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編入3年目で読む『アートとしての論述入門』

2019年に京都芸術大学の通信教育部へ編入して、丸2年。
日々の仕事をしながら、所属しているアートライティングコース、そして学芸員課程の必修科目で、すでに何度もレポート課題や試験をクリアし、コツコツと58単位を得てきました。

これまでのわたしの苦闘(笑)は、こちらに綴っております。ご興味あればぜひ。

ちなみにちなみに、アートライティングコースって何?って方はこちらを。


3年目をむかえた2021年度は、いろいろ思うところがあり  ”締切が1年後に設定された膨大な自習時間” という名の休学中です。
読み散らかしたままだった教科書や、積ん読したままの参考文献たちを、芋づる式に少しずつ読んでいます。

で、最近、改めてちゃんと読み切って、はー!なるほど!!!と思った一冊がこちら。

大辻都 編著・篠原学 著
『アートとしての論述入門』

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編著の大辻都先生が、アートライティングコースの先生です。
なので、いまさら読んだんかーい!!!と 盛大につっこまれそうですがw

この本、うちの大学の通信制に入った全員が学べる「総合教育科目」というジャンルの中の、「論述基礎」という科目の教科書です。

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そもそも「論述基礎」ってどんな科目?

学びの目標をシラバスからご紹介しますと・・・

大学の課題としてもとめられるレポートや論文の書き方を学びます。
(中略)
この科目では、基本的な文章作法から出発し、問いの立て方、レジュメや章立て、構成の仕方、参考文献とのつき合い方まで、多くの授業課題で必要とされる論述の考え方とテクニックを習得します。

つまり、アートライティングうんぬんは一旦横に置いて、その手前の手前、
大学で求められる”レポート””論文”を書くとは何か そして それらを書くために経るべきステップとは何か を身につけるための科目です。

シラバスには、基本中の基本ながら、超絶大事なことが書かれています。

レポートや論文の文章は、個人の思いを記した感想文や手紙、電子メール、ライン、ブログなどの文章とは異なり、論述、つまり他者と共有可能な言語表現によってなされなければなりません。
適切な日本語を知ることに始まり、大学のレポート・論文に必要な論理的で客観的な文章力、構成力を身につけます。
また、レポート・論文を書くうえで知っておきたいマナーやルール、参考文献の扱い方などを学びます。

そうなんです、レポートや論文には、相応のルールと作法があります。だから、それを知らずに書き始めるのは結構キケン&非効率的なんですよね。

でも、この科目、実は必修ではないんです。必修にしても良さそうな内容に思えますが、社会人の多い通信制大学ゆえ、でしょうか。

とはいえ大学側も配慮がない訳ではなく、”入ったら、まずはこの「論述基礎」を受けて、最初のレポートを書いて提出してみましょう!” と再三アナウンスしてくれてましたし、わざわざ臨時の特別講義も開くなど、学ぶチャンスを積極的に提供してくれています。

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教科書は買った、けれど

なので、わたしは編入早々、”「論述基礎」は必修じゃないけど大事っぽい”と認識し、とりあえず教科書だけでも買うか!と思っていたところで、たまたまメルカリで中古を見つけて購入しました。ラッキーでした。

届いた教科書をぱらぱらーっと流し読みしつつ、「論述基礎」ではなく別の必修科目のレポートに取り掛かったのです。
そう、わたしは、必修じゃないからと流し読みしただけで、以降、寝かせてしまっていたんですね。

ちなみにわたし、この大学へ編入するまで、レポートや論文なるものを書いた経験も、ちゃんと読み通した経験も、皆無でした。

学生時代は、大学ではなく専門学校で服作りを学んでいたので、課題で提出していたのは、デザイン画とか、パターンひいて作ったジャケットやパンツとか。卒業制作もベルベットのスーツ&シャツ&アクセサリーです。

だから、”世の大学生は、こんなにレポートや論文を読んだり書いたりしてるなんて、すごすぎる!” と、とても驚いたくらい。


それでも編入からここまでの2年、何とかなっていたのはおそらく、もともと国語が得意だったことと、子どもの頃から新聞を読むのが趣味だったこと、仕事で文章を書いてきた&冊子の制作やWebメディア運営に関わってきた、という "貯金” があったからだと思います。

記者ハンドブックの存在にはじまり、用字用語や表記・引用のルール、著作権への認識、推敲や校正校閲の大切さ、などなど、書くことに必要なあれこれを、たまたま、すでに知っていました。
つまり、もし仕事などでふれてなかったら、なんだそりゃ?なことが、もっとあったことでしょう。

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いま改めて読んだから、分かる

しかし思い返すと、いくつかのレポートの講評で先生方から ”自ら問いを立てて書けるともっと良いでしょう” という言葉をもらっていました。

うーん・・・課題の設問と、問いを立てるって何が違うんだろう?

ずーっと気になってはいましたが、『アートとしての論述入門』を改めて読み、すぐに気づきました。
自ら問いを立てようって、第1章の、最初の最初に書かれているじゃないか!!!

わたしは震えました。そんな初歩の初歩なことすら、流し読みのせいで、ちゃんとわかってなかったんですね。
読んでるようで、全然読んでなかった。先生がつっこむのも納得です。

むしろもっとシビアにつっこんでくれても良かったくらい、初歩すぎる。
いや、初歩すぎて突っ込む気すら失せたのでは、というくらいの初歩です。

・・・えっと、うっかり卒業目前で、ではなく、いま気づくことができて本当に良かったです  汗


と同時に、”復習って、ほんと、大事”と、つくづく思いました。(前向き)
ここまで何度もレポートを書いて単位をもらってきたからこそ、なるほどね!!!そういうことね!!! と、非常によく理解できました。(どこまでも前向き)

また、今回のように教科書を読み返すなど、意識的に行う復習だけではなく、日々の生活の中で 大学で学んだことに思いがけず出くわすと、これ勉強したやつだ!という嬉しさと一緒に、ぐぐっとクリアに頭に定着しやすくなります。
2年学び続けてきて、点と点が線になる感覚を覚えるようなことも増えてきました。

今年度、そして復学後の最終年をより良い時間と学びにできるよう、今日もコツコツ、積ん読の山に手を伸ばし、ページをめくる日々です。

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この教科書、在学生でなくても、
誰でも普通にAmazonなどでポチれます。

体裁も、紙の本か、KindleやApple Booksなどの電子版か、を選べます。
ご興味あればぜひ!(体裁によってお値段もちょっとずつ異なります)

ちなみに紙の本の場合は、「オンデマンドブック」という、受注印刷で作られた本が届きますよ。

他にも、うちの大学の教科書は、ネットからポチれるものが多くあります。

例えば、「芸術史講義」などの教科書として使っている『芸術教養シリーズ』
古今東西の芸術史を網羅していたり、デザインや古典文献をまとめたものがあったりと、さまざまなテーマで出ています。
興味のある分野だけ読んでみても面白いかもしれません。こちらもよろしければ~。


おまけ

レポートや論文のルールや作法のための教科書なのに、なぜ書名に "アートとしての" とついているのか・・・

本文によると、「アート(art)」という言葉の語源であるラテン語の「アルス(ars)」が、「技術」って意味を持つから、なんだそうですよー。

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