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そらのうた

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#空

青空

青空

青空が怖い
どこまでも続いてゆく
空の青さ 壮大さ

自分がいかに矮小で
取るに足らない存在か
気付いてしまうから

指先で大気をなぞる
世界が若さに沿ってくれると信じていたの 

一秒経つ毎に
砂時計を逆さにする毎に
青空は相対的に美しくなる

ああ
空の青さが眩しいから
目を背けたくなる時こそカーテンを開けるの
#ポエム #詩 #自由詩 #空 #日記

星の詩(リライト)

人類の憧れ

古代人の標

死者の代名詞

願いを託す対象



薄らと宙に浮かぶそれに
手をかざしても届かないそれに
幾多の人が眼差しを向けて
数多の願いが込められて



星が宙を翔る一瞬

両手を組み刹那祈りを捧げる

叶うとはつゆほど思わなくとも

その行為に心癒す慈愛に似たものがある



遠く離れた恋人

想像力の源泉

過ぎ去りし辛い過去

点を見つめて私は何を思う

点と点が

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冬の空のような

眼を覚ますといつも通り
君からの「おはよう」が届く

だから寒さに負けないで
着替えるのも苦じゃない

君が愛して止まない
空を飾る冬の大三角形

昨日の夜
君は見つけられたかい

僕の住む街からは
少し離れた場所に現れる星彩たち

「冬は嫌いじゃない
かじかむ手も白い吐息も

季節の最後
思い出を振り返るには感傷的になれるから」

君がいつか言ったその言葉
僕なりの解釈を添えて君に返そう

「冬

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プロローグを経て

どこかで誰かが号泣必死の映画を観て泣く

「今日から人に優しくしよう」とSNSで決意した誰かは数日後、クラスメイトに平気な顔して罵詈雑言を浴びせる

物語は届かないの?
言葉は届かないの?
思いは届かないの?

私はそっと目を閉じた
私は部屋に閉じ籠った
私は前髪をより伸ばした

現実から逃げたくて
私は藍色の空を撮り始めた

明日なんて来るな
金輪際、夜は空けるな

祈りが通じるはずもなくて

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騎月雨の詩

夜を彷徨う雨がしずかな時を奏でてくれる

未明にブルーアワーを撮る君も今日は天井を眺め朝を迎えるだろう

年を跨ぐ度 月を跨ぐ度 夜を跨ぐ度
胸に手を当てて鼓動に耳を澄ます

夜に交わすメッセージは
世界を潤す雨のように僕の心を君で満たす

雨は月を隠すね 月が隠れても露わになっても
この想いは不変で雲に覆われた方が君を考える時間は長い

月が変わっても月が変わる直前でも
雨の日は電波を通して君と

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星雨の詩

星雨の詩

夜空を翔る光の筋が数多翔る
僕の隣にいる君は瞳を閉じて両手を組む

いつからか星は夜を照らす輝きに留まらず
願掛けの対象になっていた

僕も君も少しずつ

大人になった証拠なのかな
弱さを知った証拠なのかな

仰いで手を翳し
背伸びしても届かない
宙を瞬く光には

だから君は祈りを捧げるんだね

星が流れる いつも通りの夜に
星が流れる 君と過ごす夜に

僕の願いは半分くらいは叶っている

君の願

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見つめたものは

何も持ち合わせていない頃
僕は無邪気に笑えていた

何気ない日々の
鮮やかさを無意識に嗜んでいた

何かを見つけようと
木々の隙間や流れる雲

あらゆるものに目を見張り
何も見つけられなかったと笑い過ごした

可笑しいかな

移動距離が限られた
あの頃見つめたものは綺麗なものばかり
#空 #日記 #詩 #ポエム #自由詩 #言葉 #距離

星屑

星屑

星を想う

あの星は一体
誰の生まれ変わり

非科学的で笑ってしまう
誰でもない ただそこに居るだけ
それが最もらしいはずでしょう

例えば夢破れたとき
例えば失恋したとき

その思いは
空に還るのだろうか

それとも
土に還るのだろうか

どこに行き着くまでもなく
見えないそれを抱える人

それこそ星の数ほどいるでしょう

君の抱えた想いは
君が抱きしめた想いは

過去にならない今でさえ
君を君

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未明の刻に

君は歌う。未明から桟橋で横たわり歌を歌う。

空の色が藍色と紫と黒のグラデーションで曖昧な今に自己投影する。朝が来たら毅然とした青空と太陽が君を炙り出す。

陽が登らない頃にだけ見える世界。不安も高揚も過去も未来も、この刻だけは許容できる。

18時30分になれば星空が跨ぐ、君は誰も星を仰がない時間に自分を見つめる。

君が最も君らしいこの時刻に寝ている僕は、君を理解したそぶりを見

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