夏の桜なのだと聞いた。 真夏なのに、桜のような柔らかな桃色に 蚊取線香の香りが漂ってくるような あの日の縁側に戻れるような そんな気がする。 夏の空は…

月丘菜奈
1年前
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黄金の夕暮れ

空が暗かった。 それなのに、あたり一面の建物が 黄金色に光っていた。 それは、おもちゃのように華奢で、 おとぎの国のように豪華で この世のものではないような そ…

月丘菜奈
1年前
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領域拡大 

Psycho le cemu のLive Tour「RESISTANCE~領域拡大~」 HEAVEN’S ROCK宇都宮VJ–4へ行ってきた。 久しぶりのスタンディングLIVE 爆音と、 サイリウムの光が揺れるたび …

月丘菜奈
1年前

新宿眼科画廊

久しぶりに芝居を観た。 劇団 喜劇のヒロイン  新宿遊歩道公演「仕事中御免」 若いパワーの交錯が眩しい。 仕事って何? 生きるって何のため?  死ぬってどんな意味?…

月丘菜奈
1年前

東京倶楽部

「あの日に帰りたい」 あの日に 帰れたら いいのにね

月丘菜奈
1年前

悲しくなるもの

道に落ちてる小さな赤ちゃんの靴下のかたっぽ 公園の垣根の下に隠してあるゴムボール 雨に濡れた青い三輪車 毛糸のボンボンが付いた小さい三角帽子 夜道を走るロードス…

月丘菜奈
1年前

見送り

あの日、カフェを出てから 笑顔のひよりが、じゃあね、と、駅へと歩き出した。 駅の方向にくるりと勢いよく向いたひよりの長い髪が、揺れて半回転した。 それからだんだ…

月丘菜奈
1年前

地元

中学2年生まで父の仕事のの都合で各地を転居してばかりだったから、 故郷と呼べるところが無い。 だから結局一番長く住んでいるこの街が、 私のふるさと。 若者たちは…

月丘菜奈
1年前

BIG WAVE

幼い頃の想い出は、口の中に飴玉を放りこんだよう。 甘く懐かしく丸く優しく、溶け出す香りの中に、 苦い何かが混ざっていて 苦いとこだけを吐き出そうとしても、そうは…

月丘菜奈
1年前

七夕のゆうべ

七夕の短冊は、 いつだって、人々の吐息でできていて 風に揺れる願い事を見ていると せつなくて胸が苦しい。 「かよちゃんが回復しますように!」 夏の夕焼けの向こう…

月丘菜奈
1年前

突き抜ける青い空

めざましのアラーム音を、 KAT-TUNの「僕らの街で」にしてみた。 イントロで目が覚めて、そのとき少しだけ泣きそうになる。 本当は声をあげて泣きたいことばかりなんだけ…

月丘菜奈
1年前
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僕らの街で

月丘菜奈
1年前
百日紅

百日紅

百日紅は、夏の桜なのだと聞いた。

真夏なのに、桜のような柔らかな桃色に

蚊取線香の香りが漂ってくるような

あの日の縁側に戻れるような

そんな気がする。

夏の空は澄みきっていて、涙が出るほどの青さ。

時代が巡って、もう戻れないところまで来てしまった。

いったい今から何ができるのだろう。

人生の最終章。

それなのに、

思い通りにならない日々と

こんなはずじゃなかったのに、という後

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黄金の夕暮れ

黄金の夕暮れ

空が暗かった。

それなのに、あたり一面の建物が

黄金色に光っていた。

それは、おもちゃのように華奢で、

おとぎの国のように豪華で

この世のものではないような

そんな風景。

たそがれ、と入れると、「黄昏」に自動変換になるんだね。

黄金の夕暮れ時だから、たそがれ、と呼ぶのだろうか。

友人の訃報、親戚の重病、知人の危篤...........

人生のたそがれ時は、なぜにこんなにも哀しい

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領域拡大 

領域拡大 

Psycho le cemu のLive
Tour「RESISTANCE~領域拡大~」
HEAVEN’S ROCK宇都宮VJ–4へ行ってきた。

久しぶりのスタンディングLIVE

爆音と、
サイリウムの光が揺れるたび
テンションが、あがっていく。

Psycho le cemu に、心救われた夜でした。

ありがとう、音楽
ありがとう Psycho le cemu

そして、美味しいニラ蕎麦、レ

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新宿眼科画廊

新宿眼科画廊

久しぶりに芝居を観た。
劇団 喜劇のヒロイン 
新宿遊歩道公演「仕事中御免」

若いパワーの交錯が眩しい。

仕事って何?
生きるって何のため? 
死ぬってどんな意味?

考えてたら、ふと涙が出そうだった。

終演後、客出しのスタッフさんの笑顔が嬉しくて、それもまた泣きそうになった。

こういう裏道、とても好き。
この落書きを眺めながら、さっきの芝居に出て来た地獄について、考えこんでしまう。

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悲しくなるもの

悲しくなるもの

道に落ちてる小さな赤ちゃんの靴下のかたっぽ

公園の垣根の下に隠してあるゴムボール

雨に濡れた青い三輪車

毛糸のボンボンが付いた小さい三角帽子

夜道を走るロードスイーパー

都電の踏切の警告音

雨の音と、水色の90センチのレインコート

歩くとピカピカ踵が光る18センチのスニーカー

キルティングのレッスンバック

きかんしゃトーマスの主題歌

ごめんね、本当にごめんね、もう、戻れないのに

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見送り

見送り

あの日、カフェを出てから
笑顔のひよりが、じゃあね、と、駅へと歩き出した。

駅の方向にくるりと勢いよく向いたひよりの長い髪が、揺れて半回転した。

それからだんだん小さくなっていく後ろ姿を私は見送りながら

あぁ、もしかしたら、この子と、もうすぐ会えなくなる日が来るのかもしれない、でも、なにがあってもこの後ろ姿だけは忘れないな、

って、そう思ったんだよ。

もしも生まれ変わって、何百人、何千人

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地元

地元

中学2年生まで父の仕事のの都合で各地を転居してばかりだったから、

故郷と呼べるところが無い。

だから結局一番長く住んでいるこの街が、

私のふるさと。

若者たちは、生まれ育った故郷のことを「地元」と呼ぶ。

地元....しっくりくる言葉、そう、私の地元。

この街で、たくさんの人とのふれあいがあって、数えきれないほどのできごとがあって、

それが今では、全部が想い出。

何年も何年もの間に、

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BIG WAVE

BIG WAVE

幼い頃の想い出は、口の中に飴玉を放りこんだよう。

甘く懐かしく丸く優しく、溶け出す香りの中に、

苦い何かが混ざっていて

苦いとこだけを吐き出そうとしても、そうはいかない。

今の私なら、

おとなたちのそれぞれの複雑な感情にも、過ちにも、いきすぎた思いにも、

少しは寄り添えたかもしれないけれど

子どもだった私には、どうやったって無理だった。

ラジオから流れてくる音楽はいつも昭和っぽい音

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七夕のゆうべ

七夕のゆうべ

七夕の短冊は、

いつだって、人々の吐息でできていて

風に揺れる願い事を見ていると

せつなくて胸が苦しい。

「かよちゃんが回復しますように!」

夏の夕焼けの向こうが、きっと、サンフランシスコ

突き抜ける青い空

突き抜ける青い空

めざましのアラーム音を、
KAT-TUNの「僕らの街で」にしてみた。

イントロで目が覚めて、そのとき少しだけ泣きそうになる。
本当は声をあげて泣きたいことばかりなんだけど、
泣けないまま
シャワーを浴びて、
歯を磨いて、
支度して、
サプリメント飲んで、
薄くメイクして、仕事に出かける。

こんなにも暑いから、よけい涙なんか出ない。
僕らの街で、出会った2人が、今も幸せだといいな。

でもなぜ、

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