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そらのうた

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#言葉

光の筋

注がれる光の筋は
光芒の二文字へ凝縮される

君にとっての僕は
普通名詞に収まるかい?
固有名詞として展開されるかい?

歌は詞があるから成り立つの
いつだったか君は得意気に口にした
新緑に風が吹き込まれて刹那揺れた

何かを構成するには
不要なもの
不可欠なもの
その二つが点在して

君との出会いは
君からの言葉は
君の魅せる表情は
埋まらない欠片を
ぴったり当てはめた

僕にとっての君が光芒で

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星の詩(リライト)

人類の憧れ

古代人の標

死者の代名詞

願いを託す対象



薄らと宙に浮かぶそれに
手をかざしても届かないそれに
幾多の人が眼差しを向けて
数多の願いが込められて



星が宙を翔る一瞬

両手を組み刹那祈りを捧げる

叶うとはつゆほど思わなくとも

その行為に心癒す慈愛に似たものがある



遠く離れた恋人

想像力の源泉

過ぎ去りし辛い過去

点を見つめて私は何を思う

点と点が

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七色の世界

限られた時間を生きる
生まれた時は真っ白な余白に
相変わらずデタラメな色を塗りたくる

想像通りにものごとは運ばないよ
想定通りの絵を描くのは難しいよ

余白は段々埋まっていって
残されたスペースは散り散りに分かれている

思考は一貫性を求めているのに
歩んだ足跡は曲がりくねっている

理想通りにいかないの
そんなの知ってたよって

君が笑うから
僕もつられて笑う

僕も君も虹のような七色じゃない

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冬の空のような

眼を覚ますといつも通り
君からの「おはよう」が届く

だから寒さに負けないで
着替えるのも苦じゃない

君が愛して止まない
空を飾る冬の大三角形

昨日の夜
君は見つけられたかい

僕の住む街からは
少し離れた場所に現れる星彩たち

「冬は嫌いじゃない
かじかむ手も白い吐息も

季節の最後
思い出を振り返るには感傷的になれるから」

君がいつか言ったその言葉
僕なりの解釈を添えて君に返そう

「冬

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moment

緩やかに萎びるように生きるのが命なら
僕も君も大樹さえも今が最も美しい

躊躇いを忘れて駆けて行くのが人生なら
僕も君も光も綺麗な軌跡を残すだろう

水が弾く浸る潤いを齎す
風が舞う踊るこだまする
火が紅に揺れ熱く心灯す

足元や目に届くもの
静かに寄り添うもの

僕らの足跡には
いつだって当たり前が存在した

当たり前に支えられて
微かな生命が今を生きる

君にとって当たり前で
かけがえの無い存

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プロローグを経て

どこかで誰かが号泣必死の映画を観て泣く

「今日から人に優しくしよう」とSNSで決意した誰かは数日後、クラスメイトに平気な顔して罵詈雑言を浴びせる

物語は届かないの?
言葉は届かないの?
思いは届かないの?

私はそっと目を閉じた
私は部屋に閉じ籠った
私は前髪をより伸ばした

現実から逃げたくて
私は藍色の空を撮り始めた

明日なんて来るな
金輪際、夜は空けるな

祈りが通じるはずもなくて

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言葉だから伝えられること

言葉なんて嫌いだ

言葉一つで不意に人を傷つけてしまう
無自覚に無邪気な笑顔を浮かべながら

言葉なんて嫌いだ

人の心をそれだけで当て嵌めてしまう
君の悩みは君の願いは何処にあるのか

言葉なんて嫌いだ

本音とは裏腹に綺麗な仮面を形成してしまう
口にできない本心を閉まった人だけ損をする

言葉なんて言葉なんて

言葉一つで人を殺してしまう
言葉一つで人を安堵させうる

後者に目を向けたい

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君の素顔

夏に雪が降るわけないよ
もし叶ったら奇跡と呼ぶだろうね

空想は無料
実現には労力やら時間が必要だ

雪は冬の代名詞
強がりは君の代名詞

君がふとした瞬間に張りつめた虚勢を
外してくれと願うばかり

無理しなくていいんだよ
たまには弱さを晒してよ

でも都合の悪い言葉はフィルター除外
この声が届いてと願うばかり

前を向く君とは違う側面を
ありのままの姿を見せてくれたら

そんな君も綺麗だよ

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見つめたものは

何も持ち合わせていない頃
僕は無邪気に笑えていた

何気ない日々の
鮮やかさを無意識に嗜んでいた

何かを見つけようと
木々の隙間や流れる雲

あらゆるものに目を見張り
何も見つけられなかったと笑い過ごした

可笑しいかな

移動距離が限られた
あの頃見つめたものは綺麗なものばかり
#空 #日記 #詩 #ポエム #自由詩 #言葉 #距離

うたた寝

うたた寝から目覚めて思い出したのは君の横顔

ある時までは見慣れたその横顔
ある時を最後に見たその横顔

恋や愛を疎ましく思っていた僕に

溶けるような優しさ
壊れることのない強さ

教えたくれたのは君の微笑
教えてくれたのは君の美声

目が覚めたよ、中途半端な時間に
目が覚めても、忘れえぬ君の姿形

ああどうしよう、どうにかしよう

有り余った思いやりや想像力は誰のため?
行き場のないそれらを塞

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星屑

星屑

星を想う

あの星は一体
誰の生まれ変わり

非科学的で笑ってしまう
誰でもない ただそこに居るだけ
それが最もらしいはずでしょう

例えば夢破れたとき
例えば失恋したとき

その思いは
空に還るのだろうか

それとも
土に還るのだろうか

どこに行き着くまでもなく
見えないそれを抱える人

それこそ星の数ほどいるでしょう

君の抱えた想いは
君が抱きしめた想いは

過去にならない今でさえ
君を君

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不可変なそれは

砂時計を逆さにして
時間を測る

現実では
時間を覆すことは叶わない

時計の針を強制逆行は能わず
この世界は未来へのみ
ベクトルが向いてるのね

不可能なことが多すぎる

太陽と月
追いかけっこして
僕は少しずつ大人になった

IFはこの世界の
封じられた魔法

「もしも」が多発したら
この世界に存在しない筈

僕も
君も

1日のささやかな積み重ねで
僕らは未来を形成する

今日も迷いながら

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ただひとつの木漏れ日

木漏れ日が好き
そう信じ込んでいたのに違ったの

母校へ至る坂道を登り切った後の
一本の木

あの木から溢れる
光の一筋が好きだった

他の木では光明を見出せない

木漏れ日という括り
一つの言葉で収める危うさ

唯一にして
惹かれるのは日々に寄り添った
思い出に生きる木が差し出す光
#詩 #ポエム #日記 #自由詩 #木漏れ日 #光 #言葉 #とは

透明な心臓に弾丸を

透明な心臓に弾丸を

しゃぼん玉が弾けた
透明が無に帰した瞬間

グラスに水を注ぎ続けた
目を逸らした瞬間、溢れ出した

視界に捉えるその間に
眼差しを向けたり大切に扱ったり

覆水をグラスに戻すことは誰にもできない

分かってるという共感めいた言葉
態度に出さない内は嘘同然で

胸ポケットに隠した小型銃
引き金を引いて
鮮やかに君の心臓を貫こう

永遠を歌うラブソングより
有限を語る歌の方が好き

人生は死ぬまでの暇

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