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社会人芸大生が勉強の合間に買って読んだアート関連書籍・2022.7~9月編

皆さま、本、読んでますか?

ついに3年目をむかえたこのシリーズ。2022年は四半期ごとに更新中です。

相変わらず活字にまみれているわたしが、勉強と趣味もかねて手に取ったアート関連本(それ以外もいろいろ)を紹介&勝手におすすめします。
なんか面白そう!と思えるような本と出会うきっかけになったら嬉しいです。

ちなみに2021年編はこちら。

2020年編はこちらです。今から読んでも面白い本ばかりかと。

マガジンもありますよ。


三宅一生さんとルーシー・リーさん


2022年8月、デザイナーの三宅一生さんが逝去されました。

訃報をうけ、Eテレ「日曜美術館」では、三宅一生さんとルーシー・リーさんをテーマにした回が再放送されました。ご覧になった方も多かったと思います。

番組の元々の放映は、2009年4月。
その当時、わたしは今ほど熱心に番組を観ていなかったので、全く知りませんでした。


日曜朝、オンエアを観ながら、日本で最初にルーシー・リーさんの展覧会を企画・開催したのが、三宅一生デザイン事務所だった、と初めて知りました。

そして、慌ててネットから探して手に入れたのが、この一冊です。

展覧会が開催されたのは、1989年5~6月。
東京・青山の草月会館と、大阪市立東洋陶磁美術館で、でした。

わたしが手にしたのは、当時、展覧会の図録として出版されたものが、20年後に復刊された一冊。

写真は石元泰博さん、ブックデザインは亀倉雄策さん。
もうそれだけで、ぜひ現物をじっくり読んでみたくもありました。

内容は、とてもシンプルな構成でした。
一生さんとルーシー・リーさんとの出会いの文章が冒頭に。個々の作品に対しての解説文は一切なし。後半、機能と情報に徹した図版ページも、モノクロでサイズなどのスペック情報だけ。

なんだか、それが逆に、心地よく思えました。
フォントから醸し出される雰囲気に時代を感じましたが、作品にはやっぱりタイムレスな魅力があり、眺めているだけで眼福な一冊です。

ルーシー・リーさん、2010年、国立新美術館で大規模な回顧展が開催されて一気に知名度が広まったかと思います。以降もたびたび企画展が行われました。
作品を詳しく知りたい、という方は、いくつか図録が出てるので、ぜひ。古本だと価格が高騰気味ですが、大きめの図書館や美術館内の図書室なら閲覧できるはず。

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三宅一生さんの逝去は、わたしにとって、とても大きなニュースでした。


服というもの、素材、自然と人間のかかわり、デザインミュージアムの構想と実践、と、ファッションデザインにとどまらず、さまざまな思索とデザインの世界を自由に行き来していた、とても大きな存在の方、と捉えていました。


2016年の展覧会も、本当に行って良かったです。プリーツマシーンの音とか動きとか 未だに記憶に残っています。


当時の国立新美術館の告知ページもぜひ。
会場の展示の様子が映像で見られます。

昨年秋の、この腕時計の展覧会も良かったんですよねー
自分の腕時計好きを再認識しました。素敵だったなぁ。(廃番になっているあれとこれ、いまだに探しています・・・)


すみません、いきなり本から逸れました。

でも、BAOBAOやプリーツプリーズだけじゃない、三宅一生さんのデザインの世界、ぜひ多くの方にふれてみてほしいです。

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WKW4K ウォン・カーウァイ4K 映画パンフレット

心待ちにしていた、この上映企画。
正直、パンフレットを買うかはとても迷っていましたが、さまざまな方が寄せた文章を、もう少し時間を置いてから読み返したいかも、と思い、購入しました。
ちょっと変わった判型、印刷や製本の方法も凝ってて、作り手のこだわりを感じた一冊です。

映画についてはこちらのnoteに書いてます。

『花様年華』はその後、サントラCDを中古で見つけて、家で聴いてます。
上映終了前に、なんとかぜひもう一度、劇場へ観に行きたいです。

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UNIQLO LifeWear magazine & 銀座百点

こんなに素敵な表紙ですが、全国、いや、世界のユニクロの店頭で、無料配布されている雑誌です。

見かけたことのある方も多いと思いますが、これ、カタログじゃなくて、ライフスタイルマガジンなんですよ

わたしは最初に店頭で手にしたとき、これ、無料でいいんですか!!!!と驚愕しました。そして、ユニクロの本気を改めて思い知りました。

それもそのはず、クリエイティブディレクターは元POPEYE(ポパイ)編集長の木下孝浩ファーストリテイリング上席執行役員。編集部と共に制作してるそうです。納得。

いま、シーズンごとの発行を、とても楽しみにしている一冊です。

染色家・宮入圭太さんへのインタビューや
マメのデザイナー 黒河内さんへのインタビューも
右が最新号。左がその一つ前、2022春夏号です。


つい先日、銀座に行ったときに、UNIQLO TOKYOに立ち寄ったのですが、1Fのディスプレイに、さらに驚きました。素晴らしかったです。
UNIQLO COFFEEのカウンターもできてたし。

細部まで抜かりない・・・!!!
テーブルの上までしっかり作り込まれてました

カウンターデスクに並べられた本のラインナップまで観察してしまったほど。すごいなぁ・・・。

UNIQLOといえば、あーんまり知られてないんですが、約10年前、2013年からMoMAとパートナーシップ契約を結んでおり、フランス・ルーブル美術館、ロンドン・テートモダンとも同様にパートナーシップ関係にあたります。

なのでこんなアイテムが買えるんですよー!

まもなく発売になる新作パーカー
ミュージアムグッズですな

なぜ日本のミュージアムでやらないんだろうってずーっと疑問だったんですが・・・どうやらユニクロが話を持っていったのに、断られたらしいですよ・・・(もったいない!)



ユニクロが、アートを日常に持ち込み、少しずつ広く身近な存在にしていった貢献度って、決して低くない、と思っています。

この2022年の春夏には、UTシリーズにまさかのソール・ライターのアイテムが発売!されたり(もちろんすぐ買いました!) 

アーカイブが一気に復刻販売されたり、と、話題もりだくさんでした。この先も期待してますー!!!


なお、UNIQLO LifeWear magazineの最新号&バックナンバーは、Webでも読めます。ぜひ。

雑誌のWeb媒体より よっぽど素敵かもしれない・・・と思ってしまうほどのクオリティ だと思います。


で、UNIQLO TOKYOでいただくのが恒例になってきたのが、「銀座百点」。
こちら、銀座の街や人にまつわる文章が載っている、月刊のフリーペーパーです。

これまでは画廊や商業施設のインフォメーションでいただいてましたが、貰い損ねることも。
UNIQLO とコラボしたのをきっかけに、なのか、UNIQLO TOKYOに置いているのを発見したときは嬉しかったです。

いつかここに文章を載せていただけたらいいな、というのが、壮大すぎる夢です


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T JAPAN

こちら、書店では販売されていない季刊誌です。
朝日新聞と集英社が一緒に編集・発行しています。

T JAPANは、ニューヨーク・タイムズ社が米国で発行している『T: The New York Times Style Magazine』の日本版です。

米国版T magazineは年11回、350万人の読者にThe New York Times紙の一部として届けられ、豊かな知性と洞察力に裏づけられた記事内容で、全米で最も影響力のある雑誌のひとつとされています。

T JAPANは、2015年3月に創刊。米国版T magazineから厳選した上質な翻訳記事と、日本版独自の記事で構成。ファッション、美容、アート、建築、食、旅など、すべての記事に確固たるスタイルを持ち、真にグローバルな視点で世界と日本の今を伝えるスタイルマガジンです。

我が家は朝日新聞を定期購読していて、限られたエリアにお住まいの定期購読者に配布されています(ありがたい!!!!)。
創刊号からずっと保管してあって、いつも届くのをとても楽しみにしている雑誌です。

こちらも、これ無料で読めていいんですか!!!と驚愕するようなクオリティの内容。普段はメディアに滅多に出ないような方のロングインタビューなどが読めたりもします。

ちっ!読めないじゃんか!!!という方、Webで読めます。

あと、有料ですが、定期購読もできます。ぜひ。


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引き続き ギリシャ神話を勉強中

日本美術の世界はわりと馴染みがあるものの、聖書やギリシャ神話のほうはまだまだ。
西洋絵画などを観るときは、やはり知らないよりも知っておいた方が良いので、分かりやすそうなものから地道にコツコツ、いろいろな本を読み続けています。

左の「キャラクター事典」の方は、事典というだけあって結構な情報量。でもほぼカラーで、図版やイラストも豊富&好きな感じだし、親しみやすい書き方がされていて、壮大なギリシャ神話の世界への入口、かつ副読本として重宝している一冊です。

右の「イラストで読む」は、同じ著者でシリーズ化されていて、旧約聖書や新約聖書がテーマのものもお薦めです。


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ビジネスというより、生きる姿勢や生き方を知りたくて

テレビっ子でラジオっ子、そしてテレビ東京が好きなわたしは、やはり佐久間さんの本、読まねば!と、出てすぐ購入しました。

そして、佐久間さんが書籍の中で、愛読書として紹介していたのが、斉須さんの本でした。
こちらはもう何年も前、20代の頃に購入して読んていだ一冊だったので、妙に嬉しかったです。言わずもがな、名著ですよね。

佐久間さんの本を読み終えてから、斉須さんの本をもう一度読み返しました。
30代になった自分が読むと、より沁みるし、今だからわかることもあって、読み返して良かったです。こういうことができるから、本は持っておきたいし、できるだけ手放したくないんですよねぇ・・・

ちなみにちなみに、この斉須さんの本を手掛けている書き手が、木村俊介さんというインタビュアーの方。
わたしは斉須さんの本を読んで以降、木村さんの書くもののファンになりまして。どれもこれも超絶お薦めなので、ぜひぜひ。



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忘れちゃいけない、コミケの思い出も

人生初コミケの体験。
本当に行って良かった。間違いなく行って良かったです。楽しかったです。
現地で購入した書籍については、こちらのnoteでご紹介しています。


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観に行った展覧会の図録いろいろ

『フィン・ユールとデンマークの椅子』展 図録

会場限定色 スカイブルーにしました 素敵

東京都美術館で開催中の展覧会、行ってまいりました。
想像以上に素敵な空間すぎて&学びが多くて、思わず図録を買って帰ってきました。

館内で配布されている、A5サイズのフリーペーパーにも、学芸員の方のインタビューが載ってます。こちらも合わせてぜひ。


『東北へのまなざし 1930-1945』展 図録

東京ステーションギャラリーで開催中の企画展。
開催を楽しみにしていました。

展示の情報量が想像以上だったことや、民藝に関する情報だけではなく、今和次郎さんやブルーノ・タウトさんにまつわる話など、もっとしっかり知りたいな、と思って購入しました。

出かけてみてのお話しは、音声でご紹介しています。ぜひぜひ。


『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』展 図録

DIC川村記念美術館で開催されていた企画展の図録。
会期終了日の前日にかけこんだので、図録は売り切れ・受注販売をしていまして、申し込んできました。

色の力や作品の存在感だけではなく、新しい絵画の表現を模索した画家たちの息遣いを感じるような、気づきの多い展覧会でした。

当日50分くらいのガイドツアーに参加できたのも、展覧会と美術の動向など、さまざまなことを知れて本当に良かったです。

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余談ですが・・・会期中、こちらのnoteをとても多くの方に読んでいただけたのも、地味に嬉しく。

日を追うごとに人気を増した企画展。わたしが出かけた日は、高速バス乗り場に大行列ができていて、驚愕しましたが、確かに現地で観ることができ、心に残りました。


ちなみに、DIC川村記念美術館の次回の企画展は、マン・レイ。
そしてジョセフ・コーネルさんの所蔵作品一挙公開も!
どちらも好きな作家なので、秋が深まった頃にお邪魔したいと考えています。


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近況をまとめにかえて

2021年春、地元・静岡でスタートした私設図書館で本棚オーナーになり、本を介して思いがけず人とのつながりが広がりました。


そして2022年10月、区内で一箱古本市「千石ブックメルカード」を企画・開催します!!!

ご興味ありましたら、ぜひお運びくださいませ。
この一箱古本市のことも、追ってnoteにまとめたいな、と考えています。


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ということで、今期は正直、あんまり読書する時間がとれなかったほど、風のように毎日があっという間でしたが、おかげさまで充実の日々でした。
読書の秋!参考になりましたら嬉しいです。お読みいただきありがとうございました✨

その他、本にまつわる記事を他にもいろいろと書いてます。ぜひ!

ふむふむ、へーそうなのかー!って思っていただけたら、下の方にある♥マークをポチっていただけるととても嬉しいです。noteアカウントがなくてもポチれたり、ツイート&シェアできます。



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