窓際三等兵
記事一覧
Twitterデトックス
トイレで何の気なしにスマホを取り出し、おもむろにTwitterを開いた。そこではいつも通り誰かが誰かを晒していて、いつも通り新聞記者や人文系の学者が馬鹿なことを言っていて、いつも通り怒りや嫉妬などの卑しい心情を催す投稿が並んでいた。当然、その一員としてタイムラインの話題に飛びつき、日常運転で人を小馬鹿にするような投稿をネットの海に放流した。
いつもと違ったのは、そこが自宅ではなく、大自然の中にあ
書評:地図と拳(小川哲)
とにかく、重厚な本である。600ページを超える辞書のようなぶ厚さもさることながら、満州という人造国家の胎動から崩壊までをロシア、中国、日本の立場からそれぞれ描くというその胆力は読者に強い圧を与え、読了後はある種の達成感があった。
読了感という意味では本屋大賞を受賞した「同志少女よ、敵を撃て」に近いものを感じたが、同士少女がセラフィマという一人の少女の成長を通じて歴史をなぞっていく筋書きだったのに
世界で一つだけのシャブ
あとがき
先日、某大手JTCに務めるエリサーの友人と飲んでいた所、
「普通に生きていくの、キッツいわ」
という話になった。
端から見ると、彼は誰もが知っているような大手企業に務め、順調に出世し年収は1000万円オーバー。美人な専業主婦の妻と子供2人を抱え、順風満帆な人生に見える。それでも、本人曰くそういうことではないらしい。
児童手当は所得制限に引っかかり満額もらえず、子供の教育費はかさみ、
書評:喰う寝るふたり住むふたり(日暮キノコ)
Twitterで4℃やサイゼや全裸中年男性と並び一大ジャンルとして確立されているのが、配偶者の悪口だろう。タイムラインを開けば、男女問わず配偶者がいかに駄目かを力説する投稿が流れ、家事育児に非協力的な旦那を漫画にした画像がバズっている様子を遠目に見ることになる。実名のFacebookですら、旦那の悪口を延々と垂れながすメンヘラ奥様が稀に観測される。
あの手の投稿を見るたびに、
「SNSに愚痴書い
労働讃歌〜レモンサワーとゆうちょの通帳と共に〜
「うるさい、誰のおかげで飯が食えてると思うんだ!」
壁にぶつかったグラスが割れる音、母の頬が叩かれる音。暴力的な音の洪水。目を瞑って耳を塞ぐが、父の怒声は小学3年生の人差し指など存在しないかのように私の鼓膜を震わせる。酔った父を止められる人間など、この家には誰もいなかった。「俺の稼ぎで養って貰ってるくせによ!」顔を真っ赤にして吐き捨てる父、うつむいて床に散らばったガラスの破片を片付ける母。小さな
3.11から11年に寄せて
小雪がちらつく中、目の前には見渡す限りの瓦礫の山が広がっていた。潮の匂いがする中、一面に広がる泥、柱、壁、屋根瓦。破壊の限りを尽くしたような光景の一隅に、ランドセルやぬいぐるみ、子供用のスニーカーが不自然なほど綺麗な状態でたたずんでおり、そこに人々の営みがあったことを示していた。ただただ、持ち主が無事であることを願うことしかできなかった。
震災後ほどなく、福島県南相馬市の沿岸部を訪れた時に観た光