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大阪観光の穴場!夏は国立文楽劇場で観劇体験を【Bitter Orange Radio 関西通信】From Osaka!

こんにちは。
大阪担当の蒲郡みかです。
私は名古屋・福岡・大阪で出版社&新聞社の編集者&ライターを経て、現在は東京のIT企業のライターとして大阪に住みながら働いています。

最近、大阪の街を歩いていると海外の観光客の方、遠方から来られた方たちと出会うことが多くなってきました。
夏休みの真っ最中ということもあり、ご家族で大阪旅行をされている方も多い気がします。
大阪観光に来られる方は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行かれる方が多いと思うのですが、せっかくなので大阪ならではの文化も体感していただきたいところです。

そこで今回は、私がおすすめする大阪の穴場観光スポット「国立文楽劇場」をご紹介したいと思います!

※当記事につきまして、所属企業・グループとは関係なく、あくまでもライター個人の主観的な意見・感想です。ご了承ください。


国立文楽劇場とは?

1984年に開場した「国立文楽劇場」は、ユネスコ無形文化遺産「人形浄瑠璃 文楽(にんぎょうじょうるり ぶんらく)」を中心に、大阪の伝統芸能の公演・保存などを目的に建てられた劇場です。
文楽以外に、歌舞伎や舞踊、邦楽、落語なども上演されています。
建物は建築家・黒川紀章さんによるもので、1990年「第2回公共建築賞最優秀賞」を受賞しているので、建物自体も見どころです。
黒いタイルと白い目地、猪の目が施された唐破風(からはふ)なども特徴的で、和モダンな雰囲気が個人的に素敵な建物だな…と感じています。
2024年は開場40周年の装飾があり、赤色が印象的なエントランスになっていました。

赤×黒が印象的なエントランス(Photo by 蒲郡みか)

文楽とは?

そもそも「文楽」って何? という方もいらっしゃると思います。
 
文楽とは

人形浄瑠璃文楽は、日本を代表する伝統芸能の一つで、太夫・三味線・人形が一体となった総合芸術です。その成立ちは江戸時代初期にさかのぼり、古くはあやつり人形、そののち人形浄瑠璃と呼ばれています。竹本義太夫の義太夫節と近松門左衛門の作品により、人形浄瑠璃は大人気を得て全盛期を迎え、竹本座が創設されました。この後豊竹座をはじめいくつかの人形浄瑠璃座が盛衰を繰り返し、幕末、淡路の植村文楽軒が大阪ではじめた一座が最も有力で中心的な存在となり、やがて「文楽」が人形浄瑠璃の代名詞となり今日に至っています。

文楽協会HPより

NHKの教育テレビ「にほんごであそぼ」でも文楽が登場していたので、お子様と一緒にテレビで見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

 愛知県で生まれ育った私は、恥ずかしながら大人になるまで「文楽」は知りませんでした。
大阪市出身の方に聞いた話では、学校の授業の一環で文楽を鑑賞する機会があったそうなので、大阪・関西の方は、親しみ深いものかもしれませんね。

劇場は入館無料! 資料展示室でも文楽の世界を楽しめる

国立文楽劇場の何が魅力かというと、観劇しない場合(鑑賞チケットなし)でも無料で劇場(1階)に入れること!
チケットがないと入場できないイメージがあるので、穴場&隠れ観光スポットだと思います!
室内なので天候に関係なく、熱中症などの心配もなく過ごせるので、夏の大阪観光にぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。
 
劇場の1階にはチケット売り場のほかに、グッズやお菓子の売店、撮影可能な文楽人形やパネル、人形のディスプレーなどもあるので、文楽の魅力を感じることができます。

大阪観光の思い出にぜひ記念の一枚を!(Photo by 蒲郡みか)
大迫力の人形の頭も!(Photo by 蒲郡みか)

文楽のことが分かる資料展示室も無料なので、ぜひチェックしてくださいね。
資料展示室では、貴重な資料を見ながら文楽について学ぶことができ、動画の視聴などもできます。
そんなに広いスペースではないですが、文楽の舞台の構造、人形のつくりなどを知ることができるので、じっくり鑑賞してくださいね。
2024年の夏は7月20日(土)~9月23日(祝・月)まで、夏休み文楽特別公演「親子劇場」の演目に合わせて「文楽で学ぶ なまずと西遊記」という企画展示が行われています。

子供から大人まで親しみやすい企画内容でした(Photo by 蒲郡みか)
西遊記に登場する小ザル人形も展示されています(Photo by 蒲郡みか)

※休演日や休演期間は休館の可能性があるので、公式ホームページをご確認ください。

お子様や文楽初心者に「夏休み文楽特別公演(親子劇場)」がおすすめ

夏の国立文楽劇場では、親子向けの文楽公演「親子劇場」があります!
東京では同様の内容は公演されていないので、夏の大阪ならではのお楽しみです。
 
2024年の夏は「ひょうたん池の大なまず」「西遊記(五行山の段・一つ家の段)」と、文楽の技芸員さんによる解説「文楽ってなあに?」の3本立て。
私も実際に親子劇場を鑑賞してきたのですが、大人も十分に楽しめる大満足の内容でした。
伝統的な人形劇ではありますが、舞台の演出、人形の細かな表情の変化など、見どころ満載です!
 
上演された「ひょうたん池の大なまず」は、「にほんごであそぼ」にも登場されている桐竹勘十郎さんによる文楽作品。
横長の舞台を使って、水中と陸上のできごと(縦長の世界)を見事に表現されていて、なまずの人形もとても愛らしく、みんな夢中になっていました。

劇場2階に展示されていた「ひょうたん池の大なまず」のごんべえさんの人形。
衣装は桐竹勘十郎さんのお手製なのだそう!
(Photo by 蒲郡みか)

「西遊記」はアクション要素もあって大人もドキドキ! 歓声も上がり大盛り上がりでした。
技芸員の桐竹勘次郎さんによる解説では、文楽の人形の動かし方について、子供にも分かりやすく説明してくださり、トークに引き込まれました。
観客のなかから選ばれた3人が実際に文楽人形を遣う体験コーナーもあり、人形遣いの難しさがよく分かりました。
 
親子劇場の演目は分かりやすいストーリーで、場内に字幕も表示されるので、文楽独特の言い回しも理解しやすく、初心者も予習なしで安心して鑑賞できます
お子様限定ですが、無料でイヤホンガイドの貸し出しを利用できます(大人は有料)。
親子で楽しむのも良いですが、文楽を観たことがない大人の方にも本当におすすめです。
一人で鑑賞をされている方や、海外旅行客の方も多数いらっしゃいました。
 
終演後は人形遣いの技芸員さんと文楽人形がお見送り
舞台に登場した、西遊記の孫悟空と分身した小さな孫悟空、猪八戒がお見送りをしてくれて、来場客の皆さんも喜んでいました。
記念撮影もOKでしたよ!
劇場では、お子様向けのぬりえイベントコーナーや、記念スタンプの設置、鑑賞後の文楽グッズプレゼントもありました。

親子セットはお得な料金設定

夏休み文楽特別公演(親子劇場)は基本的に7月中旬から8月中旬頃に公演されています。
※2024年は7月20日(土)~8月12日(祝・月)、第一部10:30~。
夏の大阪観光をされる場合は、ぜひ開催期間をチェックして、文楽鑑賞も楽しんでくださいね。
 
親子劇場の料金は、親子のセット割り引きがあり、親4200円、子供(18歳以下)1600円で鑑賞できます。
一般料金は、大人5000円、学生2500円、子供2000円です。

国立文楽劇場のお弁当やお土産をチェック

劇場内では軽食やお弁当の販売があります。
お弁当のほかに、箱寿司やサンドウィッチ、フルーツサンドも!
劇場内に無料休憩所もあるので、そこでいただくこともできます。
第一部が終演するとちょうどお昼頃になるので、今回はお弁当を購入してみました。

「文らく弁当 華」をお昼ご飯に(Photo by 蒲郡みか)

★お弁当の情報はこちら ↓

売店ではパンフレットと、お菓子を購入。
パンフレットの表紙は上演される文楽人形の衣装がデザインされていて素敵です!
床本集(戯曲と語り方が書かれた冊子)もセットで700円。豪華な内容です。

(左)パンフレット:表紙のデザインは「生写朝顔話」の登場人物の衣装。
(中央)パンフレットとセットになっている床本集
(右)国立文楽劇場開場40周年のチラシ
(Photo by 蒲郡みか)

文楽劇場の名物のお菓子と言えば「文楽せんべい」。
甘くて素朴な、懐かしい味わいのおせんべいです。
店頭でフェリシモ猫部さんとのコラボ商品「フェリシモ猫部in文楽せんべい」が販売されていたので、可愛いデザインにつられて購入!
大阪のお土産としてもおすすめしたい一品です。
そのほか、干菓子や文楽グッズ(雑貨・文具・小物・書籍など)も販売されています。

「文楽せんべい」を観劇記念のお土産に!(Photo by 蒲郡みか)

暑い夏は涼しい室内で大阪の文化を体感!

「文楽って難しそう」「人形劇なんでしょ…」と、なかなか鑑賞の一歩を踏み出せない方も多いかもしれません。
私も、正直なところ親子劇場のような初心者向けの公演がなければ、文楽を観に行くことはなかったかな…と思います。
昨年初めて親子劇場を鑑賞し「来年も必ず観に行きたい!」と思い、今年は2回目の鑑賞。
改めて老若男女問わず楽しめる内容だと実感しました。
分かりやすくて面白いので、だまされたと思って観ていただきたいです!
 
と、力説してしまいましたが、ユネスコ無形文化遺産に触れられる機会というのは、日頃あまりないと思います。
テーマパークで遊ぶのももちろん楽しいのですが、世界的に認められている大阪の伝統文化を体感するのも素敵な体験ではないでしょうか。
お子様の夏休みの自由研究にしても面白いんじゃないかな…と、個人的には思っています。
夏はどこに行っても暑いですが、観劇は涼しい空間で快適に過ごせるので、ぜひ!
 
夏休み文楽特別公演は、千穐楽翌日の8月13日(火)よりインターネット配信(有料)されるそうです。

国立文楽劇場の場所は?

最後に、国立文楽劇場の場所についてのご案内です。
劇場があるのは大阪市中央区日本橋。
Osaka Metro(大阪市営地下鉄)堺筋線・千日前線、近鉄「日本橋駅」7番出口から徒歩1分と、アクセスしやすい立地です。
近くには「大阪の台所」といわれる「黒門市場」もあり、グリコの看板や道頓堀でおなじみの難波・心斎橋エリアから、散策がてら歩ける距離間です。
※夏は暑いので地下鉄・電車の利用がおすすめです。

国立文楽劇場周辺MAP

今回は、私がおすすめする夏の大阪の観光スポットをご紹介しましたが、いかがでしたか?
大阪観光の計画の参考にしていただけたらうれしいです。
 
あなたの日常にフレッシュな彩りを!
いつでも「Bitter Orange Radio」でお待ちしています。
蒲郡みかでした。

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