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学際研究

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#意識

記号論・言語学と意識・クオリア研究の関係性について(諸事情により期間限定有料記事)

記号論・言語学と意識・クオリア研究の関係性について(諸事情により期間限定有料記事)

(本文は3500字くらいです。参考文献が結構多いので。。。コメントあればよろしくお願いします。)

■意識研究の変遷 ー 意識研究の第一世代(科学的探求の開始)と第二世代(意識の神経相関NCCの探求)

私たちが主観的に経験する意識は、哲学においては、古くから思索の対象であった。そこでは、自分や他人の意識の本質や、その構造を考えるために「言葉」を道具として主に用いてきた。言語は思考の抽象度を高め、

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最新の脳科学と意識の理論から予測する、人工知能(AI)の意識の可能性について

最新の脳科学と意識の理論から予測する、人工知能(AI)の意識の可能性について

ちょっと事情があって以下の記事を有料で(おそらく期間限定)で公開します。フィードバック、コメントいただけると幸いです(5月1日までに。)

1.AIは意識を持つか?

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学術変革領域A クオリア構造学創成 2023年4月から5年間開始!

学術変革領域A クオリア構造学創成 2023年4月から5年間開始!

学術変革変革領域A「クオリア構造学の創成」が採択されました!
詳細は追ってホームーページやNote, Twitter, YouTubeで報告します! 4月開始に間に合うのか?

応募領域の研究概要

主観意識と客観的な物質としての脳は、全く異なる世界に属すのだろうか? 意識の中身であるクオリアと脳はいかに関係しているのか? 意識と脳の問題は、科学的な興味に留まらず、現実社会における人の気持ちの理解

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意識の授業についてのアンケートの結果 日本語と英語のツイートで。(For English version, see at the end of this essay)

意識の授業についてのアンケートの結果 日本語と英語のツイートで。(For English version, see at the end of this essay)

2022 Oct 7 に、北大CHAINの吉田さんと、大学生・大学院生向けに行っている意識の授業についてZoom/Youtube上で話しました。

そこで出てきたマーケティング的なアイデアで、実際、授業を受ける側の人がどんなトピックを求めているかについて、アンケートをYoutubeの視聴者に聞きました。サンプル数が少なかったので、先週一週間かけて、Twitter上で日本語・英語で同じ質問をしました

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久々のNote! 今度心理学ワールド99号に載る予定の原稿。タイトル「意識・クオリアを科学するには?」

久々のNote! 今度心理学ワールド99号に載る予定の原稿。タイトル「意識・クオリアを科学するには?」

ノートに書くの久しぶり! グラント書きに追われ(3月、5月、7月と、でかいのが続いている。。。)、なかなか時間が取れず。

表紙はサーターアンダギー。今日の昼から沖縄へ行きます!2年ぶりの日本一時帰国。2019年の11月に北海道(CHAIN opening)と奈良(Quantum Cognition)に行ったのが最後かな。

以下は、2022年10月発行予定の心理学ワールドの「こころの測り方」とい

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意識研究、量子論、仏教の接点が見えてきた。気がする(その3ーこの世界の根本は関係性)

意識研究、量子論、仏教の接点が見えてきた。気がする(その3ーこの世界の根本は関係性)

その2で私が書いたのは、
1)脳内のニューロン同士の相互関係という関係性、
2)我々の身体の外にある世界のモノ同士の関係性、
3)1)の関係性と2)の関係性をつなぐ関係性、
この3つは、世界の構成要素として根源的に違うのか、という疑問だ。

私は、この3つが根源的に違う、ということを指し示すような実験・観測事実は無いと思っている。それは、マッハが「感覚的要素一元論」を提唱した時以降も変わっていない

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意識研究、量子論、仏教の接点が見えてきた。気がする(その2ー実在)

意識研究、量子論、仏教の接点が見えてきた。気がする(その2ー実在)

一番「世界は『関係』でできている」で私に納得が言ったのが、世界の根本をどんどんと突き詰めていくと何か「モノ」が出てくる、わけではないという話。

これはおそらく、普通の考えと異なるだろう。

大栗博司さんの「重力とは何か」にも次のように書いてある

「結論から申し上げましょう。それがクォークかどうかは別にして、この玉ねぎには必ず「芯」があります。… 「プランクの長さ」が、宇宙という玉ねぎの「芯」で

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意識研究、量子論、仏教の接点が見えてきた。気がする(その1ー寸止め)

意識研究、量子論、仏教の接点が見えてきた。気がする(その1ー寸止め)

意識研究をやっていると、その研究費獲得のために書く書類の中で、

「この研究は科学と宗教の対話に貢献する」

とかそういうことを書きたい時がある(ちゃんと覚えていないが書いたことも多分ある)。これまでははっきりと「どのように」貢献する、ということは書いていなかった。おそらく、審査員に突っ込まれたらはっきりと返す言葉をもたなかった。自分の中でその関係性は確実にあったが、それを言葉にできるほど、明確な

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学問分野がつながった時のでかい効用:FishOilとRaynaud's syndrome

学問分野がつながった時のでかい効用:FishOilとRaynaud's syndrome

今日から(ロックダウン以降)ほぼ2年ぶりに、旅行! 

来年のグラントに向けて準備する中で、Don Swanson という人の 1986: "Fish oil, Raynaud's syndrome, and undiscovered public knowledge." Perspectives in Biology and Medicine という論文に出会った。

1)魚油 Fish oi

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