Naoki Matsuzawa 松沢直樹

ライターです。

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  • 松沢直樹 中編小説集

    元彼 徹との重なりだした時間を描いたモスコミュール。奔放な父が連れてきた愛人「サラ」がくれた心の風景。2本

  • 童話・児童文学集

記事一覧

文句なし! 2021年最高の時代劇超大作  映像・音・ストーリーで楽しむ『信虎』

武田信玄の実父『信虎』をテーマに金子修介監督の時代劇大作『信虎』が2021年11月12日より全国公開!! 映画ファンの方なら、「あの金子監督がっ!」、歴史ファンなら「…

ルームメイトは美食の女神

「一生貧乏しますが、食べ物だけはどんな時も恵まれます。あなたは、美食の女神様が一生ずっと一緒にいてくださるはずですから」 いつだったか失念したが、たまたま見ても…

映画の永遠のテーマ「生と死」に果敢に挑む蒼い原石「生と死と夢と」

さまざまな人が表現に挑み、いまだ表現しきれていないテーマとは何だろうか。人によって答えは様々だろうが、私は「生と死」だと思う。 時に文学や映画で綴られる人の生は…

アメリカを嫌いになった日、キースへリングと出会った。

「ちっきしょう! あの牧師、法廷で会う前にぶっとばしてやるぜ」 「ジョニー、ありがとう。気持ちはうれしいけど、そんなに気にしてないからさ」 そういいながらも、僕…

映画 ハンモック短評(岸建太朗監督)

「僕はそこへ行ったことがあるんだ。パレスチナのヘブロンという街に」 まるで叙事詩の冒頭のような美しい台詞からはじまる本作は、30分という短い時間の中に、実に様々…

2019邦画の超新星か?!  11月30日公開「種をまく人」

不況になると邦画が輝くという映画業界のジンクス 昨年から今年に渡って、家族をテーマにした邦画作品が好調だ。 昨年6月に公開され、パルムドールを受賞した是枝裕和…

拡大自殺の盲点 川崎19人殺傷事件で論じられない問題

ご遺族の心情に寄り添い 問題の本質を考える議論を 川崎市多摩区の路上で、51歳の男が、私立小学校の児童ならびに大人19名を刃物で襲う事件が発生した。 うち、2名…

落盤

「落盤」と言われても、なんのことだかピンとこない方が多いだろう。 石炭や鉱物を採掘する際に、トンネル状の坑道を掘って掘り進むのだが、地盤が緩かったり採掘した鉱石…

あの時は、こう言いたかった

本当に伝えたいことほど、うまく伝わらない。 言葉は伝わる時があって、その時をすぎれば、玉のような言葉でも心をすべるばかり。 こわれものにふれるように慎重に言葉を…

キキは死なない

学校から帰ってきたら、母さんからよばれた。 階段をかけあがって、自分の部屋に入った時だった。 「さとし、リビングにおりてきなさい」 おっかない声だった。 ひ…

考えてみると、「色味」っておかしな言葉だよね。それとも昔の人は、食べ物の色を基準にして、染色をしたのかな?

すっごく眠いんだけど、春が近いから? 教えてエロい人

なんだなか、最近異様なくらい眠いんだけど、どうしてだろう。執筆中に、寝てたりする。
単に過労なのかしらねえ? 一度、お医者さんに診てもらったほうがいいかな、

ひたすら新書の原稿書き中。3月までんは、なんとかしたいなあ。
昨年夏からの戦後70年の取材で、ほぼお休みが一日もないので、いまになってボディブローのように
効いておりまする。
鯉こくとか、鯰鍋みたいなものを食して、精をつけなきゃだめですな。

香川で取材したオリーブ牛肉うどんがなつかしい。

今日も、こぐま通信社はおおいそがし

文句なし! 2021年最高の時代劇超大作  映像・音・ストーリーで楽しむ『信虎』



武田信玄の実父『信虎』をテーマに金子修介監督の時代劇大作『信虎』が2021年11月12日より全国公開!!
映画ファンの方なら、「あの金子監督がっ!」、歴史ファンなら「あの信虎をテーマにした映画がっ!」と色めきたつことでしょう。

「なんのことだかさっぱりわからない」という方、安心してくださいね。

作品のあらすじと本作の見どころについて、この記事でネタバレにならない程度に、じっくり解説させてい

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ルームメイトは美食の女神

ルームメイトは美食の女神

「一生貧乏しますが、食べ物だけはどんな時も恵まれます。あなたは、美食の女神様が一生ずっと一緒にいてくださるはずですから」

いつだったか失念したが、たまたま見てもらった占い師から、そう言われたことがある。占いの類いは信じないほうだ。したがって、「美食の女神」なるものがいるとも思っていなかった。だが、その占い師の言うとおり、こと食べ物に限っては、それ以来およそ困ったことがない。

二十年近く前、商業

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映画の永遠のテーマ「生と死」に果敢に挑む蒼い原石「生と死と夢と」

映画の永遠のテーマ「生と死」に果敢に挑む蒼い原石「生と死と夢と」

さまざまな人が表現に挑み、いまだ表現しきれていないテーマとは何だろうか。人によって答えは様々だろうが、私は「生と死」だと思う。

時に文学や映画で綴られる人の生はえてしてドラマティックだが、現実の人の一生は必ずしもそうではない。大半の人は日常に埋没し、大した変化がない中で、死を迎えるのが実情だ。

しかしながら、そのような凡庸な一生であっても、自分が有限の存在であることを意識した人は、凡庸な生活の

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アメリカを嫌いになった日、キースへリングと出会った。

アメリカを嫌いになった日、キースへリングと出会った。

「ちっきしょう! あの牧師、法廷で会う前にぶっとばしてやるぜ」
「ジョニー、ありがとう。気持ちはうれしいけど、そんなに気にしてないからさ」

そういいながらも、僕の気分は最悪だった。アメリカ短期留学の最後の週の日曜日、僕がもっとも心のよりどころとする教会で、人種差別の的にされたからだ。

なんとなく、いやな雰囲気だとは思っていた。

最初は、あまりにも早口で聞き取れなかったが、牧師は、第二次世界大

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映画 ハンモック短評(岸建太朗監督)

映画 ハンモック短評(岸建太朗監督)

「僕はそこへ行ったことがあるんだ。パレスチナのヘブロンという街に」

まるで叙事詩の冒頭のような美しい台詞からはじまる本作は、30分という短い時間の中に、実に様々なテーマを織り込んだ作品である。

「種をまく人(竹内洋介監督)」で、主演男優賞を受賞し、また撮影監督を同時につとめた岸建太朗氏。

自身の取材と私体験をもとに本作を醸成し、メガホンを取っている。

しかしながら、本作は単に、岸監督の体験

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2019邦画の超新星か?!  11月30日公開「種をまく人」



不況になると邦画が輝くという映画業界のジンクス
昨年から今年に渡って、家族をテーマにした邦画作品が好調だ。

昨年6月に公開され、パルムドールを受賞した是枝裕和監督の「万引き家族」は記憶に新しい。

それに加えて、千原ジュニア・平尾菜々花主演の「ごっこ」は、川谷絵音が率いるindigo la Endがサウンドトラックを書き下ろしたこともあり、公開から一年を過ぎた今でも注目を集めている。

さて

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拡大自殺の盲点 川崎19人殺傷事件で論じられない問題

ご遺族の心情に寄り添い 問題の本質を考える議論を

川崎市多摩区の路上で、51歳の男が、私立小学校の児童ならびに大人19名を刃物で襲う事件が発生した。
うち、2名が死亡するいたましい事件となったが、被疑者はその場で自殺を図り、犯行目的が閉ざされる最悪の結果を迎えている。

その後の報道で、被疑者が刃物を事前に準備していたことや、犯行現場となった小田急線登戸駅へ降り立ったあと、的確に犯行に移っている

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落盤

「落盤」と言われても、なんのことだかピンとこない方が多いだろう。
石炭や鉱物を採掘する際に、トンネル状の坑道を掘って掘り進むのだが、地盤が緩かったり採掘した鉱石の重さでトンネルの屋根や床に相当する部分がはがれ落ちる状態をいう。
当然、作業員は閉じ込められる状態になるし、場合によっては圧死や漏れ出てきた水やガスで死亡することも珍しくない。
私が子供の頃、故郷の筑豊は斜陽化が進んでいたが、石炭を掘って

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あの時は、こう言いたかった

本当に伝えたいことほど、うまく伝わらない。

言葉は伝わる時があって、その時をすぎれば、玉のような言葉でも心をすべるばかり。

こわれものにふれるように慎重に言葉を選びすぎてはだめ。

でも、壊したくないからこそ、わかっていても、言葉を選んでしまう。

あの時、本当はこう言いたかったんだよ

こういったことがいくつあるだろうか。

そういった思いもいつか、一つずつ消えていくのだろうけど。

キキは死なない

学校から帰ってきたら、母さんからよばれた。

階段をかけあがって、自分の部屋に入った時だった。

「さとし、リビングにおりてきなさい」

おっかない声だった。

ひょっとして、算数のテストをかくしてたのが

ばれちゃったのかな。

つくえのひきだしのおくにしまっておいたのに、

なんでばれたんだろ。

この前のテストは20点だったから、さいあくだ。

ぼくは、ランドセルをおいて、

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考えてみると、「色味」っておかしな言葉だよね。それとも昔の人は、食べ物の色を基準にして、染色をしたのかな?

すっごく眠いんだけど、春が近いから? 教えてエロい人

なんだなか、最近異様なくらい眠いんだけど、どうしてだろう。執筆中に、寝てたりする。
単に過労なのかしらねえ? 一度、お医者さんに診てもらったほうがいいかな、

ひたすら新書の原稿書き中。3月までんは、なんとかしたいなあ。
昨年夏からの戦後70年の取材で、ほぼお休みが一日もないので、いまになってボディブローのように
効いておりまする。
鯉こくとか、鯰鍋みたいなものを食して、精をつけなきゃだめですな。

香川で取材したオリーブ牛肉うどんがなつかしい。

今日も、こぐま通信社はおおいそがし