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【読書メモ】学園ミステリー『ガラスの天使』作:田中雅美(集英社文庫 コバルトシリーズ)

先日から、昭和60年代の少女小説と少女漫画がマイブーム。
昭和60年代って…4年しか無いですね。
西暦だと1985年~1989年。

今回もそんなニッチな読書記録です。

年代を問わず「学園ミステリー」というジャンルが一番好き ↓

約30年ぶりに「ティーンズ・ハート文庫」を手にした自分 ↑ 
次は懐かしの「コバルト文庫」も再び手に取ってみたくなり、
ネットでポチっと衝動買いしたのが今回のノベル。

完全にジャケット買い。表紙の絵が美しい~!
古い本ですがそんなに傷んでない良品。

あらすじなど読まずに買ってしまい、届いてから気づいた。

「これ、お嬢様高校ものか~」

名門女子校に入学し、胸おどらせれていた真紀。
ところが、学園では次々と異様な出来事が。
箱庭からとびだせないお嬢さまたちの
かかえていた意外なこわれものとは…。

<表紙帯のあらすじより引用>

コバルト文庫の名門女子高校ものといえば「マリみて」でしょうか。
『マリア様がみてる』という大人気シリーズ。
流行ってた当時、友人が推してて何冊も貸してきたので読んだがハマれず。

そんな記憶を思い出しつつ読んでみました『ガラスの天使』。
特に百合っぽい雰囲気は無く。主人公の恋愛要素はほぼゼロ

夜の学校での「学校の怪談」風な出来事がまずあり、
所属するテニス部の紹介。偏差値高めのお嬢様学校なのに
更衣室はとても狭いのなんでだろう。
(後々、着替え中に先輩のペンを持ってきてしまう描写の為かな)

その後、「スケバン」が登場!80年代の不良です。スカート長そう。
なんと!音楽室でスケバンが後輩をバイオリンでボコボコにします
破壊されるバイオリン、折られる弦と弓!めっちゃバイオレンス。

音楽室での暴力行為の前のシーンでも、校舎裏で別の女子生徒が
殴る蹴るされる事件があり、そちらの犯人は不明。

お綺麗なお嬢様学校の儚い空気感の物語かと思いきや
暴力描写が多くて驚きました。被害者は流血&痣だらけ。。
主人公と友人は事件を追ううちに意外な犯人を知る…という流れ。

とにかくこの不良女子生徒の荒れっぷりが恐怖です。
しかも真っ赤なバイクを走らせてる。絶対に目を合わせたくない!
80年代の社会問題…荒ぶる若者たち…校内暴力あたりまえ?!

90年代初頭に中高生だった自分の周りにはそんな生徒は居なかった。
絶滅したのでしょうか。
隣のクラスの担任はよく、長い定規で体罰してて「ヤンキー先生」と呼ばれてたくらい。今そんなことしたら大問題になるやつ

読んでいてもいまいち人物イメージが浮かばないのでとりあえず、
よく見てたドラマ『ヤヌスの鏡』の杉浦幸を思い出す(笑)

結局、直接的な暴力行為はしてなくても、恐喝で人を操っていた女子生徒たちの正体を主人公が暴くのですが、なんでかそんな犯人女子と仲良しこよしのまま謎の連帯感で大団円となる。ちょっとモヤモヤ。
壊れやすい心を持ってる少女には多少の闇はあるよネ♡ってことかーい。
対象読者の年齢層を考えると、こういうまとめ方でちょうどいいのかなと。

~~~

今回一番テンションが上がったのがデザイン全体と巻末ページ!

このブルー色とマーク懐かしいよ~
にっこりした女の子のマークも。これよこれ。
「今月の新刊」ラインナップもアツい。
藤本ひとみ先生が大好きでした。

巻末数ページの既刊タイトル紹介を見てるだけでも興味深い。
気になるのはまず、『愛の A B C D 』でしょ。キャッ♡
『スターライト☆だんでい』←ダンディ?真ん中の☆に80年代を感じる

・・・まだまだ語りたいですが今回はこの辺で止めますね。
少女小説はひきつづき読んでみようと思いました。

※あと、本のソムリエみたいな人に面白い「学園ミステリー」聞きたい
自分がパッと思いついたのはこちら ↓


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