見出し画像

“余白” のつくりかた

ぼんやりと考えるようになったのは、2021年になってすぐの頃でした。

2018年の秋に、大学に編入して学び直すってアリかもなぁ と考え始め、
2019年の春に、京都のキャンパスまで出かけて入学式に出席、
2020年の夏に、半月近く京都に滞在して、学芸員の実習にも参加しました。

振り返ると、編入したおかげで、新しい出会いがあり、日常は確実に豊かなほうへと変わりました。京都という素敵な地や、そこで暮らしている方々とのご縁もできました。


しかし、想像していた以上に、大変なことも多いのです。
通信制の大学の卒業率はあまり高くない、難しい、というのもよく聞く話。

何よりも、どこまでもスケジュール管理が大切です。
自分とずっと日程を調整し続けるような感覚、というか、ありとあらゆることと、どう折り合いをつけていくか、常に考えている感覚がありました。

良い意味で、とても自分が鍛えられていると思います。
先日も書きましたが、ほんとに、自らすすんで数年にわたる修行生活を課してる感覚です。


ほぼ毎週・毎日、”締切”がやってくる学生生活

在籍して何年目に卒業することを目指すのか、
そのために必修科目は、何年目の春夏秋冬の4期のうちでいつ取るのか、
そのためのテストやレポートの期限はいつなのか。

そのためにシラバスやテキスト、参考文献は、いつまでに読むのか、
必要なフィールドワークは、いつまでに出かけるのか、今週?来週?
じゃあ、今日は、いつどのくらい勉強の時間をとるのか・・・・・

まぁ仕事の場面では当たり前ですが、大学での学びもやはり、あらゆることを一つひとつ逆算していくと、ほぼ毎週・毎日、何らかの”締切”がやってきます。
人間、締切が決まらなければ進められないことも多いもの。
わたしも自分の性格から考えて、締切が明確にあるから、日々のいろんなことと並行しつつ、社会人芸大生の毎日を頑張ってこれたのも事実です。


でも!

いつの間にか、大変 だけど 楽しい、楽しいけれど大変、のシーソーゲームに、少しずつ少しずつ、自分が息切れしてきている感覚を覚えるようになりました。

おかげさまで、ここまで単位を落とすこともなく、成績もそこそこ。
なのになぜ?

ほぼ毎回、全く時間が足りなくなってしまうのです。
わりとどの科目においても、最初に見積もって設定した予想ペースでは、時間が足りない。自分が目指す地点と視線は、ちょっと別のところを見ていました。


もうちょっと”自分のペース”で学びたくなっていた

アートの世界は本当に面白く、科目に取り組めば取り組むほど、もっと時間をかけて深掘りしたい、派生した先のあのことも一緒に知りたい、味わっておきたい、と、思うことが増えていきました。
自分が目指す地点に到達するまで、芋づる式でもっと学びたくなるのです。

でも、設定した予想ペースや逆算したスケジュールでは、もう次に進まなければなりません。ここで留まってしまうと後の予定が渋滞するし、次の締切もやってきます。

息切れしているような感覚の理由は、自分の学びたい欲によって歩みがマイペースになった結果、予想ペースに追いつけなくなっていたからでした。


あれ?わたし、芸術史を学びたいと思って編入したんだから、深掘りするためにスローペースになること、マイペースで進むことって、悪くないはず。
もしや、科目の履修が  “卒業のためにやらねばならない”  にすり替わってる・・・?


卒業は、目標だけど  目的ではなかったはず

もちろん、卒業することは大きな目標です。卒業できなければ、せっかく単位を増やして履修した学芸員資格も、取得できません。

大学に在籍する期間が短いほど、お財布への負担が少ないことも事実です。
人生、何が起こるか分からないから、できること・やりたいことは、先延ばしにせずにやっておくことも、とてもとても大切です。


でも、編入して3年目がやってきて、その1年をまた一気に卒業まで進んでいくのは、なんだかあまりにもったいなく思えてきました。

と同時に、ちょっと休憩する時間の余裕と、気持ちの余白が欲しくなっていました。駆け抜けた濃密な2年を振り返り、おもしろそうな場所へ寄り道したり、読み散らかしたテキストや参考文献を整理したりと、一旦振り返って味わい直したくなりました。


大学に編入した目的は、卒業するため&学芸員資格を取るため、ではなく、アートにまつわる文章表現や、世界中の芸術史を、大人になったいま改めて体系的に学び直すため、大好きな美術館・博物館のことをより理解するため、だったはず。
そして、さまざまな制約の中でもベストを尽くし、わたし自身が納得できるような ”中身” をできるだけ伴って、卒業したかったはずです。

余白の1年 2021年度は 休学します

手続きをする際、大学にはこうお伝えしました。

編入して2年目ですが、ほぼ毎月のように提出の締切に追われる感覚がありました。
3か月タームで科目履修を進めていくには、咀嚼しきれないほど内容たっぷりな科目ばかりで、経済的にも仕事の面でもむやみに在籍年数を増やせない中、こなすように履修を進めてしまうのが、とてももったいないなぁ、という気持ちが大きくなっていました。

なので、一旦、休学して時間をとり、この2年でふれた科目や分野について復習しつつ、さらに派生して興味を持った分野を学びたい、その上で卒業年を迎えたい、と思っています。
ですので、とても前向きな気持ちで選択した休学です。


休学といっても、わーい!休みだー!なんて浮かれた気分は、ほぼ皆無。
むしろ、締切が1年後に設定された膨大な自習時間が始まった感覚です。

すでに、残りの必修科目を予習するため、1年間のタスク表を作ってデスクに貼ってます。これを最低限やっておかないと、復学後が相当厳しいと思ってるので。
・・・って、どんだけ自分を追い込むんだよ!とのお声が上がりそうですがw まだ卒業できてませんから、休学中に何をしていたか、どう過ごしたか、が、復学後に非常に問われそうだ、と今からおののいているだけです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ということで、このnoteの更新ペースも5と0のつく日に戻し、あれこれ書いていけたらと考えています。引き続きお読みいただけると嬉しいです。

また、そろそろ卒業後の仕事や活動を見据えて、少しずつでも何か、”種まき”をしておきたいなぁ、なんて思っていたところで、ありがたいご縁が重なりました。
ここ2年、フリーランスのメリットを活かし仕事量を控えめにしていましたが、この1年は、バランスを取りつつもう少し時間を割いていこう!と考えています。楽しみです。



まだまだ、ままならないご時世は続くでしょう。自分の力ではどうにもならないこともたくさんあります。それに文句を言っていても、嘆いていても、時間は誰にとっても平等に、どんどん進みます。

自分の人生は自分のもの。
どの道を選び、どんなペースでどう進むのか、止まるのか歩くのか走るのか、そしてどこを目指すのか。全ては自分次第だし、周りと比べるものではありません。
思いがけない障害物も現れたりしますが、自分の人生のハンドルは自分で握っていたいです。

記事を読んでいただきありがとうございます。いただいたサポートは書籍購入などに使わせていただきます。何よりそんな広く優しい心をお持ちの方には きっといいことがあるはず✨メッセージも合わせて書いていただけたら必ずお返事いたします✏︎