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社会人芸大生が勉強の合間に買って読んだアート関連書籍・2022.4~6月編

皆さま、本、読んでますか?

ついに3年目をむかえたこのシリーズ。2022年は四半期ごとに更新中です。

相変わらず活字にまみれているわたしが、勉強と趣味もかねて手に取ったアート関連本(それ以外もいろいろ)を紹介&勝手におすすめします。
なんか面白そう!と思えるような本と出会うきっかけになったら嬉しいです。

ちなみに2021年編はこちら。

2020年編はこちらです。今から読んでも面白い本ばかりかと。

マガジンもありますよ。


行きたかった本屋さんの記憶と『センス・オブ・ワンダー』の教え

夏のような天気だった4月の終わり、展覧会からハシゴして出かけたROUTEBOOKSさんで買ったのが、若松英輔さんの書き下ろしの一冊でした。

まず装幀が美しい!店頭に置かれていて、はっとしました。
ドリンクをオーダーし、店内で過ごせたのはほんの30~40分程度でしたが、ゆったりとページをめくるたび、並んでいることばが本当に穏やかで優しくて、心にしみこんできました。

ちょうど、いろんなことが不安定になっていて、気持ちも時間的にもせわしない時期だったのですが、本当に久しぶりに、かみしめて読んだ、という一冊になりました。いろんな方にお薦めしたい本でもあります。

レイチェル・カーソンさんの名著『センス・オブ・ワンダー』を読んだことのない方でも、ご心配なく。随所で若松さんが教えてくれますし、読み進めるうちに読みたくなったら、ぜひ寄り道してほしいです。

わたし自身、『センス・オブ・ワンダー』を読んだのはもう何年も前だったので、正直、ちょっと記憶が薄れていました。この一冊をきっかけに、もう一度、読みたくなりました。
若松さんのことばと、自分が年を重ねたことも加わって、今の自分にどんな風に響いてくるのか、楽しみです。

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これまで読んでこなかった作家・一冊

5月に、東京・駒場の日本近代文学館で「川崎康成展」を観たとき、ブルーノ・タウトさんと桂離宮にまつわる文章が出てきました。
これまで民藝にまつわる展覧会などの周辺で、何度もそのお名前に出会っていたものの、著作を読んでいなかったため、なんだかどうにも気になりまして、最初の一冊はこれかな、と選びました。
文庫本で、それほどページ数があるものではないですが、なかなか読み応えがあって、じっくり読んでました。

「川崎康成展」の聴くミュージアムレビューでもお話ししましたが(この展覧会、本当に行って良かったです)

川端康成さんの著作も、ほぼ読んでこなかった人間なので、そろそろちゃんと読みます。こちらも注目されてますしね。


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同世代で応援しているアナウンサーさんの初著書

井上貴博『伝わるチカラ 「伝える」の先にある「伝わる」ということ』ダイヤモンド社

ラジオ好きなわたし。なかでもTBSラジオは、ほぼ毎日何かしらの番組を聴いている局の一つです。

井上さんは、平日夕方のニュース番組「Nスタ」に出演していながらも、どうしてもラジオをやりたい!!!と局に直談判し、4月から土曜午後に3時間の生放送でラジオ番組を始めた方でもあります。

そんな彼が出した初の著作。テーマは「伝える」の先にある「伝わる」
これは・・・!読みたい!!!と熱烈に思い、トークイベントとセットでサイン入り本が買えるタイミングにポチリました。

ラジオ番組開始以来、実はほぼ毎週、番組にメール送ってるんですけど(しかも 読まれて 番組特製名刺をいただけたんですけど!!!)、なぜわたしがそんなに井上さんを応援するのか。
ここからちょっと話が逸れます。


TBSラジオをよく聴くようになったそもそものきっかけは、たまたま聴くようになったTBSアナウンサー安住紳一郎さんのラジオ「日曜天国」でした。

ラジオや音声は、親近感を抱きやすい一方で、その人の人となりが本当によくにじみ出てしまうよなぁとも思っていますが、だからこそ、安住さんがなぜここまで愛されるのか、仕事ができるのか、が、「日曜天国」を聴き続けていてよくわかりました。


で、そんな安住さんの次の世代、ちょうどわたしと同世代くらいでもあるアナウンサーで応援している方が、井上貴博さんと杉山真也さんなんです。

杉ちゃん または お杉 こと 杉山さんは、平日朝の番組に安住さんと連日出演しつつ、ジェーン・スーさんのラジオ「生活は踊る」火曜にも出演されています。スーさんとの掛け合いトーク、本当に素敵です。

で、井上さん。彼はもう、並々ならぬ想いをもって、土曜午後にラジオ番組を始めています。
初回の放送前、1週間くらいにわたって、TBSラジオのいろんな番組へ番宣しに出演していて、radikoを駆使して追いかけ聴いてましたが、ほんとそんなに背負って大丈夫?というくらいに、自ら積極的に自分を追い込み、プレッシャーと重圧を背負えるだけ背負いに行っていました。

なぜか。この時間枠、かつて久米宏さんの番組が放送されていたんです。

久米さんの番組もリスナーだったわたしは、同じ枠を担当する井上さんが、背負いに行かなければ耐えられないくらい大変なんだろうな、と想像しました。
安住さんも相当背負ってる方ですが、井上さんもなかなか。だからこそ、余計に応援したくなったんです。

なお、井上さんのラジオ 「土曜日のあ」は、YouTubeで同時生配信してて、関東圏だけでなく全国・全世界から見聞きできます。アーカイブもあるので、ぜひ。


えぇ~アナウンサーの本かぁ、ちょっとなぁ・・・という方は、PR用の記事が充実しているダイヤモンド・オンラインでどうぞ。

ちなみに、井上さんのトークイベント、対談相手は堀井美香さんでした。
そう、スーミカの、OVER THE SUNの美香さんです。

美香さんも大好き。久米さんとのラジオも楽しかったです。
TBSを離れてフリーランスになられましたが、TBSのアナウンサーさんは皆さん個性派で好きです。彼らの魅力も、ラジオがあったから気づけたと思っています。(だからTBSラジオにはほんとに頑張ってほしい・・・!)

ちなみにちなみに、安住さんが出している著作2冊ももちろん愛読してます。恩師でもある斎藤孝先生との共著の方は、最近出た本だし、マンガにもなったし、手に入りやすいですよ、お薦めです。

ほんとは安住さんのエッセイをまた読みたいんですけど、“TBSテレビ総合編成本部 アナウンスセンター 局長待遇エキスパート職 アナウンサー” なる肩書きになっちゃったし、難しいかもしれませんね・・・ラジオだけはずっと続けてほしいです。


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そうか!わたしこれだったのか!と気づいた一冊

エミリー・ワプニック著/長澤あかね訳  『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法PHP研究所

「マルチ・ポテンシャライト」とは、さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究する人を指す言葉で、「自分の好きな複数の分野で活躍することができる才能」を持つ人のこと。
「天職が見つからない」「中途半端で飽きっぽい」「何をやっても長続きしない」――この本は、こんな風に毎日悩んでいるあなたにこそ、読んでほしい1冊だ。
本書を読めば、自分の好きなことを「一つに絞ることなく」追い求めて実現し、「なりたいすべてのものになる」ことができる方法が、必ず見つかる!

https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-84109-0

この本に出会ったきっかけは、たぶんこちらのnoteでした。

これを読み、TEDを観て、そうか、確かにわたしはこれなのかもしれない・・・!と思ったとき、本当に長年のモヤモヤが、ちょっとだけ晴れたような気持ちになりました。

今でこそ、ジョブホップ経験がフリーランスでの仕事に活きつつありますが、あれこれ試行錯誤し続けてきたし、今でもその途中です。そして、同じように感じている方は、きっとたくさんいると思います。

日本人ではなく海外の作家の手によってこの本が生まれたこと、世界中で同じようにモヤモヤしている人がこんなにいるんだ!と気づけたことだけでも嬉しかったです。何度も大切に読みたい、と思っている一冊です。

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山口周さんと中川政七さんの共著

わたしには、勝手にメンターとして追いかけている方が何人かいらっしゃるんですが、山口周さんと中川政七さんがまさにそうで、そのお二人の共著ってもう、読むしかないでしょ、とすぐに買いました。

ちなみに、山口周さん、J-WAVEで番組もやってらっしゃるんですが、

最近ついにVoicyも始められたんです!!!
これは個人的にとても嬉しいニュースでした。1回10分ほど。今のところどなたでもすぐに全部聴けますので、ぜひ。


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観に行った展覧会の図録いろいろ

『シダネルとマルタン展』図録

広島・山梨と巡回し、締めくくりの会場となった西新宿のSOMPO美術館で行われていた企画展。
“最後の印象派”世代の画家お二人にフォーカスした内容でして、ス―ラとかシニャックとか、点描で描く技法が多く観られた後期の印象派画家の作品群が妙に好きだったのと、このお二人の展覧会が今後いつまた行われるかどうか・・・と小耳にはさんだため、出かけてきました。

結果、観に行って本当に良かった、としみじみ。
好きな雰囲気の作品が数多く展示されていて、素敵でした。

展示構成としても、シダネルとマルタンのお二人が、“静”と“動”、明るい雰囲気と落ち着いた雰囲気、のように、ほぼ正反対の作風だったことで、それらの展示を追いかけながら理解できました。

で、あまりの素敵さに、思わずマルチクロスを買ってしまいました。
シダネルさんとマルタンさんと1枚ずつ。・・・選べなかったんです。

どっちもステキ どっちも可愛くて 両方買いました

また、SOMPO美術館のオリジナル編集だと思われる、ジュニア版鑑賞ブックレットも。
とてもコンパクトながら、美術史や二人の作風、人生などが、ポイントを押さえてとてもわかりやすくまとまっていました。大人にもお薦めです。

左の地図は 生前の二人が立ち寄った街などの情報が。入口でもらえました

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泉屋博古館東京『モネからはじまる住友洋画物語』

泉屋博古館せんおくはくこかん東京は、今春、東京メトロ南北線 六本木一丁目の近くにリニューアルオープンした私設の美術館です。
住友コレクションとも呼ばれ、日本画・洋画、中国の青銅器、茶道具など、幅広い名品の数々をお持ちなんですよ。
東京だけではなく、京都にも美術館があります。

現在、それらのコレクションを紹介していくコレクション展が企画・開催されています。この展覧会の中で、そもそもの住友コレクションがスタートしたきっかけを知ったときは、へー!とちょっと驚きました。

そのきっかけ話だけでなく、わたしの好きな作品も数多く納められていたため、今回の企画展のための図録ではないですが、住友コレクションの洋画収集の歴史がわかりやすかったので、思わず購入してしまいました。

初版特典として、額装済のモネの作品がステッカーに!

★7/1追記:音声配信【聴くミュージアムレビュー】でレビューしました


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世田谷文学館『ヨシタケシンスケ展かもしれない』図録

本の隅々まで、ヨシタケさんワールドが広がる、図録っぽくない図録です。普通に、読みものとしてたっぷり楽しめます。

「見せようと思ってたプリント入れ」は仕事で使ってますw
ヨシタケさんならではの手書き文字と絵が満載
赤とゴールドの色使いも素敵です

残念ながら、世田谷文学館での日時指定チケットは、すでに会期末まで完売しています。が、たぶんグッズだけなら、チケットがなくても、世田谷文学館のロビーで購入できるはずです。

ちなみに展覧会はこのあと、兵庫、広島、愛知と巡回予定ですよ。絶対に、観に行った方がいいかもしれない、です。

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PLAY!MUSEUM 『コジコジ展』図録としても作られた、「コジコジ ファンブック」

入場時、活版印刷のポストカードがランダムで1枚もらえました

我が地元・静岡県が誇る、さくらももこさんの名作「コジコジ」。
その原画などを一堂に展示した企画展が、立川駅の近く、PLAY!MUSEUM で開催中です。
この本は、その展覧会を記念したファンブック。原画の一部やインタビューなどが納められていて、本屋さんなどでも取り寄せて購入可能です。


わたしはまるちゃんも好きですが、シュールでブラックなコジコジも大好きでして、この企画展の開催をとても楽しみにしていました。行けて本当に良かったです。

やっぱり、さくらももこさんの原画はすごい。

単行本と愛用の品々 (ほんの一部です)


残念ながら、コジコジ展は立川のみの開催で、7/10㈰まで。
予約制で、平日ならまだチケットが買えるようですよ。

静岡・清水にある「ちびまる子ちゃんランド」も楽しいので、ぜひ!
グッズショップがとっても充実しています。コジコジのアイテムも多数。

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近況をまとめにかえて

2021年春、地元・静岡でスタートした私設図書館で本棚オーナーになり、本を介して思いがけず人とのつながりが広がりました。


そして2022年の4月からは、文京区内のコミュニティスペースでも棚オーナーになり、蔵書の貸し出しを始めました✨
今年10月、区内で一箱古本市「千石ブックメルカード」を企画されている方とご一緒させていただいてます!
右側のカゴがわたしのスペース。僭越ながら棚の装飾も担当しました。

2022年10月に行われる一箱古本市「千石ブックメルカード」の運営チームにも混ぜていただき、LPや申込フォームの作成、公式Twitterの運営のほか、ZINEづくりのプレワークショップなどもお手伝いしています。


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ということで、今回も6000字近くになってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました✨
その他、本にまつわる記事を他にもいろいろと書いてます。ぜひ!

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